「クリスマスまでに彼氏を作るブログ」作者の苦労(2/3 ページ)

» 2004年12月09日 20時43分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 はあちゅうさんは、ブログのおかげで「『悪あが記の』はあちゅうです」と名乗れるようになったと話す。それまでいろいろ活動していて、「すごいね」と言われることはあっても、そこまでだった。ブログは、自分にアイデンティティをくれた。

 さきっちょさんは、ブログを始めなかったら、きっと東京に出てこないで地元で就職していただろうと振り返る。実際に、地元で内定も出ていた。「ブログがなかったら、田舎の平凡な学生のまま。でも、東京の友達ができて、刺激になった」

Photo ブログの中で写真を公開するさきっちょさん(サイトから抜粋)

時には、誹謗中傷も

 もちろん、負の影響がなかったとはいえない。代表的な例でいうなら、2ちゃんねるにスレが立った。書き込みの中には、誹謗中傷の内容もあった。

 ただ、2人は日頃あまり2ちゃんねるを見ていない。前述の「2ちゃんねるに詳しい友人」も気をつかって削除してくれたため、それほど問題にはならなかった。

 直接非難のメールが届くこともある。「さきっちょは実は男だ」というあらぬ噂を立てられたり、自分の名をかたるニセモノが現れたりもする。「アダルトチャットで、“はあちゅう”の名前をかたる人間がいたらしいんです」

 それでも、楽しいことのほうが多いと2人は話す。ファンメールも届くし、2人をネタにしたFlashを自発的に作ってくれる人が出てきたりする。あるときは、2人のもとにこんなメールが届いた。

 「私は、学校でいじめにあっています。でも、家でPCに向かって、2人のブログを読むと楽しくなってくるんです」

Photo 2人は、しばしば“顔オチ”で笑いをとってみせる(写真は、はあちゅうさん)

携帯でネタをメモる毎日

 2人は、ブログを交代で毎日更新している。その分、「ネタ探し」は重要になる。そのとき活躍するのは携帯だ。街中で目についた面白いものがあると、とりあえず携帯で撮っておく。「携帯に、思いついた話をメモったりしています」(さきっちょさん)

 そうしてネタを集めても、いざ書くとなると気を使う。なにしろ、ネットの向こうには何万という読者がいる。

 「たとえば、鼻に野菜をつっこんで写真を撮るとしますよね?」

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