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» 2005年12月01日 15時22分 UPDATE

定額制がウリのウィルコム、次は高音質と低電磁波

音声型の新端末に加え「W-ZERO3」など新機軸を次々と打ち出すウィルコム。FMCへの取り組みや、今後の訴求方針などが説明された。

[@IT 大津心,ITmedia]

 ウィルコムは11月30日、報道関係者向けの説明会を開催し、同社の方針などを説明した。説明会では、10月に発表したVGA液晶と Windows Mobileを搭載した新端末「W-ZERO3」の発売日や(11月30日の記事参照)、売り上げの46%を占める法人への取り組み、J:COMとの連携に関する方針などが説明された。

ウィルコム 常務執行役員 土橋匡氏

 まず壇上に上がったウィルコム 常務執行役員土橋匡氏は、今秋に発表された新機種「WXシリーズ」について触れ、「定額サービスと新機種の導入によって、加入者数が順調に増えており、DDIポケット時代の最高値361万件にもうすぐ到達しそうだ」と説明した。また、加入者数が増加している要因について、「ウィルコムユーザー同士の通話が無料になるため、口コミで増えている。また、ビジネスに利用できるファイルビューアや、月額1050円で10万パケットまで利用可能なプランなどが魅力的に写っているのではないか」と解説した。

 モジュールを抜き差しするだけで音声電話やデータ通信などに使える「W-SIM」については、「子供と親のニーズを叶えるスタイル」と「ビジネスマンの利用シーンに合わせたスタイル」の2種類を提示。同社の調査によると、私立小学校などバスや電車を利用する子供を持つ親の74.5%が「入学時から携帯電話を持たせたい」と回答し、子供も「子供が欲しがる大人の持ち物」の1位(67%)に携帯電話が挙がったとした。この結果を受けて土橋氏は、「親側も子供側も携帯電話を持たせたい、持ちたいというニーズが一致している。そのような場合には、子供向けの携帯電話である『安心だフォン』や『ぴぴっとフォン』などが良いのではないか」と説明した。

 次にビジネススタイルでは、10月に発表した新端末「W-ZERO3」を挙げ、1台で「音声通話」「PHSデータ通信」「無線LAN」の3役をこなすことから、「PCでも携帯電話でもない、第3のコミュニケーションツールに仕上がった」(土橋氏)と語り、自信を見せている。W-SIMを入れ替えれば、ほかの端末との併用もできることから、土橋氏は「平日はビジネス用にW-ZERO3を使い、土日はプライベート用の通話専用端末を利用することもできる。ビジネスとプライベートの線引きが可能だ」といった利用形態も提案した。

 また、Windows Mobileを搭載していることから、玩具メーカーやセキュリティメーカー、アパレル業界、自動車業界などさまざまな業界100社以上から「ウィルコムコアモジュールフォーラム」への問い合わせが来ているという。発売日は12月14日に決まり、12月9日から予約受付を開始する予定。土橋氏は、「発売当日は購入者が殺到しそうだが、いま必死に生産している。何とか需要に追い付かせたい。今後はフォーラム参加者を拡大させ、さまざまなアプリケーションを提供していきたい」と今後の意欲を語った。

ウィルコム 執行役員 瀧澤 隆氏

 法人営業ソリューションは、ウィルコム 執行役員 瀧澤隆氏が説明。通常、携帯電話事業者は売り上げの90%以上が個人からだが、同社では46%を占め、法人需要が多いという。同社では、法人向け需要に応えるために特にセキュリティに注力しており、リモートロックや生体認証などに取り組んでいるという。W-ZERO3関連サービスでは、シンクライアントや Intellisyncなどのテストを実施中だとした。瀧澤氏は、「やはりセキュリティへのニーズは高い。W-ZERO3で提供するアプリケーション群でユーザーの7〜8割のニーズを満たせるのではないか。私などはこれ1台で十分だと感じている。実際にW-ZERO3をシンクライアントとして利用するケースも出てくるだろう。W-ZERO3のシンクライアントはかなり高度なセキュリティを実現している」とコメントした。

 ナノセルの導入事例では、鹿島建設が建設中の工事現場を挙げた。従来は、通常高層ビル建設では、20階以上で電波が入らないためにPBXを購入し、完成後に捨てていたという。しかし、PBXは高価なため、ナノセルを提案したところ、半分の予算で実現できた。さらに、ナノセルを完成後も残せば完成後も継続して利用できるため、利用効果が高いという。また、親会社がウィルコムを導入したため、通信コスト削減のために関連会社も導入するケースもあるという。12月からは本田技研工業のカーナビ専用の定額プランも提供開始する予定だ。

 次にウィルコム 執行役員 喜久川 政樹氏が同社の今後の事業戦略を説明。喜久川氏は、「一般的な『FMC』(Fixed-Mobile Convergence)には、ワンナンバーサービスや請求書統合などが挙げられるが、これらは事業者のニーズが強いと感じる。当社のFMCはユーザーのメリットを考えたFMCだ」とコメント。「J:COMとの連携によって料金プランが複雑になって難しくなったといわれることがあるが、実際には『音声定額+ブロードバンド』『モバイルデータ通信+音声定額』『モバイルデータ通信+ブロードバンド』の3パターンしかない」(喜久川氏)と語った。

ウィルコム 執行役員 喜久川 政樹氏

 今後のマーケティングとプロモーション方針については、同社が選ばれる理由を「定額料金の存在」「高音質」「低電磁波」であると説明。「現在は、定額料金が1番の理由だろうが、今後は高音質と低電磁波をマーケティングやプロモーションの新たな柱にして訴求していきたい」(喜久川氏)と語り、今後の方針を明らかにした。

 特に低電磁波は、医療・福祉分野で期待できるとし、救急隊員の連絡ツールや病院内の連絡ツールとして導入されるケースが増えているとした。また、病院内で携帯電話の利用は禁止されているが、低電磁波のPHSは利用できることから、入院患者にウィルコム端末を貸し出すサービスなども検討されているという。同社では、今後医療・福祉分野に対して、さらに訴求するために低額な料金プランを作成し(11月22日の記事参照)、「実質的に、医療機関内で制限なく利用できる唯一のワイヤレスメディアであることを強調してプッシュしていきたい」(喜久川氏)と語った。

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