FOMAでハイエンド路線を突き進む一方で、preminiのような特殊端末にも積極的なドコモ。今、どんな戦略の元で端末を開発しているのだろうか。
ドコモの端末ラインアップは大きく分けて2つある。901iシリーズを頂点とする“シリーズモデル”と、preminiやProsolid、Music PORTERなどペットネームが付けられた“コンセプトモデル”だ。
「メインストリームとなるのがシリーズモデル。いわばマス向け。ライフスタイルをキーに、例えばデザインや付加価値に絞ったのがコンセプトモデル」だと、プロダクト&サービス本部プロダクト部第二商品企画担当の中野正宏氏は説明する。
年間で約2000万台の端末を販売するドコモだが、その大半はシリーズモデルだ。なかには1機種で数百万台売れるお化け機種も存在する。この流れは今後も変わらない。端末展開の中心は、シリーズモデルであり、2005年を見た場合“FOMAラインアップの強化”が重要課題だ。
基本機能を強化した901iシリーズに加え、春商戦向けには普及版FOMAである「700iシリーズ」も準備している(1月17日の記事参照)。主力をFOMAに置き、2005年の終わりにはムーバとFOMAの台数を逆転する計画だ(2004年11月8日の記事参照)。
ただし「シリーズモデルだけでは、カバーしきれないところがある」(中野氏)ことも分かってきた。
マスを狙うシリーズモデルに対し、「フォローしきれない部分の穴埋めをしつつユーザー層を拡大する」(中野氏)──それがコンセプトモデルの使命だ。
そのため、数多くの台数を販売することは狙っていない。90xなどのシリーズモデルが取り逃したニッチ層に響く製品作りが求められる。
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