番号ポータビリティ前に激動する携帯業界――今変えるならどこ?+D Voice

» 2006年05月24日 03時42分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 NTTドコモが11機種、auが7機種、ボーダフォンも7機種。

 これは、この2週間の間に携帯3キャリアが発表した夏モデル新機種の数だ。これだけ各キャリアが端末発表に力を入れるのは、11月には携帯の番号ポータビリティが始まると見られることと無縁ではない。

 迫り来る番号ポータビリティを前に、各キャリアは魅力的な端末をリリースしてユーザーのつなぎとめ、あるいは新規獲得を狙っている。――では、新モデルが発表された「今の時点で」どこが人気あるキャリアなのだろうか? というのが、今回の調査の主旨だ。

発表されたさまざまな新端末

 NTTドコモが発表した新機種には、話題性ある端末が複数含まれていた。この中で通信業界におよぼす影響の大きさで見れば、やはり初のHSDPA端末こと「N902iX HIGH-SPEED」が一番だろう。ダウンロード時で最大3.6Mbpsの高速データ通信に対応しており、最長1時間程度の音楽番組を自動配信する新サービス「ミュージックチャネル」に対応する(5月11日の記事参照)

 同じくドコモの新機種として、防水仕様の「SO902iWP+」なども話題性がある。ドコモとしては日本無線の“GEOFREE”シリーズこと「R692i GEOFREEII」以来となる、IPX7相当の防水性能を備える。

 auの夏モデルで注目は、“ウォークマンケータイ”こと「W42S」だ。国内初となるウォークマンブランドの携帯で、1Gバイトの内蔵メモリと専用キーから操作できるミュージックプレイヤーを備える。連続30時間の音楽再生が可能な点もポイントだ。

 「G'zOne W42CA」も面白い。もともと根強い人気があった「G'zOne TYPE-R」をWINに対応させた……というコンセプトの端末で、デザイン面ではシャープでスマートな「都会的、未来的な雰囲気」を目指したという。従来は“浸水エリア”だったバッテリーの裏側も、バッテリーの基板側にmicroSDカードやau ICカードを収めるという事情もあり“完全防水”になっている。

 ボーダフォンの夏モデルで一番注目を浴びたのは、なんといってもワンセグケータイ「905SH」だった。視聴時間はワンセグ端末最長となる4時間で、番組をminiSDカードへ録画することも可能。“AQUOSケータイ”を標榜しており、画質面でも開発者が自信を持つ仕上がりになったという。

 ボーダフォンの端末としては、「iPodケータイ」の存在も噂されている(5月13日の記事参照)。孫正義社長はその存在を認めようとしないが(5月18日の記事参照)、孫氏の「隠し玉」になるのではないかとの見方もくすぶっている。

次第に明らかになる「番号ポータビリティ」制度

 各キャリアがしのぎを削るなか、番号ポータビリティの仕組みそのものも少しずつ明らかになってきた。携帯キャリアを変える手続きは「解約手続き」「新規契約手続き」の2ステップが必要だが、これを1カ所で行えることがアナウンスされている(5月17日の記事参照)

 もっとも、乗り換えに必要な手数料や手続きにかかる時間の詳細は未発表のまま。こうした要素次第では、番号ポータビリティの利用頻度自体も変わってくると考えられるだけに、成り行きに注目したい。

 なお現在新規事業者として名乗りを上げているイー・アクセスの子会社、イー・モバイルも番号ポータビリティで既存キャリアと検討を行っていることを明かしている。こちらはまだコンセプトモックを展示しただけで(2005年12月13日の記事参照)端末の詳細が未定だが、HSDPAやWiMAXなどの技術を利用し、データ通信分野に強みを持つキャリアになると見られる。

 既存3キャリアと新規事業者、どこを選ぶのか。もちろん時間が経過して新事実が明らかになれば、また評価も代わりうる。今回のアンケートではキャリアへの「期待値」も含めて、“今変わるとしたら”どこに番号ポータビリティで移りたいかを教えてほしい。

上リンクをクリックすると、@ITのアンケートページが表示されます。これは、@ITの集計システムを利用しているためです(旧ソフトバンク・アイティメディアと旧アットマーク・アイティは2005年3月をもちまして合併しました)。

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