“N”FOMAのターニングポイントになる──開発陣に聞く「N901iS」(1/2 ページ)

» 2005年06月22日 17時26分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 ムーバ時代、“N”端末は、「アンテナの位置まで変えない」といわれるほど、統一したデザインを踏襲していたことで知られる。“おしゃれ”“上品”“ベーシック”といった路線のアプローチで、突拍子もない色やデザインを採用することもなく、そのコンサバティブなところが“N”らしさでもあり、多くの固定ファンをつかんだ理由の1つでもあった。そして900iシリーズからは、新たに「アークラインデザイン」を打ち出し、その人気もすっかり定着してきている。

 ところが新モデルの「N901iS」(N901iS記事リンク集参照)では、人気の高いアークラインデザイン(2004年3月の記事参照)をあっさりとやめてしまった。その上ボディカラーも、これまでの路線から一転、複数の色を使ったスリートーンを採用した。

 左が前モデルの「N901iC」、右が新モデルの「N901iS」。ボディデザインを一新、メイン液晶は2.5インチに大型化された

 「いったい“N”に、何が起こったのか」──。N901iSの企画を担当したNEC モバイルターミナル事業本部商品企画部の岡本克彦主任、商品企画部エキスパートの溝口民行氏、商品企画部の島村孝博主任に話を聞いた。

700系と900系の商品距離を、ぐっと引き離す

NEC モバイルターミナル事業本部 商品企画部エキスパートの溝口民行氏

 「今までとは違うFOMAを見せたい」──と、開発陣が路線を大きく変えたきっかけは、700iシリーズの登場にある。かつてのムーバ25xiシリーズと50xiシリーズのように、FOMAもハイエンド機と普及機という2シリーズ構成になったが、現状では両者はムーバに比べて機能面での差がそれほどない。

 普及機といっても700iは、1世代前の90xiシリーズとさほど変わらない性能を持つため(2月2日の記事参照)、メーカーとしては差別化が難しい。特に、どちらかといえばデザイン志向寄りの90xiシリーズを開発してきたNECは、差別化に苦戦したと見える。販売ランキングを見ても、700iシリーズでは他メーカーに上位を奪われることもしばしばだ(6月17日の記事参照)

 「700iは、90xiシリーズの下位モデルのように捉えられていて、想定しているターゲットユーザーへのアピール向上の余地がまだまだある」(溝口氏)

 こうした状況を踏まえて出した解が、「90xiシリーズではデザインと機能のバランスを考慮しながらも、FOMAならではの機能に重点をおいて訴求する」という戦略だ。「かたや70xiシリーズは、デザインやカスタマイズ志向を訴求する。多様化するユーザーの嗜好に応えるべく、両者の攻め筋を大きく変えて商品距離を離していく」(同)

 そんな中で生まれたのが、「2.5インチの大画面、フルブラウザ搭載、デザイン一新のN901iS」というわけだ。

“開けて驚く”デザインと大画面液晶

NEC モバイルターミナル事業本部商品企画部の島村孝博主任

 N901iSは、2.5インチの大画面を機能の主軸に置いた。“まず、大画面ありき”で開発したと岡本氏。フルブラウザの搭載も、「ムーバのハイエンド機で採用した2.4インチを上回る、大きな2.5インチ液晶をどう使うか」という観点から決められたという。

 デザイン面でフォーカスしたのは、“機能を活かしたデザイン”。ポイントは、FeliCaや大画面液晶、カメラのオートフォーカス機構などを搭載しながら、ボディは薄く仕上げたところだ。

 「アークラインにこだわるあまり、元々狙いたかった薄さを表現できなくなるのはいやだったので、そこにはこだわらなかった。ただアークラインの特徴だった“側面から見ても美しいラインを”という部分は、違う形で今回も盛り込んでいる」(島村氏)

 側面は、開発陣の間で“逆アークライン”といわれていたデザイン。反るような円弧のラインだ。

 側面は“逆アークライン”。「側面から見たときに、ただ単に2つに分かれているのではなく上と下に向かってきれいな線が見えるというのがポイント」(同)

 新たに採用したスリートーンカラーは、「端末を開いた時の驚き」を演出する。「端末を開くと目に入る、2.5インチの大型液晶が1つの驚き。画面だけにイメージがいってしまうのは面白くないので、キー側にもインパクトのある表現を施した」

 全部をスリートーンにするのではなく、ボディカラーごとに、ツートン、スリートーンを用意したところが、NECらしいところだ。「コンセプト色が強いスピリットブラックは、はっきりしたコントラストで新しさを表現したスリートーン。色の異なる部分は質感も変えている。アトランティックブルーは若者を意識したポップな色合い。輝度の高いシルバーと色みの強い青を持ってくることで、スポーティな感じを出している」

 エナメルホワイトとクラレットピンクは「こうした色を好むユーザーは、あまり派手なものよりまとまり感のある雰囲気を好む場合が多い」という理由から、ツートンで仕上げている。

 閉じたところはオーソドックスな折りたたみ端末


 開くと大型画面が現れる。コンセプトカラーのスピリットブラックは、ダイヤルキー部分とニューロポインター周りの色を大胆に変えている


 カーソルキーにはアルミを使って本物の質感を出した。スピン加工も施されている(左)。「単純に面をフラットにすると幅広感が出てしまう」ことから、面を絞ったり上のパーツにラウンドをかけたりといったデザイン処理も行っている。「薄さを追求しながらも、幅広く見えないようにしている」


 左からW21CA、N901iS、N901iC。W21CAに比べて画面は若干小さいが、ボディの薄さでは大きく勝る。前モデルのN901iCに比べると、画面サイズが大きくなったことが分かる
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  2. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  3. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  4. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  5. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  6. 100W出力で急速充電対応「UGREEN USB Type-Cケーブル」が43%オフの743円に (2026年03月12日)
  7. Xiaomiからも“デカバ”モデルが登場! 1万mAhバッテリー時代が到来 (2026年03月12日)
  8. ドコモ「ガラケー取扱説明書の掲載を終了します」 3G終了に伴い、事前保存を呼びかけ (2026年03月11日)
  9. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  10. サムスンに聞く「Galaxy S26」シリーズ開発秘話 AI機能はさらに賢く、商用化まで5年を要した「プライバシーディスプレイ」 (2026年03月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年