FPD International 2007の東芝松下ディスプレイテクノロジーブースで、先日、開発発表された丸形の液晶ディスプレイが展示されている。
この丸形液晶は主に車のメーターへの用途を主目的に開発。同社独自の低温ポリシリコン技術により駆動回路の一部を形成することで、設置体積が限られる車のインパネ部への搭載も可能にするという。
一般的なTFT液晶ディスプレイは、縦方向/横方向それぞれに配置した電極の交点の画素を外部信号で制御する構造になっている。そのため、今までは四角型(方形)を基本に開発されていた。新たに開発した丸形液晶は、周辺の駆動回路をガラス上に内蔵しするとともに外部接続点数を大きく減らす技術を盛り込むことで、直径75ミリ(有効表示領域を直径62ミリ)、厚さ11ミリ(バックライトおよび液晶駆動回路も含む)、外形を約4分の3の円形とする一般的な自動車向けスピードメーターやタコメーター内に収まる形状とサイズを実現した。
解像度は最大部で240×240ピクセル、画素ピッチは0.258(幅)×0.258(高さ)ミリでRGB横ストライプ配列。輝度は500カンデラ/平方メートル、コントラスト比は600:1となっている。
同社は「基本は車のメーター用途に開発したが、当然、携帯などのモバイル機器などへも転用できうる」としている。もう少し薄型化が進めば、(受け入れられるかどうは別にして)円形デザインで丸形ディスプレイの化粧品型携帯など、携帯デザインの可能性もかなり広がることだろう。
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