ザンギエフが強力キャラに!? 携帯版「ストII」:モバイルコンテンツ・プチレビュー

» 2005年01月20日 22時33分 公開
[小松しおる(StoryWorks),ITmedia]

 日本人は、格闘技好きだ。

 オリンピックでは、山ほど金メダルを取ってくれる柔道家たちに声援を送り、年末はK1、PRIDEといった格闘番組に手に汗にぎる。少年誌では格闘マンガが花盛りだし、ゲームセンターをのぞけば、そこには対戦型の格闘技ゲームが並んでいる。なんだかんだ言って、やっぱり日本人の心には熱くたぎる“ファイター魂”が宿っているのである。

 そんな中、格闘技ゲームの「名作」といえるゲームがケータイアプリとして復活した。20代から30代のユーザーには懐かしい、カプコンの「ストリートファイターII」だ。どれほどゲームが再現されているか、試してみた。

Photo (C)CAPCOM 2004
コンテンツ名 ストリートファイターII
料金月額 月額315円
対応機種 FOMA900i、901i専用アプリ
アクセス 「メニューリスト」-「ゲーム」-「ゲーム1」-「ミニゲーム」-「カプコンパーティ」

 ストリートファイターII(ストII)は、「ストリートファイター」の続編として1991年にリリースされ、一世を風靡したアーケードゲーム。パンチ、キックを繰り出して互いに体力ゲージを減らしあう内容で、各キャラは固有の必殺技を持っていた。

 人気の高さを物語るように、その後も各種ハードで「ダッシュ」「ターボ」と続編が登場。劇場アニメ化され、ついにはハリウッドで実写映画化までされている。ちなみにラスボスの名前である「ベガ」が、米国では女性っぽい響きを持っていたため、映画では勝手に「バイソン」に変更されたのは日本ユーザーにとって大いに不満の残るところだった。

再現性の高いグラフィック

 プレイしてみると、主人公格のキャラクター、リュウやそのライバルのケン、紅一点の春麗(チュンリー)など8人のキャラを選ぶことが可能。8人をすべて倒すと、4人のボスキャラクターが出てくるところもきちんと再現されている。

 グラフィックは美しく、ゲームセンターのバージョンとほぼ同じ仕上がり。「波動拳」などの必殺技もそれなりに迫力がある。キャラクターのボイスは、プレイ開始時に「春麗のボイスをダウンロードしますか?」といったように聞かれる。電車内などでプレイするので音無しでいい……という場合は、ダウンロードしなくてもよい。

PHoto (C)CAPCOM 2004

 戦闘ステージ(背景)は、キャラごとに変化しない。ある程度勝ち進んでいくと、新しいステージを自分で選んでダウンロードする方式。「春麗で勝ち進み、タイステージをダウンロードして、大きな釣鐘を背景にバルログと闘う」といったことも可能だ。ストIIを語る上で忘れてはならない、各ステージに現れる「ニワトリ売り」や「ツボおばさん」などの名物観戦者もきっちり再現されている。

「ワンボタンで必殺技」の功罪

 まず一言、言っておきたい。ケータイの小さなボタンに操作性を期待してはいけない。携帯の十字キーは、スピード感重視の格闘ゲームにおいては“致命的”というほど操作しづらい。なにしろ、攻撃の基本であるジャンプキックが出しづらいのだ。

 だが、カプコンの移植チームはそのあたりをよく考えている。携帯版では、必殺技がワンボタンで出せるようになっている。例えばテンキーの「4」に波動拳を、「5」に昇龍拳を割り当てて、必殺技を出しまくることができる。

 かつてゲームセンターでスティックをがちゃがちゃ回し、ボタンを連打した身としては少々寂しくもあるが、ケータイで遊ぼうとしたら、仕方がないのかもしれない。

 ちなみに、この設定が思いきりプラスに働いているキャラが、ロシア出身のプロレスラー「ザンギエフ」だ。当時ザンギエフの必殺技「スクリューパイルドライバー」は、すごく難しかった。自他共に認めるトロい筆者には、一度も出せた試しがない。それが、指一本で出せてしまう。ちょっと悔しい。

 この技はコマンドが難しい代わりに、出せた時は大ダメージを与えることができる。相手にツカツカと近寄り、おもむろにワンボタンでスクリューパイルドライバー!! これを3回繰り返すと、なんと勝利してしまう。つまり、「ザンギエフがものすごく強くなっている」のだった。

対戦したいよね

 そのほか、ゲームセンター版と異なるところでは、「弱キック」「強パンチ」といった強弱の区別がないことが挙げられる。キックは全部、ただのキックだ。またストIIの醍醐味といえる、ほかのプレイヤーとの対戦プレイにも対応していない。ネットワークのディレイが許されない格闘ゲームでは実現は難しいだろうが、この点は残念だ。

 とはいえゲームの再現度は高く、昔遊んだユーザーは懐かしさにひたれることは間違いない。電車の中で携帯を取り出し、ワンボタンで必殺技を繰り出しながら4、5人抜きしていく。これはこれで、悪くない。

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