インタビュー
» 2007年05月29日 20時23分 UPDATE

開発陣に聞く「F904i」:“ハートの溝”でボディは薄く、画面は大きく──「F904i」をハダカにする

従来のヨコモーションケータイに比べて、ボディは薄く、画面は大きくなった「F904i」。その秘密は“ハート型の溝”にある。スケルトンモデルで可動部の仕組みを紹介しよう。

[後藤祥子,ITmedia]

 折りたたみ型の使いやすさと横画面の利便性を両立させようと、富士通が採用したのが“ヨコモーション”というボディ形状。ディスプレイを左右に90度傾けると、折りたたみの使い勝手はそのままに、PCライクな横画面で各種機能を利用できるというものだ。

 ヨコモーションの3機種目となる最新モデル「F904i」は、その集大成ともいえる端末。ディスプレイ側可動部の軸を動かすことで、課題となっていた薄型化とディスプレイの大型化を実現した。

 製品に至るまでに、どんな機構設計上の工夫を重ねたのか──。富士通モバイルフォン事業本部 第5技術部の米山一暢担当部長(装置開発担当)に聞いた。

sa_9ff02.jpgPhoto 3.1インチワイドQVGA(240×432ピクセル)の大型ディスプレイを搭載した「F904i」。厚さは同じヨコモーションの「F903i」や「F903iX HIGH-SPEED」より2ミリ薄くなった。背面上部にはアルミ素材を使っており、表面にはアルマイト加工を施した。「ホワイトは、高輝度アルミを採用し、白を塗装した際にきれいな白に仕上がるようにした」(説明員)

可動モジュールの仕様変更でボディを薄型化

Photo 左がF904i、右がF903i。F904iではモジュールの仕様を変えたことでボディがスリム化。カメラモジュールも背面に

 F904iを開発するに当たって富士通の開発陣が考えたのは「大きな画面を搭載しながら、いかに携帯として使いやすい大きさをキープできるか」(米山氏)だったという。

 初代ヨコモーションの「F903i」や、2代目の「F903iX HIGH-SPEED」は、横画面で利用できるもののディスプレイの解像度はQVGA(240×320ピクセル)にとどまり、“横ワイド画面で見る”までには至らなかった。そこでF904iでは“ヨコモーション”機構を最大限に生かせる大画面を搭載しつつ、薄型化することを目指したと米山氏は振り返る。

 ボディを薄くするために従来端末から変更したのが、ディスプレイ部を回転させるモジュールの構成だ。従来端末の回転モジュール機構は、可動部にボールベアリングを採用し、強度を確保する機構も含めると4ミリの厚さになっていた。これをF904iでは、窒化加工で表面硬度を10倍に高めたステンレス鋼(SUS304)のカムに変更し、可動モジュールの総厚を2.7ミリまで薄くした。

 米山氏によると、可動モジュールが薄くなったことから、カメラモジュールやそれを制御する基板を背面側のボディに移すことが可能になり、それがダイヤルキー側ボディの薄型化に貢献したという。さらに基板を入れた背面側ボディの薄さと強度を両立させるため、アームフロントケース(背面側のケース)には強化繊維が入った樹脂と金属を一体成型するハイブリッド成型を採用している。

sa_9ff12.jpgPhoto 従来のヨコモーション端末に比べ、側面もすっきりした

軸が動くカムとハート形の溝で、大画面液晶の搭載が可能に

 3.1インチワイドQVGA液晶の搭載を可能にしたのは、カムの動きの変更だ。従来のヨコモーション端末は回転軸が固定されていることから、画面を横に傾ける際にはディスプレイ下に余分なスペースが必要になる。これが大画面液晶の搭載を難しくしていた。

 これがF904iでは、ディスプレイの回転と同時に軸が上下に移動する仕組みになっている。回転時にはディスプレイがわずかに上がり、ディスプレイの角が通る余裕ができる。そのためディスプレイ下のデッドスペースが必要なくなり、より大きな液晶を搭載できるようになった。

 「スイングモジュールについた三角形のカムが、ケース上に設けられたハートマーク型の溝に沿って動く。この仕組みに変えたことで、ケースのサイズいっぱいにディスプレイを入れることが可能になった」(米山氏)

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Photo ディスプレイ部回転時に軸が固定されている「F903i」(右)と、回転時に軸が上下に移動する「F904i」(右)
Photo 軸が動くようにすることで、F903i(右)のディスプレイ下部にあったデッドスペースがF904i(左)では必要なくなった

Photo プロモーションムービーにも登場するハート形の溝

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