ニュース
» 2004年10月19日 02時52分 UPDATE

1セグ放送&モバイル放送・徹底比較:画質はどのくらいか?(1セグ放送編) (1/2)

1セグ放送、モバイル放送とも、気になるのはやはり画質。どれほどのクオリティの映像が視聴できるのか、数値から検証してみよう。

[杉浦正武,ITmedia]

 11月にもサービスがスタートする「モバイル放送」と、来年度中にも開始予定の「1セグメント放送」をさまざまな角度から比較する特集「1セグ放送&モバイル放送・徹底比較」、今回は画質面をチェックしたい。

 まずは1セグ放送を取り上げる。明日はモバイル放送を取り上げる予定だ。なお、画質を言葉で表現することはなかなか難しいため、本稿ではなるべく数値から映像クオリティを説明する。

16QAMとQPSKで変調

 まず押さえておきたいのが、1セグメント放送を受信するには2種類の変調方式が考えられること。ARIBの規格では、OFDMの運用パラメータとして「16QAM」と「QPSK」の2種類を定めている。各方式は、誤り訂正の符合化率(下方囲み参照)によって、さらに細かく分類される。

変調方式 誤り訂正の符合化率 データ伝送速度
16QAM 1/2 562Kbps
QPSK 2/3 374Kbps
QPSK 1/2 281Kbps
 参考:FOMAのテレビ電話=64Kbps
    FOMAのiモーション=384Kbps

 搬送波のヘッダ信号に識別用のデータを入れ込むことで、受信側でどちらの方式か判断できる仕組み。いずれの方式を採用するかは、テレビ局側の判断に任されるようだ。

 TBSの技術局開発センター企画開発 大吉なぎさ氏は、16QAMの場合は総ビットレートが624Kbpsであり、誤り訂正に必要な帯域をのぞくと384Kbps程度の映像を伝送できると話す。

 「ただし、実際には電波が届きづらい。これだと、狭いエリアでのサービスに限定されることになる」

 一方、QPSKでは総帯域は312Kbps。「180Kbps程度」(同氏)の映像をやりとりできるという。QAM方式に比べビットレートで劣るのが難点だが、QPSK方式のほうがノイズ耐性が強く、電波の到達度を高めることが可能。必然的に受信可能エリアが広がるため、テレビ局はこちらを採用する見通しのようだ。

 「もっとも、TBSとしてはどちらにするか決定していないというのが現状」(同氏)

 ちなみに、先日のCEATEC JAPAN 2004会場で三洋電機がデモを行っていたが、これはQVGA(320×240ピクセル)の液晶にQPSK 1/2、15fpsの映像を無線伝送していた(10月6日の記事参照)

誤り訂正の符合化率とは?

 無線通信では、情報が間違って伝送されても修復できるよう、対策を施すことが重要になる。具体的には、元の情報を冗長化(=情報を加える)したデータを送信することで、誤りを訂正できるようにする。このとき、伝送されるデータのうち、元の情報量の占める割合を符号化率と呼んでいる。

 たとえば、符合化率3/4の場合は、元の情報量3を符号量4に冗長化して、誤り訂正能力を持たせていることを示す。このとき、送信されるデータは元の情報量の4/3倍に増加する。

180Kbpsで、視聴に耐えるのか

 話を聞く限り、現状ではQPSKで180Kbpsクラスの映像を配信、というのが現実路線の様子。では、その画質で十分視聴に耐えるのだろうか。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.