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» 2008年01月22日 02時28分 UPDATE

「ホワイト家族24で家族。そして次は“学生”を」──“ホワイト学割”に込めたソフトバンクの思惑 (1/2)

ソフトバンクモバイルは、学生向け割り引き策「ホワイト学割」を2月から期間限定で実施。980円/月のホワイトプラン基本料金を3年間無料にするとともに、パケットし放題の最低料金引き下げや専用の無料コンテンツ配信サービス提供といった優遇策を施す。同社がそこまでして“学生”を取り込みたい理由は何だろうか。

[岩城俊介,ITmedia]
photo ホワイト学割を発表するソフトバンクの孫正義社長

 学生はソフトバンク新規加入で3年間、ホワイトプラン基本料を無料に──。ソフトバンクモバイルのホワイトプランは月額980円、1時から21時までソフトバンク携帯同士の通話無料となる「ホワイトプラン」(2007年1月開始)、ホワイトプランにプラス980円で他社携帯への通話料を半額にする「Wホワイト」(2007年3月開始)、追加料金なしで家族間の通話を24時間無料にする「ホワイト家族24」を導入し、加入件数が1000万(2007年12月22日時点)を超えるほど浸透した。

 これらに加え同社は1月22日、2008年春の新生活商戦に向けた学生向けの割引サービス「ホワイト学割」を開始すると発表した。ホワイト学割は、期間中に新規加入すると、

  • ホワイトプラン基本料980円/月を3年間無料に
  • “パケットし放題”サービスの料金を0円〜4410円/月に(通常1029円〜4410円/月)
  • 学生向け無料コンテンツサービスの利用

 といった特典が得られるサービスだ。機種購入時の月額分割払いなし、かつ他社やホワイトプランの時間外・適用外通話なし、パケット通信を利用しない最も安価なパターンで、S!ベーシックパックの月額315円から利用できる(なお、ホワイトプラン向けのオプションサービス「Wホワイト」はプラス980円で加入可能。通話料金や時間制限などの条件は通常契約時と同じ)。

photophotophoto 新規契約する学生ユーザー向け割り引きサービス「ホワイト学割」

 「一般ユーザー、そして家族。次は学生」(ソフトバンクの孫正義社長)。他社と比べ家族契約比率が低かったかつてのソフトバンクモバイルは、ホワイトプランとホワイト家族24の導入で一気に加入率を上げた。新規加入者を得る大きなチャンスとなる春の新生活商戦に向け、学生向け優遇施策を用意してさらなるユーザー増を狙う。

 対象は連続12カ月以上の就業期間を要し、かつ入学・卒業が年2回以下で固定する小学校から大学に属する、他社の学割サービス適用条件と同様の学生。年齢制限はなく、加入時の条件を満たせば適用できる(例えば大学卒業直前に加入すれば、そこから3年間は社会人になっても有効。社会人が、合致する学生の条件で大学に入学した場合も同様。3年以内に解約した場合のペナルティはない)。加入には、契約者あるいは使用者が学生であることを前提に、所定の必要書類(学生証など)を提出し、端末購入をともなう新規契約時に同時申し込みを行う(未成年者は親の同意書が必要)。店頭販売時は「学生自身の来店」が必要となる。

 “悪意ある親”による不正利用の懸念は「親が子ども用に契約する場合も“学生である子ども自身の来店と学生証などの掲示”が必要であるため、そこまでして子ども用に契約したものを取り上げる親は少ないだろう……と私は性善説を唱える(笑)」(孫社長)としている。

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 「私がこの策を提案した時、社内で猛反対にあった。大幅な減収も懸念されるからだ」(孫社長)。孫社長によると、学生ユーザーはメールやコンテンツを頻繁に使用するためにARPU(契約者あたりの平均収益)が高く、端末も最新のハイエンドモデルを望む率が高いという。そんな学生ユーザーがホワイト学割を利用するとARPUはどのくらいになるか。「正直なところ、やってみないと分からない」(孫社長)とするものの、間違いなく現在より減るとみる。

 ただ、「累積学生ユーザーが少ないソフトバンクモバイルだから実施できる策。逆に累計学生ユーザーが多い他社がやるとそのまま減収に直結するだろう」(孫社長)と直近のAPRUではなくユーザー数を大きく底上げする策をとることで、弱かった学生ユーザーを一気に増やすとともに、長期的に見てトータルで効果を得たい考えだ。3年の特典期間を終えた学生ユーザーが「大人なってもそのままソフトバンク携帯を使い続ける」こと、具体的には「安価を望みそれに慣れたユーザーは、同社以上の価格、あるいは端末的なメリットがない限り他社へも移行しない」ことも想定することだろう。

 なお、ホワイト学割は恒常的な学生向け割り引きプランではなく、当面は2008年2月1日から5月31日までに受け付け期間を限定する、いわゆる「割り引きキャンペーン」のような形態で実施する。期間内に手続きを行うと上記特典が得られる仕組みだ。

 「この策でどのくらいのユーザー増があるか、どのくらい減収があるかやってみなければ正直分からない。もしかして“殺到”してしまうかもしれない。そのためにまず5月までの期間限定とし、それまでに調査・検討し、対策を練る。それをもって今後、どうするかを決めることにした」(孫社長)

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