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» 2005年03月23日 21時36分 UPDATE

愛・地球博に行ってきました:日立グループ館、燃料電池ビュワーで希少動物を見学

次世代の電源として期待される燃料電池。日立グループ館で配られるビュワーには、カートリッジタイプの燃料電池が使われており、入場者は手に取って使用できる。

[吉岡綾乃,ITmedia]

 愛・地球博の日立グループ館の展示内容は、前半で絶滅の危機にひんした希少動物たちについての情報を知り、後半では乗り物に乗って、ジオラマと3DCGを組み合わせて再現された希少動物と触れあうというもの。前半で入場者に貸し出される情報端末「Nature Viewer」に、燃料電池が利用されている。

ミューチップリーダーで希少動物の情報を読み取る

 館内には動物の絵が付いた細長い柱状の展示物がたくさん立っている。「アクセスポイント」と書かれた部分にはミューチップが埋め込まれており、そこをNature Viewerで読み取ることで、希少動物の情報が表示される。

 読み取り精度は高い。アクセスポイントがうまく工夫された角度で付けられているため、ラフにNature Viewerを近付けるだけでも読み取れる。45度程度回転していても大丈夫だが、90度ずらしてしまうと読み取れないことが多い。180度回転させ、逆に向けても読み取れる。ミューチップとリーダーの間は5〜7センチくらい離れていても読み取れるそうだ。

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日立グループ館の外観。パビリオンの上を水が滝のように流れ落ちる印象的なデザインだ。入場者のウェイティングスペースには両面受光の太陽電池が設置され、太陽光で発電した電力をパビリオンの一部へ供給している
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Nature Viewerは、希少動物の写真やムービー、情報を表示するための端末。3.5インチの液晶と、大きなボタンが2つ付いたシンプルな端末だ(左)、パビリオンの中に多数配置されている、ミューチップが埋め込まれた展示物。赤い部分にNature Viewerを近づけると、ミューチップを読み取り、動物の情報が表示される(右)
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表示の例。動物によってはムービーも見られる。日本語のほか英語、中国語、韓国語に対応。また子供向けに、ひらがなを多用した易しい文体で表示することもできる

一般入場者が燃料電池を使える初めての機会

 Nature Viewerで利用されているのは、カートリッジ方式の燃料電池で、これまでも展示会などで発表されてきたもの(参照記事12)。一般入場者が手に持って、燃料電池を自由に体験できる機会は世界初だという。

 リチウムイオン電池とのハイブリッド仕様で、燃料電池でリチウムイオン電池を充電しながら利用する。燃料電池のカートリッジは1日数本交換しているという。カートリッジには、5ccのメタノール水溶液が入っており、濃度は「十分薄く、燃えることはない。万が一漏れて、人体に付いたとしても害がない薄さ」(日立製作所)。

 「万博のコンセプトが『自然の叡智』『環境』であることから、クリーンなエネルギーである燃料電池に目を付けた」(日立製作所)。また、日立グループ館のコンセプトも「ユビキタス情報社会の近未来を体験してもらう」というもので、燃料電池を体験してもらう機会として、モバイル向け燃料電池搭載端末の採用に踏み切ったという。

 なお、Nature Viewerには、小型HDD「iVDR mini」が採用されており、動物の写真やムービー、解説などが収められている。iVDR miniはiVDRコンソーシアムが定めた規格に従って作られており、振動や衝撃に強く、持ち運ぶ用途や、リムーバブルデバイスに適したHDD。Nature Viewerで採用されているものには、2.5インチのディスクが1枚入っており、容量は20Gバイト。

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クリアパーツで作ったNature Viewerのモックアップ。本体の左側に入っているのが燃料電池のカートリッジ。iVDR miniは液晶の下に入っている
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カートリッジはメタノール水溶液と空気を直接電極へ供給して発電するDMFC(ダイレクト・メタノール型燃料電池)で、使い捨てライター大手の東海と共同開発してきたものだ。カートリッジは1日数回交換が必要。入場者からNature Viewerを回収した後、係員がカートリッジを交換する
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Nature Viewerの裏面。黒い部分が燃料電池、赤い部分がミューチップリーダー


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