土砂降りのケータイ市場に「防水」端末で臨む富士通――ブランドコラボで、デザインにも新風(1/2 ページ)

» 2008年12月09日 18時15分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 富士通は12月8日、2008年冬モデルとしてNTTドコモに供給する携帯電話の新製品発表会を開催した。新端末の製品概要に加え、今後の同社携帯電話事業への取り組みについての説明も行った。

 ドコモが発表した2008年冬モデルのうち、富士通製の端末はすでに発売されている「F-01A」と12月中旬発売予定の「F-02A」、2009年1月から3月に発売予定の「F-03A」「F-04A」の4機種だ。

photophoto 「F-01A」「F-02A」「F-04A」と3種の防水ケータイを展開する富士通。「F-03A」はスライドボディにタッチセレクターとD端末の使い勝手を踏襲する

 STYLEシリーズのF-02Aは、防水性能を持つ折りたたみ端末。クリスタルカットデザインのボディ背面には、2インチ液晶をサブディスプレイとして搭載しており、端末を閉じたままでもさまざまな操作が可能。ジュエリーブランドの「4℃」とコラボレートしたモデルもラインアップしている。

 F-04Aは、厚さ12.8ミリとスリムボディに防水性能を備えたSMARTシリーズ端末。ステンレス素材を採用した背面パネルは、カラーごとに異なる質感でスタイリッシュな印象を与える。人気ファッションブランドの「UNITED ARROWS」とコラボレートした特別モデルも用意されている。

 ワンセグやGPSなどを搭載したハイスペックなPRIMEシリーズのF-03Aは、スライドボディに3.2インチのフルワイドVGA液晶を搭載。ディスプレイには、三菱端末でおなじみの回転する十字キーの“タッチセレクター”を表示でき、タッチ操作と“D”ライクなスライド連動機能を組み合わせた快適なユーザーインタフェース(UI)を提供する。

photophoto 「F-01A」とそのパーツ

photophoto 「F-02A」とそのパーツ

photophoto 「F-04A」とそのパーツ

photo “D”ライクなスライド連動機能を備えるF-03A

携帯事業は曲がり角

photo 富士通 取締役副社長 富田達夫氏

 製品説明会で最初に登壇した富士通 取締役副社長の富田達夫氏は、冷え込みが続く端末販売市場を「コンシューマー向け市場そのものが冬場という状態」と言い表す。しかし、販売方式の変更や契約数が1億台を超えたことで市場が飽和したと言われる中でも、依然として年間4000万台の市場規模を誇り、その売り上げが1兆6千億円に上ることを挙げ「関連事業を含めると約10兆円の市場があり、今後到来するユビキタス社会を見据えると、無限の可能性がある。富士通としては、今後も携帯電話にも継続的に力を入れていきたい」と、今後も携帯事業に注力する方針であることを強くアピールした。

 続いて、富士通 モバイルフォン事業本部長 経営執行役の佐相秀幸氏が、現在の市場状況と具体的な事業概要を交えて、富士通の端末作りの考え方を解説した。

 「この冬モデルからドコモはブランド戦略を変更し、4つのシリーズを立ち上げた。富士通はこのブランド変更にしっかりと応えていきたい。特に富士通として、防水性能と音声技術に自負があり、冬モデルではこれらの機能を広く盛り込んだ。さらにタッチパネル搭載のスライドを投入するなど、新分野へのチャレンジも行っており、その意気込みを感じて欲しい」(佐相氏)

photo 富士通 モバイルフォン事業本部長 経営執行役 佐相秀幸氏

 先に富田氏が触れた通り、国内の端末販売状況は極めて厳しい状態だ。2008年度の販売実績は前年から約1310万台、25%も下回っている。しかし、冷え込んでいるとはいえ年間1兆6000億円の巨大市場であり、うち半分の8000億円がドコモ向け端末の売上げ。また近い将来、携帯電話を入り口としたユビキタス市場が立ち上がれば、市場規模は10兆円に上ると予想されている。

 「確かに今は会社として厳しい時期。しかし、携帯電話事業は富士通の存在意義を示すビジネス。携帯電話にはあらゆる技術が盛り込まれており、富士通全体の技術水準を引っ張っていく製品だ。またユビキタス社会の牽引役でもあり、関連市場は将来的に周辺業界とキャリア売上げを含めて30兆円の市場に成長すると思われる。目先の山谷に捕らわれず、歯を食いしばってやっていきたい」(佐相氏)

 これからの富士通は、曲がり角を迎えた携帯電話市場でどんなケータイ作りをするのだろうか。佐相氏は、携帯電話をユビキタス社会に欠かせない“モバイルフロント”と位置づけ、ブロードバンドリーダーとしてインターネットのケータイ化を実現し、デザイントレンドリーダーとして製品競争力を強化。さらに、ユニバーサルデザインを推進し安心・安全・健康をテーマに通話機能などの基本要素の進化を目指すとした。

photophotophotophoto 急激な落ち込みを見せるケータイの販売実績だが、ユビキタス市場が立ち上がれば10兆円規模に成長する見込み

photophotophotophoto 富士通はケータイを“モバイルフロント”と位置づけ、ブロードバンド・デザイン・ユニバーサルをテーマに端末を開発する

 具体的には、搭載プロセッサの高速化や横画面利用への対応、タッチパネルやモーションセンサーといった新しいUIの採用を通じてブロードバンド端末としての先進性を確立。また、富士通内に設立したデザイン専門の関連会社や異業種とのコラボレーションを活用して、よりデザイン性の高い端末を開発する。さらに、「らくらくホン」シリーズに搭載されている“スーパーダブルマイク”や“スーパーはっきりボイス”などの通話機能や、“拡大メニュー”といった見やすさを追求し、防水端末のバリエーションを広げることで、誰でもどこでも安心して使える端末を目指すという。

 「性能を上げることで、インターネットのケータイ化をきっちり抑えていきたい。高機能を裏付けにデザイン性を高め、製品の競争力をアップさせる。そして、タッチパネル+モーションセンサーによって、先進性も訴える。今までは“富士通のケータイはダサイ”“もっさりしている”と言われることがあったが、新製品(2008年冬モデル)ではかなり改善されている」(佐相氏)

photo 会場にはF-01AのテレビCMに出演している宇宙人ご一行様も登場
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