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» 2008年12月11日 07時00分 UPDATE

ブランドコラボ携帯、誕生の背景:ダイヤの輝き、布地の手触りを携帯に――「4℃」「ユナイテッドアローズ」の挑戦

機能重視から、生活スタイル重視へ――。携帯電話選びのポイントが変わり始める中、ブランドコラボの携帯電話が注目を集めている。富士通の冬モデルで初めて、本格的なコラボ携帯に取り組んだ「4℃」と「ユナイテッドアローズ」に、“携帯ならでは”のこだわりについて聞いた。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo 富士通のブランドコラボケータイ「F-02A」の4℃ Pure Whiteと「F-04A」のUnited Arrows スペシャルモデル(BLUE)

 携帯電話選びのポイントが、変わり始めている。これまでは、カメラの画素数やディスプレイのサイズや解像度、各種サービスへの対応など、機能面を重視する傾向が強かったが、最近では“いかに自分の生活スタイルに合っているか”を基準に選ぶ層も増えている。

 携帯キャリアやメーカーも、こうしたトレンドを反映したデザイナーズ携帯やブランドコラボ携帯を次々と投入しており、2008年冬モデルでも、デザイン家電ブランドのamadana、スイーツのピエール エルメ、セレクトショップのIDEE、レザーブランドのCOACHなどとコラボレーションした携帯電話が登場している。

 この冬モデルで、初めてブランドコラボの携帯電話を手がけたのが富士通だ。同社がコラボ先として選んだのは、ジュエリーブランドの「4℃」とアパレルブランドの「ユナイテッドアローズ」。その成果は「F-02A」の4℃ Pure Whiteと「F-04A」のUnited Arrows スペシャルモデル(BLUE)として、この冬にお目見えする。

 4℃とユナイテッドアローズは、携帯電話とのコラボレーションに何を求め、どこにこだわったのか。富士通が開催した新モデル発表会で関係者に聞いた。

sa_f21.jpgPhoto エフ・ディ・シィ・プロダクツ 代表取締役社長の田村英樹氏(左)。ユナイテッドアローズ 代表取締役社長の岩城哲哉氏(右)

清楚でシンプルな中に天然ダイヤの輝きを――4℃ Pure White

Photo 「F-02A」の4℃ Pure White

 4℃は1972年に誕生した、今年で36年目を迎えるジュエリーブランド。創立当初からシルバー素材のジュエリーにこだわり、自社内に工房を構え、原型のみを手がけるスタッフをそろえるなど、徹底した姿勢でものづくりに取り組んできたという。

 4℃ブランドを展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツ 代表取締役社長の田村英樹氏は、4℃ブランドには2つの大きなコンセプトがあると話す。1つは“水のイメージ”だ。水は液体や気体、固体に姿を変えるが、H2Oという原子構造は変わらない。これをものづくりの姿勢に重ねて「“信頼を大切にする”という、基本精神を変えないことを大切に考えてきた」(田村氏)。

 もう1つは“4℃のあたたかさ”。4℃という水温は比重が一番重くなる温度で、「冬に氷が張った湖でも、氷の下にはこの水温の層ができ、そこで魚が冬を越せる」(田村氏)という。4℃が目指すのは、こうした温かさや優しさ、安息の場を、ジュエリーを通じて発信することだと田村氏は説明した。

sa_f05.jpgPhoto 背面ディスプレイの上に天然ダイヤが輝く。ボディカラーには4℃の製品をイメージさせる白を採用した

 4℃が携帯電話とのブランドコラボでこだわったのは、シンプルで清楚なブランドのイメージを表現することと、天然のダイヤモンドを入れたいという2点だった。「ジュエリーブランドとして、“ダイヤを入れる”というアイデアは大きなポイントになると思った」(田村氏)

 富士通では、取り付けたダイヤモンドが取れて落ちることがないよう工夫を重ね、背面のクリアパネル内にはめ込む形で実装。一見すると、パネル越しだと思えない自然な輝きに、4℃側も「見事に表現できた」と感心しきりだ。「接着剤を使って表面に固定することも考えたが、完全に不純物のないところに収納して輝くようにしたかった」(富士通説明員)。ダイヤは4℃が自社の基準で選び抜いたものを搭載しており、開発陣もそれが最も美しく見えるよう、さまざまな検討を重ねたという。

