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» 2008年06月10日 00時00分 UPDATE

徹底解説 ウィルコムのPHSを中国で使う方法:第1回 中国のPHS「小霊通」、格安通話が期待できる「PIMカード」とは (1/2)

2008年8月に開幕する北京オリンピックはもちろん、ビジネスとして渡航するユーザーも多いであろう中国。この中国で、ウィルコムの「X PLATE」が使えるのはご存じだろうか。これを実現する中国PIMカードの購入方法や現状、そしてどのように中国で使えるのか──香港在住の筆者が、中国の主要都市を巡りながら解説していく。

[山根康宏,ITmedia]
photo PIMカードスロットを搭載する、ウィルコムの「X PLATE」(セイコーインスツル製)

 北京オリンピックを2008年8月に控えるとともに、ビジネスとしても中国へ渡航するユーザーも多いことだろう。

 ウィルコムに「X PLATE」(WX130S)という音声端末がある。X PLATEは、幅47.3×高さ110×厚さ11.5ミリのスリムなストレート型ボディが特徴のシンプルPHS端末だが、もう1つ大きな特徴がある。それは、中国のPHSの加入者カードを装着すると“中国のPHS”として利用できることだ。

 では、このX PLATEを中国で使うにはどうすればよいのか。香港在住の筆者がこのX PLATEを中国のPHSとして中国の各都市で実際に使用しながら、中国のPHS事情とともに使い勝手や契約方法を解説していく。


PIMカードスロット搭載のウィルコムPHS

photo 中国PHSのPIMカード(左)。カードサイズはドコモのFOMAカードなど、よくあるSIMカードと同じである

 最近のウィルコム端末は、回線契約とともにアンテナや通信モジュールも内蔵する「W-SIM」を採用し、好みの端末とW-SIMを組み合わせて利用できる機種が増えた。例えば、厚さ11.5ミリの「9(nine)」はこの小型ボディにW-SIMスロットを備え、W-ZERO3シリーズなどの他機種とW-SIMを差し替えながら使える。

 一方、X PLATEはW-SIMスロットを備えない。しかし、ほかのウィルコム端末にはない大きな特徴──「PIMカードスロット」を搭載する。PIMカードとは中国のPHSで利用される、加入者情報を記録したICカードのこと。NTTドコモのFOMAカードやソフトバンクモバイルのUSIMカードなどと同じようなものであり、カードサイズもこれらSIMカードと同じである。

 X PLATEは中国のこのPIMカードを装着すると、自動的にPIMカードを認識して「PIMモード」で起動する。X PLATEに記録されるウィルコムの電話番号が利用できなくなるかわりに、PIMカードに記録された中国の電話番号で利用できるようになる。すなわち、中国の電話番号を持つ“中国のPHS端末”に変身するというわけだ。

 近年、海外でも3G(W-CDMA)方式が普及したことから、日本国内の3G携帯をそのまま海外でも使用できる国際ローミングサービス対応機種が増えた(関連記事参照)。ウィルコムもPHSの国際ローミングサービスを提供するものの、これまでのサービスエリアは台湾とタイ(バンコク)の2カ国のみと、かなり使用範囲は限られていた。X PLATEがPIMカードに対応したことで、いよいよ中国でも自分のウィルコム端末で利用できるようになったといえる。ただし、別途現地のPIMカードを差して使うことから、利用できる電話番号は中国の現地番号のみとなる。2008年現在は音声通話とSMSサービスのみで、データ通信はサポートされないことに注意したい。

 2008年は北京オリンピックが開催され、2年後の2010年には上海万博も控える中国。X PLATEを実際に中国で利用するにはどうすればよいか。まずは中国のPHSサービスの現状をおさらいしておこう。

photophoto X PLATEの電池を外し、ここから現地のPIMカードを入れる。PIMカードを差すと、端末が「PIMモード」で起動し、画面にはPIMカードのピクトアイコンが表示される

中国では、PHSサービスを2社が提供

photo 中国電信の固定電話サービスエリアは上海市や広東省など中国南部地域

 中国のPHSは「小霊通」(シャオ・リン・トン)と呼ばれる。1997年のサービス開始以来、安価な料金などを背景に加入者数を爆発的に増やし、2006年秋には加入数9000万と中国は世界最大のPHS市場になった(関連記事参照)。その後、携帯電話との競争が激化したために加入者数は減少に転じてはいるが、それでも2008年現在も8000万以上のPHSが中国で利用されている。

 中国で小霊通のサービスを提供するのは固定系事業者の「中国電信」(China Telecom)と「中国網通」(China Netcom)の2社。両者はもともと「旧中国電信」として中国全域でサービスを展開していたが、2002年に現在の2社に分離された。2008年現在、固定電話事業を中国網通が北部10省市自治区(北京市、天津市、山東省、河北省、遼寧省、黒龍江省、吉林省、河南省、山西省、内蒙古自治区)、中国電信がそのほかの南部全域で展開する。なお、固定電話以外の事業(ADSLなど)は両社が地域をまたいで中国全土で展開する。

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