H11Tは、PCのUSB端子で充電しながらモデムとしても使用できる。付属するUSB通信ケーブルは充電もでき、充電するか否かの設定はH11T側で制御できる。なお、USBデバイスとして認識されないと充電は行われないが、USBモデムとして利用するならば、自然にこの条件は満たすことになろう。
市販のUSBケーブルでも同様の条件で充電できた。ただ、充電対応の「FOMA充電機能付USB接続ケーブル01」を使うと設定に関わらず常に充電される動きとなった。ともあれ、ノートPCのバッテリーを無駄に消費させたくない場合はオフにできるのが便利だ。PCか携帯、どちらのバッテリー残量が大切かはその状況により随時変わるからだ。
H11Tのような音声端末をUSBモデムとして利用する場合、インターネット接続中でも音声端末としてどれだけの機能が使えるかが重要だ。
例えば、インターネット接続中に音声発着信をまったく受け付けないとなると、やはりデータ通信用端末と音声端末は別にした方がいいということになる(イー・モバイルはデータ通信用プランの「データプラン」ユーザー向けの電話基本料無料、音声端末のデータ通信料を0円からとする音声セットプラン「ケータイデータプラン」もあるし、おそらく読者の多くは他社の高機能な音声端末も持っているだろうし)。
結論から述べると、H11Tは若干の制限はあるものの、USBモデムとしてインターネット接続中でも音声端末として多くの機能が利用できる。この点は少し安心した。
音声着信や音声通話はもちろん可能。音声通話中もインターネット接続は継続される。メール(EMnetメール)は着信通知を受信でき、インターネット接続終了後に本文の自動受信が行われる(自動受信設定の場合)。ただ、メールの受信設定により、ディスプレイにメール着信アイコンがきちんと表示されるか否かの挙動の違いがあった。メール受信の設定が“手動受信”であればメール着信アイコンがディスプレイに出るが、“自動受信”だとなぜか表示されない。携帯メールは多くの人がプッシュ配信してくれる自動受信に設定しているわけだが、インターネット接続中にリアルタイムでメール受信を知りたい場合は“手動受信”に設定しなければならない。この点はソフトウェアのアップデートなどで修正してほしいと思う。
音声端末として何かの機能を操作中にインターネット接続するとどうなるかは、挙動が細かく異なるので下記の表にまとめた。インターネット接続より“先に”H11Tで機能を起動しておけば、そのまま継続利用できる機能も多いようだ。この挙動のくせを押さえておくといざというときも結構便利に活用できると思われる。なお、終話キーを押して機能を終了するなど“待受画面へ戻る操作”を行うと、USBモデムとしての「接続中画面」になってしまい、以降、インターネット接続を終了するまでほかの機能を起動できなくなってしまうことに注意したい。
動作状態 | USBモデムとしてインターネット接続 | ||
接続開始 | 接続中 | 接続終了後 | |
待受画面表示中 | 接続可能 | 接続中画面に固定され、ほかの機能は起動できない | 待受画面 |
アドレス帳/発着信履歴の表示中 | 接続可能 | 動作状態を継続 音声発信も可能。ただし1度通話を行うと、接続中画面で固定される | 動作状態を継続 |
メール閲覧/作成中 | 接続可能 | 動作状態を継続、メール送信は保留 | 動作状態を継続、保留中のメール送信 |
メニュー操作中 | 接続可能 | 接続中画面に固定され、ほかの機能は起動できない | 動作状態を継続 |
PIM/各種データBOX操作中 | 接続可能 | 動作状態を継続 | 動作状態を継続 |
ワンセグ録画番組以外の動画再生中 | 接続可能 | 動作状態を継続 | 動作状態を継続 |
カメラ起動、静止画撮影画面表示中 | 接続可能 | 動作状態を継続 | 動作状態を継続 |
待受画面で音楽をバックグラウンド再生中 | 接続可能 | 音楽再生は一時中断。ほかの機能の起動はできない | 音楽再生が再開 |
ブラウザ利用中 | 接続不可 | ||
ミュージックプレーヤー起動中 | 接続不可 | ||
ワンセグ視聴/録画/再生中 | 接続不可 | ||
動画撮影中 | 接続不可 |
ちなみにUSBケーブル接続とBluetoothは排他利用となる。従ってUSBケーブルでインターネット接続しつつ、Bluetoothヘッドセットで音声着信に備えるという使い方はできない。
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