PCサイトブラウザは、最大500KバイトまでのPC向けサイトを表示できるが、「ITmedia +D Mobile」や「mixi」のトップページなど、ページ容量が500Kバイトを超えるサイトは完全に表示できない。ページの表示方法は、PC画面のように横長にレイアウトされる「PCスクリーン」と、ケータイの画面サイズに合わせてレイアウトされる「スモールスクリーン」を設定できる。
スモールスクリーンはPCサイトをケータイの縦画面に合わせて表示するので、レイアウトに無理が生じてやや見づらい。PCスクリーンは、縦画面では上下左右のスクロールが必要になり操作しづらいが、ディスプレイを回転すれば自動的に横表示に切り替わるので、PCスクリーンに設定して“サイクロイドスタイル”で見るのが最も快適だ。また、このサイクロイドスタイルでも縦画面と同じようにカーソルキーやダイヤルキーを使って操作できるのは便利。「FULLFACE 913SH」も横画面でPCサイトブラウザを利用できるが、センサーキーやサイドキーを使って操作をするのが、やや煩雑だ。
jigブラウザはPCサイトを閲覧するためのフルブラウザアプリだ。月額630円または年間6000円の料金がかかるが、ソフトバンクのパケット定額サービス「パケットし放題」の上限が4410円のままで利用できる。一方、端末内蔵のPCサイトブラウザを利用すると、パケットし放題の上限が1575円高い5985円にアップする。jigブラウザを年間6000円で購入した場合、月額換算するとプラス500円で済むので料金面ではjigブラウザのほうがお得といえる。
ではその使い勝手はどうだろうか。jigブラウザの表示モードは「オススメモード」「パソコンモード」「ケータイモード」の3種類が用意されている。ケータイモードは縦画面に収まるよう表示するのでレイアウトが崩れてしまい、パソコンモードはレイアウトは見やすいが上下左右のスクロールが必要だ。また、jigブラウザはディスプレイを回転しても横向きに表示する仕様にはなっていない。そこで文字通りオススメしたいのが「オススメモード」だ。縦画面でも見づらくなく、かつ少ない横スクロールでブラウジングできる。ITmedia +D Mobileのニュース記事であれば、ほぼ縦スクロールのみで読めた。
jigブラウザではCSSもサポートしているため、PCサイトブラウザでは完全に表示できなかったITmedia +D Mobileやmixiのトップページもしっかり表示できた。912SH用jigブラウザが表示できる1ページの最大表示容量は、HTMLファイルは135Kバイトまで、画像は合計400Kバイトまでとなる。
ケータイでWebブラウジングする際に非常に重要となる画面スクロールは、上下キーを長押しすることで高速に行える。さらに、スクロールの最高速と加速度を調整することもできる。最高速と加速度をともに“70”に設定したところ、PCサイトブラウザよりもスピーディに画面をスクロールできた。文字サイズは「小」「大」の2種類しか用意されていない。
jigブラウザは通常は縦画面のみだが、横画面版も用意されている。「jigブラウザ」のサイトにケータイからアクセスし、「ダウンロード」内にある「横専用版はコチラ」からダウンロードできる。通常版と横画面版を併用する形になり、パケット料金以外で追加料金が発生することはない。
通常版のjigブラウザに比べ、スクロールや検索ボックスの文字入力など、やや動作がもたつくのが気になった。mixiにアクセスしてコメントを書き込もうとしたが、文字入力の操作レスポンスが遅くなっていた。
利用料金の安さ、表示できるページサイズ、スクロールの速さといった操作性を考えると、内蔵のPCサイトブラウザよりjigブラウザのほうが有利だ。ただし、jigブラウザではFlashを使ったページを表示できず、ディスプレイを回転して表示を切り替えられないなどの弱点もある。また、PCサイトブラウザはYahoo!ケータイと連携できるなどのメリットもある。こうした細かい点を改善できれば、jigブラウザは912SHの持つワイドVGAディスプレイと3Gハイスピードという特徴を最大限発揮できる存在になるだろう。
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