Motorolaの発表によれば、E680iは2005年4月にアジア地域で、E725は2005年後半から米国で、E685は2005年前半で中国から、それぞれ販売が開始される。現時点で、日本での販売時期などについては未定となっている。
また同日、「HIJACKED by MTV」という新サービスも発表されている。これは、壁紙、SMS(Short Messaging Service)の基本テンプレート、デザイン、アプリケーションといった要素が、すべてMTVのアーティストによってデザインされ、携帯電話としてリリースされるというものだ。
とかく機能面が重視されがちな携帯電話だが、カルチャー的視点からユーザーの需要を掘り起こすことで、MTV携帯を持つこと自体がステータスになるような、若年層を対象にしたビジネスモデルを提案するのが狙いだ。ある意味で、今回のM3にいちばんマッチしたサービスだといえる。
近年のMotorolaは、さまざまなビジネスの方向性を模索している。例えば、Skype搭載の携帯電話を発表したり(2月15日の記事参照)、その一方で中南米やアジア、中東、アフリカなどの新興地域に向けて40ドル未満の音声機能を中心とした低価格端末の提供も計画。ハイエンドからローエンド、ビジネスマンから普通の若者まで、幅広い層にリーチする端末開発を推進しているのだ。
携帯電話市場全体を見渡すと(3月8日の記事参照)、2004年に一時的な落ち込みが見られたものの市場はしだいに回復している。1位のNokiaを筆頭に、2位がMotorola、3位がSamsungという形で、Motorolaは比較的好位置をキープしている(2004年末に一時的にMotorolaとSamsungの順位が逆転していた)。
そのMotorolaが近年力を入れているのが、音楽ビジネス。MotorolaはiTunesに対応した携帯電話の販売を予定している(3月10日の記事参照)。当初はドイツのハノーバーで3月上旬に開催されたCeBITで公開される予定だったものが延期され、次は今回のM3 Summitで公開されることになるとみられていた。だが最終的には2005年前半での発表という形で落ち着いている。
注目すべきは、同社がこれら最新端末を引っ下げて、どのように音楽ビジネスを展開していくかだ。iPodを中心に盛り上がる携帯音楽プレイヤー市場のユーザーを、この分野にどれだけ取り込むことができるのだろうか。
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