 ボディデザインも、シンプルで清楚という4℃ブランドの雰囲気に合うよう、白いボディとそれを覆うクリスタルカットデザインのクリアパネルで表現した。「当初、“水のイメージ”という提案を受け、水のような青を提案したが、4℃側のイメージとは『違います』と。お客さんの持つイメージが白やシルバーということから、大きくカットしたクリアパネルがキラキラ光る、白いボディを採用した。ワンポイントの天然ダイヤがアクセントになり、バランス良く仕上がった」(説明員)

sa_fuji02.jpgsa_f17.jpgPhoto 4℃のアクセサリーとの相性もぴったり(左)。ダイヤルキーのフォントは4℃モデルのみ異なる(中)。製品にはオリジナルのエコバッグとストラップが付属する(右)

“男のこだわり”を追求――「F-04A」United Arrows スペシャルモデル

Photo 「F-04A」United Arrows スペシャルモデル

 ユナイテッドアローズは、1989年にスタートしたセレクトショップで、「Make your real style」をコンセプトに、日本の新たな生活文化の規範づくりを目指してきた。

 現在は服飾をメインに事業を展開しているが、今後は「衣・食・住・遊・知といった生活スタイル全般で、さまざまな価値の提供を目指す」と、ユナイテッドアローズ 代表取締役社長の岩城哲哉氏。携帯電話が生活必需品となる中、ここで最大の価値を提供できないかと考え始めたタイミングで、富士通から声がかかったという。「(富士通も、ユナイテッドアローズも)日本企業であり、きまじめにビジネスをしている。企業風土と目指すゴールが同じ方向だった」(ユナイテッドアローズ広報)ことから、両社のコラボレーションがスタートした。

 携帯電話にどのような形で“ユナイテッドアローズらしさ”を反映させるかを考える上では、「店頭で日々、お客さんの声を聞いていることが役立った」と岩城氏は振り返る。「生活スタイルを見ている中で、ユーザーの気持ちになって“こういったものがあるのではないか”という提案が浮かび、それがどんどん発展した」(岩城氏)。そして「必需品として、常に持っているのにふさわしいものは何か」というテーマのもと、フォルムと素材感、色の3つの要素にこだわった。

 F-04AのUnited Arrows スペシャルモデルは、一見するとシンプルで飽きのこないデザインに見えるが、「“男のこだわり”的な表現を追求した、奥深い魅力のある端末に仕上がった」(ユナイテッドアローズの説明員)という自信作だ。

sa_f13.jpgsa_f15.jpgPhoto 背面には布地の織り柄をモチーフにしたカーボンパターンをあしらった(左)。プリセットコンテンツは服に使われた布地を再現(中)。ダイヤルキーのフォントはゴールドの飾り文字を採用した

 背面に施したカーボンパターンは、糸の織りによって生まれる「織り柄」がモチーフだ。「ネイビーの単色に見えるスーツが、近くで見るとさまざまな色を使った編み地になっている」というような奥深いこだわりを、携帯の背面に取り入れた。「ステンレスの背面に編み地のような柄がついており、光の加減や角度によって表情が変わる」(ユナイテッドアローズの説明員)

 ボディカラーには、2009年春夏ファッションのトレンドカラーとして注目を集める「ペトロールブルー」を採用。ダイヤルキーには飾り文字風のフォントをゴールドでプリントし、読みやすさを追求しながらトラディショナルな要素も盛り込んだ。

 Flashの待受画面は、「実際の洋服に採用された生地を、富士通に預けて」作成したという、スーツやシャツをモチーフにしたコンテンツがプリセットされ、同社始まって以来の“ロゴのアニメーション化”にも挑戦している。

sa_f01.jpgsa_f02.jpgPhoto ユナイテッドアローズのメンズウェアはもちろん、上質な小物ともマッチする。端末には専用の革製ケースが付属する


 4℃とユナイテッドアローズは、携帯電話とのコラボレーションを通じて、新たな顧客層の拡大とより幅広い層へのブランド認知を目指す考えだ。

 「4℃の携帯電話を使ってもらうことで、より広くイメージが浸透し、顧客層の拡大につながることを願っている。4℃のファンのみならず、多くの人に使ってほしい」(田村氏)

 「今回のコラボレーションを通じて、携帯電話とファッション市場の距離が近くなり、相乗効果を発揮しながら、新しい価値観を提供できればと思う」(岩城氏)

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