録画時には、本体のボタンで「開始/終了」の操作が行える。録画を開始したとき、AV入力に映像信号が届いていれば録画、映像信号が途切れていると録画一時停止となるため、上記のようにビデオレコーダーの留守録と連動した予約録画が行えるわけだ。また、インジケータにはメモリカードの残量に合わせて録画可能な時間がリアルタイムで表示される。機能を欲張っていないぶん、操作は極めてシンプルでわかりやすい。
録画したファイルは、メモリカードの「\SD_VIDEO\PRL001」フォルダに「PRLxxx.3gp」(xxxの部分は連番)というファイル名で保存される。対応ケータイが、標準で動画を保存するフォルダとファイル名だ。当然のことだが、フォルダを移動したり、ファイル名を変更する必要はなく、ケータイでもそのまま動画ファイルとして認識する。
録画ファイルは、全て15fpsとなるようだが、スムーズで見やすく、ブロックノイズが気になるようなこともない。この印象は録画品質の設定にかかわらず共通で、さすがに録画専用機といった感じだ。
ただし、解像度はやはり物足りない。とくにテロップに関しては、「L」サイズでぎりぎり読めるかなというレベルで、「S」サイズではまったく読み取れない(地上波放送の場合、洋画でも日本語吹き替えが多いためテロップはあまり重要ではないとは思うが……)。また音声も、入力はステレオなのにエンコードはモノラルだ。ちょっともったいない。
「携帯でビデオ」は、手軽にテレビ録画のケータイ再生が行えるユニークな製品だ。せっかく動画対応のケータイを持っているのだから、通勤時などに前日のドラマや朝のニュースをチェックしたい。でも、パソコンで録画してエンコードするなんて面倒そうだし、メモリカード録画対応のDVDレコーダーやテレビは高価で……という人には非常に便利な製品かもしれない。miniSDカードも256Mバイトや512Mバイトといった大容量の製品が登場しているから、録画時間も十分実用の域に達している。
もっとも、最大176×144ドットという録画画面サイズには少し不満が残る。実際にケータイで再生してみるとそれほど違和感はないのだが、ケータイの画面がQVGA(240×320ドット)なのにもったいない……などと思ってしまう。対応するケータイ端末の多くがQVGAディスプレイなので、ますますそういう思いが強くなってしまうのだ。3gpフォーマットの制約もあるとは思うが、次期モデルでは是非考慮してほしい部分だ。
もちろん次はスフィンクス型で……。
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