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» 2006年08月08日 22時54分 UPDATE

「朝から晩まで携帯のことで頭がいっぱいだ」──ソフトバンク孫社長 (1/2)

ソフトバンクの孫正義社長は、2006年度第1四半期の決算発表会見で、携帯電話事業の説明に多くの時間を割いた。自ら率先して携帯事業を推進している様子が発言の隅々から伺えた。

[園部修,ITmedia]

 ソフトバンクは8月8日、2006年度第1四半期の決算を発表した(8月8日の記事参照)。決算は黒字基調で、既存事業は堅調。ボーダフォンを買収するための資金を調達した結果、連結純有利子負債は2兆1786億円に上ったものの、ボーダフォンの5月、6月分の業績が加わったことで第1四半期の売上高は4942億円に上り、営業利益543億円、経常利益259億円という数字を計上した。

Photo ソフトバンクの社長、孫正義氏

 冒頭で、孫正義社長は「朝から晩まで携帯のことに集中しており、頭がいっぱいだ」と話し、5月10日の2006年3月期連結決算発表と同じく、携帯電話事業の説明に多くの時間を割いた。

 同氏は「ボーダフォンを買収できて本当に良かった。いいタイミングでいい会社を買収できた。つくづく千載一遇のチャンスだったと思う」と、買収が絶好のタイミングだったこと、同社の判断が間違っていなかったことを改めて強調。携帯電話事業は、ドコモやauなど強敵との争いになることについて「楽な戦いではないと思っているが、3年、5年、10年でみると十分戦える」と勝算があることをほのめかした。

 強力なライバルと戦うため、ソフトバンクは引き続き「4つのコミットメント」を積極的に推進していく。4つのコミットメントとは、ボーダフォン買収を発表した記者説明会や株主総会などで、ことあるごとに説明してきた戦略だ。すなわち、

  1. 3Gネットワークの増強
  2. 3G端末の充実
  3. コンテンツの強化
  4. 営業体制/ブランドの強化

の4点だ。

基地局を整備し「日本中いつでもどこでも誰とでもつながる状況を作る」

Photo 6月末時点で2万2771局の基地局を、2007年3月末までに4万6000局に増やす。これはドコモのFOMA用基地局の目標基地局数より多い数字

 まず基地局は、6月末時点で2万2771局を設置済み。これを、決算発表の際にも説明したとおり、年度内に2倍以上の4万6000局まで増やす計画だ。「つながらない地域が多すぎる」というユーザーからの苦情を真摯に受け止め、「どれほどお金がかかろうと、どんなに苦労しようと、お客様に“つながる携帯”を提供する」(孫氏)と強い決意を示した。ちなみにドコモは、2007年3月末までに基地局数を4万4000局まで増やす計画を発表しているが、4万6000という数字はそれよりも多い(7月12日の記事参照)

 果たしてこれは現実的な数字なのだろうか。孫氏は「基地局の設置は、多くの部分を年度内ではなく年内に完了できる見通し」だと話す。「機材や工事用の人材の手配はほとんど終わり、資金調達のめども立っている」(孫氏)といい、作業は着々と進んでいるようだ。

 なお、この基地局増のための設備投資は、従来から予定されていたものを前倒しにするだけで、従来よりも多額の資金を投じるわけではないという。「ボーダフォンは2006年度から2008年度までの3年間で、毎年2千数百億円の設備投資をする計画だった。しかし、3年間だらだらと“つながりにくいボーダフォン”を引きずるのはよくない。3年分のトータルの設備投資額は変えずに、今年4000億円ほどを投じて基地局の設置を半年ほどで一気に前倒して進め、お客様には“つながるようになった”と感じていただけるようにする」(孫氏)

 また基地局の設置状況に合わせて、下りの最大データ通信速度が約10倍の3.6Mbpsに向上する高速データ通信規格、HSDPAへの対応状況も明らかにした。孫氏は「10月1日までに6500局がHSDPAに対応した設備になる」と話す。その後9200局まで拡張する計画だ。

 「機材の多くはすでにHSPDAに対応できるようになっている。山の中などに行くと既存のW-CDMAを利用することになるが、ビジネスマンが日常生活で活動しているエリアはほとんどHSDPA対応にしていく。主要な都市はHSDPAでつながるようにする」(孫氏)

 HSDPA対応端末の投入時期は明言しなかったが、今年の秋には主要都市で利用できるようになるという。またモバイルWiMAXなど、携帯端末でのブロードバンド接続についても、周波数獲得を含めて鋭意準備していると話した。

端末開発会議には孫氏が先頭を切って参加

Photo 「AQUOSケータイ」や「705SH SLIMIA」など最新端末の販売も好調だという

 2つめの、「3G端末の充実」に関しては、まず5月27日に発売した「905SH」が非常に好調なことをアピール。この成功は「今後のフラッグシップモデル投入への足がかり」とし、将来のハイエンド端末も高機能なモデルになるであろうことを示唆した。また最新の薄型端末「705SH SLIMIA」も大変人気で、一部地域では品切れになる店舗も出ているという。

 孫氏は「端末開発会議には、自ら先頭を切って参加している」といい、秋以降には「エキサイティングで魅力ある端末が品ぞろえとして入ってくる」と期待を持たせた。なお、新しい端末は「早めにその内容を公表するつもりはないが、公表したらあまりお客様をお待たせしないよう、早いタイミングで端末が手に入るように準備している」という。発表からそれほど間をおかずに端末をリリースするようだ。

 端末の機能については、今後フルブラウザを標準搭載していくことなどが明らかにされている(6月23日の記事参照)ほか、各種サービス名がYahoo!やSoftbankの名を冠したものに変更されることなどがわかっているが(7月27日の記事参照)、多くは謎に包まれたままだ。

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