900iSシリーズは、アップルコンピュータの音楽管理ソフト「iTunes」でAACエンコードした音楽ファイルを再生できる(5月20日の記事参照)。携帯電話を簡易音楽プレーヤーとして利用できることから、注目度が高い機能だ。
しかし使い勝手は端末ごとに大きく異なり、中には“とりあえず再生できる”というレベルに留まっているものもある。「SH901iS」(記事一覧参照)の音楽機能について、使い勝手を検証した。
SH901iSで便利なのは、miniSDカードへの音楽ファイル書き込みに付属の「データリンクソフト」を使える点。「ライブラリ」の「iモーション(音楽)」に音楽ファイルをドロップすれば、miniSDカード内の適切なフォルダにファイルが書き込まれる。
ただしiTunesからは「データリンクソフト」に直接ドラッグ&ドロップできない。ファイル名は任意だが、拡張子が「3gp」でないと受け付けないのだ。そのため、(1)iTunesでエンコードしたAACファイルを別のフォルダにコピーする (2)拡張子を「m4a」から「3gp」に変更してドラッグ&ドロップするという手順になる。SH901iSに書き込む際に、ファイル名は「VOICExxx.3GP」に自動変更され、PC上でのファイル名や曲名情報は反映されない。また拡張子を「3gp」に変更してしまうと、iTunesから認識できなくなるのには注意が必要だ。
iTunesでエンコードしたAACファイルはビットレート320Kbpsまで問題なく再生できた。普段からiTunesを利用しており、CDからの取り込みをAACフォーマットで行っているなら、特にエンコードし直すことなく再生できると思っていいだろう。
SH901iSの場合、音楽ファイルはほかの901iSシリーズと異なり、iモーションフォルダ内の「ミュージック・ボイス」というフォルダに保存する。このフォルダはICレコーダー機能で録音した音声ファイルと共用だ。フォルダ分けは行えないので、“大量に音楽ファイルを書き込んでフォルダ単位でアルバムのように再生する”といった使い方はできない。
再生は本体の「データBOX」−「iモーション」から(miniSDの)「ミュージック・ボイス」を選択して行う。本体メモリとminiSDは前回アクセスしたほうを開くので、毎回切り替える必要はない。ただしショートカットなど、さらに少ない手順で再生開始できない点は残念だ。
連続再生は「ボイス・ミュージック」フォルダを選択した状態で、サブメニューから「連続再生」を選ぶ。そのため任意の曲からは連続再生を開始できない。フォルダ内で曲を指定して再生を開始した場合には、1曲ずつもしくは1曲リピートでの再生になる点に注意したい。
端末を開いた状態での再生中の操作は、左右キーの短押しで曲間移動、長押しで早送りと巻き戻しが行え、上下キーでボリューム調整が可能。メイン液晶を表に出した状態のビューアポジションでも、右側面の4方向ボタンで同様の操作を行える。ただし液晶が表に出ていない状態で端末を閉じた場合、サイドキーの操作はマナーキーのオン/オフのみになり、各種音楽機能の操作は行えない。
再生中に着信があると音楽再生は停止して着信状態に移行し、通話が終了すると再生中だった曲で停止状態になり、「決定」ボタンを押せば停止した曲の先頭からの再生が再開できる。音楽プレイヤーとしての操作性は及第点、というレベルだろう。
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