日本通信は4月21日、携帯電話によるIP電話サービスを2008年度第2四半期(7月−9月期)に開始する計画を発表した。
NTTドコモの3G網を使う法人向けのMVNO事業として提供する。月額料金は未定だが、月額固定の基本料金に、一般回線や国際電話への通話料が上乗せされるプランになる。対応端末は、Symbian OSを搭載したノキア製スマートフォン「E61」のほか、Windows Mobile搭載機にも対応。一般の音声端末については、キャリアがミドルウェアなどプラットフォームを開示すれば、専用ソフトを開発して対応できるとしている。また、オープンプラットフォームであるAndroidへの対応も検討している。
同社は、NTTドコモの3G回線網を利用したMVNO事業の計画を進めており、早期にレイヤー3(L3:OSI参照モデルでのネットワーク層)による相互接続を実現する見通し。携帯IP電話サービスは、ドコモとL3接続したのちに開始する計画だ。
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日本通信によるIP電話のデモ (このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます) |
また、より上位のレイヤー2(L2:OSI参照モデルでのデータリンク層)接続もドコモに申し込んでおり、こちらは2008年度後半から2009年度始めに開始する見通し。L3接続では3G回線を介したIP電話しか提供できないが、L2接続が可能になれば、無線LANやWiMAXなどを活用したFMCサービスの提供が可能となる。同社は単なる通話サービスだけでなく、メールと音声メッセージを統合させたユニファイドサービスを、あらゆる無線規格を通じて提供することを目指すという。
同社常務取締役CFOの福田尚久氏は、「固定回線は、音声主体からADSLなどブロードバンドの普及によって、データがメインになった。今はその中で、音声をデータ化するIP電話が使われている。この変化は携帯電話でも起きるだろう」と話した。また、現在のIP電話は安い電話として認識されているが、PCとの親和性を生かしたユニファイドサービスやテレビ会議システムとの連携に価値があるとして、ビジネス用途での普及に期待を寄せた。
IP電話サービスとして050番から始まる電話番号の付与を計画しているが、現状、携帯端末が050番を利用することは想定されていないため、制度上の調整が必要になるという。
「総務省が定めた050番付与のための品質条件は、クリアできる見通しだ。品質条件は3段階に分かれており、一番品質の高いレベルは難しいが、2番目と3番目のレベルはクリアできる。普通の電話として使える品質といえる」(福田氏)
今後の対応端末については、モバイル市場への参入を希望するPC系メーカーと連携して開発を進めるが、既存の携帯電話メーカーに対してもオープンな姿勢で接していく考えだ。販売面では、携帯電話の販売代理店のほか、固定電話事業者、CATVといったルートを通じて行う。また接続先の回線事業者については、ドコモ以外のキャリアとも交渉中であり、海外オペレーターとの接続によりグローバルなサービスを提供できる見込みだ。
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