3G+定額制で、携帯は有力な広告メディアになる

» 2004年11月17日 23時04分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 11月17日に行われた「モバイルアドフォーラム2005」で、JIAA(インターネット広告推進協議会)モバイル広告部会長の橋本浩典氏(mediba副社長)は、パケット定額制の利用により、ユーザーの携帯サイトへのアクセス状況がどのように変わるか、アンケート調査の結果を発表した。

1日に9回以上携帯サイトを見るユーザーが23%

 アンケートは、iモード向け広告代理店のディーツーコミュニケーションズと、EZweb向け広告代理店のmedibaが、両社の会員5255人に対して共同で行った、クローズド調査である。

 「携帯サイトを週に何回閲覧するか」という問いに対し、定額制利用者の94%は週1回以上、73.7%が週4回以上閲覧すると答えている。定額制非利用者に比べ、週4回以上閲覧するヘビーユーザーが2倍近いことが分かる。

 「携帯サイトを1日あたり何回閲覧するか」という問いに対しては、定額制利用者のうち23.1%が1日9回以上、45.5%が5回以上と答えている。パケット代を気にしなくてよいことにより、気軽に携帯サイトにアクセスするユーザーの姿が読み取れる。

定額制の利用により、有料サービスの使用料も上がる

 有料サイトの月額使用料についても聞いている。定額制利用者が有料サイトに使っている金額の平均は、定額制非利用者の倍近い。

 「月額300円以上の利用が一般的」(橋本氏)とされるが、定額制利用者の71.7%が月300円以上、27.0%が1000円以上利用している。

 ユーザーが見てくれないことには、広告は成立しないし、市場も大きくならない。このアンケート調査の結果は、携帯広告業界にとって、明るい材料となりそうだ。

 広告メディアとして携帯を見た場合、携帯用サイトは、PC用インターネットサイトの広告に比べ、かなり規模が小さい。橋本氏によると、現在、日本のPCネットユーザーと携帯ユーザーはともに7000万人と同程度。しかし広告売り上げの金額で比較すると、携帯向け広告はPC向け広告の10分の1にも満たないという。(7月13日の記事参照

 3G携帯の本格普及は、携帯広告業界にも大きな影響を与えそうだ。パケット定額制だけでなく、3Gの導入による通信の高速化、Flashの導入による表現力の向上など、広告業界が期待するポイントは多い。橋本氏は「3Gでの広告フォーマットを策定し、運用ルールを決め、共通化する。すぐには結果は出ないだろうが、まだ確立していないモバイルメディアならではの価値をハッキリさせたい」とした。

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