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» 2007年07月12日 23時42分 UPDATE

ワイヤレスジャパン2007 キーパーソンインタビュー:今後は“メイン”で使ってもらえる端末を出していく──ウィルコム 土橋匡氏 (1/2)

「ウィルコムだけ」を突き詰め、支持を獲得してきたウィルコム。その契約数が500万に迫る今、同社はどのような形で携帯電話事業者と差別化し、独自性を打ち出していくのか。取締役 執行役員 副社長 営業統括担当の土橋匡氏に聞いた。

[石川温,ITmedia]

 携帯電話キャリアとは異なるスタンスで、独自路線を歩み大きく躍進してきたウィルコム。2007年7月には、シャープ製のスマートフォン「Advanced/W-ZERO3[es]」や東芝製音声端末「WX320T」を投入し、さらに攻勢を強める。

 しかし、ソフトバンクモバイルが「ホワイトプラン」を発表し、制限はあるものの低価格な音声定額を始め、またイー・モバイルが定額でのHSDPA通信を打ち出すなど、同社を取り巻く環境はこの1年で大きく変わった。ウィルコムが比較的強いとされる法人市場においても、携帯電話キャリア各社がさまざまな施策を打ち出し、加入者増を狙っている。

 こうした状況の中で、ウィルコムは何を考え、どんなポジションを目指しているのか。ウィルコムの取締役 執行役員 副社長 営業統括担当の土橋匡氏に聞いた。

Photo ウィルコム 取締役 執行役員 副社長 営業統括担当の土橋匡氏

Advanced/W-ZERO3[es]の予約は好調、一般への広がりはこれから

ITmedia 6月29日から、Advanced/W-ZERO3[es]の予約受付が開始されました(関連記事1関連記事2)。予約開始イベントでは行列ができるなど、かなりの反響がありましたが、どのような感触を持ったか教えてください。

土橋匡氏(以下敬称略) 我々が当初予想していたよりも、並んでくださったお客様の数が多かったのに驚きました。W-ZERO3シリーズも3世代目ということもあり、しかも発売ではなく予約の開始であるにもかかわらず、あれだけの方に並んでいただけたのは、スマートフォン市場が拡大している証拠でもあるような気がします。

 その後も、家電量販店の店頭で小1時間程度接客をしたりしましたが、前評判以上に、購買について前向きなコメントをいただきました。本体サイズ、ディスプレイの大きさ、操作性の良さなど、携帯電話に近いスマートフォンというコンセプトが、ユーザーに伝わっている気がします。結構な台数(の販売)が見込めると思っています。

ITmedia 予約の新規契約と機種変更の割合はどうなっていますか? またその数字をどのように分析されていますか?

土橋 直近のデータでは新規契約が約25%、機種変更が75%程度になっています。個人的には新規が2割、機種変更が8割と予想していたので、予想より新規が多いという印象です。しかし、もうちょっと時間が経過してから判断した方がいいかと思っています

ITmedia 予約販売の行列に並んだ人たちを見て、スマートフォンユーザーの広がりを感じたりしますか?

土橋 (予約イベントに立ち会った)秋葉原は、従来からのお客様が多かったように思います。整理券を配ったときには、「W-ZERO3[es]」や「9(nine)」を持っているユーザーが多かったです。一般への広がりはこれからだと思っています。

割賦販売を導入したのは、購入しやすくするため

ITmedia 今回、Advanced/W-ZERO3[es]、WX320TとWX320Kへの機種変更時に割賦販売制度「W-VALUE SELECT」を選べるようになりました。割賦販売を導入しようと考えた経緯を教えてください。

Photo

土橋 Advanced/W-ZERO3[es]を市場に投入するにあたって、ユーザーにヒアリングをしたところ、やはりITリテラシーの高い人の購入希望が多かったわけです。しかし、中心ターゲットとなる30代の男性は、購入しようと思っても、奥さんの稟議が下りないことが多い(笑)。割賦販売制度を導入することで、既存のW-ZERO3ユーザーの購入希望を満たせるようになると考えています。奥さんの稟議が不要になるのは大きいんじゃないでしょうか。

ITmedia 割賦販売制度を導入するにあたって、工夫したポイントや考慮したことはありますか?

土橋 2年間トータルのお支払い額を考え、お客様が長期契約をお約束してくださるメリットがあるように配慮しました。金額面だけでなく、アフターサービスも含めた部分を意識しています。“割賦の支払い中に端末が壊れたらどうしよう”という不安もあると思いますので、ウィルコムでは割賦契約中なら全損でも最大2万円までサポートするなど、補償面を手厚くしました。他社の場合、機種によって金額が違っていたりすることもあります。また、うちは水没で壊れた場合でも最大2万円まで補償するので、あとあと問題にならないよう配慮しているつもりです。

ITmedia  現在使っている端末の利用期間が10カ月以上でなくても、6カ月以上であれば割賦販売制度を利用できるスタートキャンペーンを期間限定で展開することを発表されました。これはなぜですか。

土橋 割賦販売制度のW-VALUE SELECTでは、機種変更は10カ月以上というのを契約条件としていましたが、いずれにせよ、今後2年間の契約はお約束していただくので「スタートの段階は短くしてもいいのではないか」という意見が社内で出ました。そこで、期間を限定してキャンペーン的にやってみようということになりました。運用していく中で問題がなければ、継続していくことも考えています。

ITmedia 赤耳のW-SIM(RX420AL)が登場してすぐに機種変更した、あるいは新規契約したユーザーでも大丈夫ということですね。

土橋 赤耳は去年の12月に出ているので(2006年12月の記事参照)、出てすぐに機種変更や新規購入をされた方であれば6カ月以上になると思います。割賦販売制度については、去年の末ころに加入された方からも、多数のお問い合わせをいただいていました。これから24カ月使ってくれると宣言してくださるわけですから、現在の加入期間が必ずしも10カ月ではなくて、6カ月でもいいのではないかという結論になりました。

 これまで、お客様が機種変更をしてからどれだけの期間使ってくれるかは不透明でしたが、割賦販売制度ならば、24カ月という期間をお約束していただけます。ちょうど7月には、カラバリも含めて新しい端末が多数店頭に並ぶので、とりあえずはキャンペーンとして始めたというわけです。

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