イー・モバイル端末といえば、他社に比べて安価な定額料金で、PCでのデータ通信が行えることも特徴の1つ。S21HTは下り最大7.2Mbpsの通信速度に対応し、PCのモデムとしても利用できる。
そこでPCとS21HTをUSBで接続し、S21HT側の「インターネット共有」でネット接続を行ってみた。ちなみに、Windows Vista Home Premiumの場合はデフォルトで「Windows Mobileデバイスセンター」がインストールされているため、USBで接続してインターネット共有をするだけで、自動的にドライバのインストールからネット接続まで行われる。Windows XPの場合は「ActiveSync」のインストールが必要だ。
気になる実効速度だが、複数の通信速度計測サイトを使って複数回計測したところ、使う人が限られそうな深夜の時間帯(東京・江東区)だと平均して下り2〜3Mbps程度となった。S21HTはBluetoothも内蔵しており、PCとPAN(Personal Area Network)接続してのインターネット共有も行える。Bluetooth接続でも試したところ、実効速度は下り1〜2Mbps程度だった。
時間帯を変え、昼間(すべてUSB接続)も試してみた。昼の1時台に都内のホテルのロビーで計測したところ、500kbps〜1Mbps程度を記録。夕方6時台にオフィス街の東京・丸の内で計測したときは1Mbps程度という結果になった。利用者が多そうな時間帯や場所ではスピードは落ち込むようだ。
もちろん、この結果はあくまで通信速度計測サイトを使った時点の速度なので、参考程度に考えてほしい。
S21HTは、エンタテインメント系機能も搭載しており、その1つが動画共有サイト「YouTube」用のアプリケーションだ。YouTubeアプリも指でタップしやすいUIになっており、再生回数の多さや評価、YouTubeお勧めの動画といったカテゴリごとに動画が表示され、検索にも対応する。
リスト上の動画を選んで“ビデオ”を選ぶと、自動的に横向きの全画面で動画の再生が始まる。画面をタップするとコントロールボタンが表示され、一時停止などの操作が可能だ。ナビゲーションコントロールキーの周囲をなぞって、早送り/巻き戻しを行う。また、検索した動画をブックマークしたり、動画のURLをメールで送信したり、検索語をカテゴリとして登録したりと、便利な機能も搭載した。
そのほかのエンタテインメント機能では、Windows Mobile標準の「Windows Media Player Mobile」を利用してPC上のWindows Media Playerで管理している楽曲を同期して持ち歩ける。さらに、海外対応のFMラジオも搭載した。
実用機能としては、項目のインクリメンタル検索が可能な英和/和英辞典「辞書ウォーカー英語」を搭載している。また、出題された単語の反義語を答える、英語学習にも使える「英語で反義GO!」も内蔵した。
そのほかにも、ルート検索の「NAVITIME」(全機能の利用には別途月額課金が必要)やQRコード読み取りソフトの「QuickMark」、カメラで撮影した名刺を読み取り、アドレス帳に登録できる「WorldCard Mobile」、PCをリモート操作できる「リモートデスクトップモバイル」といったソフトがプリインストールされている。
もちろん、Microsoft Officeファイルの閲覧/編集が可能な「Office Mobile」も搭載。PIM機能を含めて、Windows Mobileが得意とするPCとの連携機能も充実している。
イー・モバイルのS21HTは、使いやすいTouchFLO 3Dによる独自インタフェースと、イー・モバイルによる定額/高速の通信が特徴の端末だ。NTTドコモやソフトバンクモバイルからも(ほぼ)同じ仕様の“Touch Diamond”が発売されるが、S21HTは音声向けの料金プランのままでPC接続時のモデム利用も定額となる点が勝っている。イー・モバイルのサービスエリアの狭さが気になるが、総合的に“一番買い”のTouch Diamondと言えるのではないだろうか。
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