インタビュー
» 2008年12月12日 22時38分 UPDATE

開発者に聞く「AQUOSケータイ W64SH」:薄型テレビを手のひらに――「AQUOSケータイ W64SH」が目指す究極の映像美とは (1/3)

auの2008年秋冬モデルの中でも多機能な「AQUOSケータイ W64SH」。auケータイでは最大の3.5インチフルワイドVGA液晶を搭載し、ワンセグやLISMO Videoなどの映像コンテンツを満喫できる。auユーザーにとっては念願の“全部入り”シャープ端末といえるW64SHの開発の背景を聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 シャープ製の「AQUOSケータイ W64SH」は、auの2008年秋冬モデルのコンセプトの1つである「究極美」を追求したモデルとして開発された。

 フルワイドVGA(480×854ピクセル)サイズの3.5インチ液晶や、光TOUCH CRUISER、加速度センサーなど先進的なデバイスも搭載。ワンセグや5.2Mカメラ、Bluetooth、FMトランスミッター、EZ・FM、赤外線通信(IrSimple)、グローバルパスポートCDMAといったトレンド機能を押さえ、auの秋冬モデルでは随一の高スペックを誇る。W64SHはどのような狙いで開発されたのか、シャープの開発陣に聞いた。

W64SHが「AQUOSケータイ」である理由

photo シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第三事業部 商品企画部 谷健氏

 シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第三事業部 商品企画部の谷健氏は、「2007年から2008年にかけて、動画視聴と大型の高画質ディスプレイのニーズが高まってきたことが、W64SHを開発する上で最大のポイントだった」と振り返る。

 「KDDIは、LISMOをビデオクリップに対応させたり、動画配信のLISMO Videoを開始するなど、映像系サービスを戦略的に強化しました。そこで、シャープの強みであるディスプレイや画質調整の技術をうまく融合した商品を企画できないかということになりました。そこで、“LISMOを満喫できるAQUOSケータイ”をコンセプトの核にしています」(谷氏)

 コンセプトで気になるのが、W64SHが“AQUOSケータイ”ブランドである点だ。これまでNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルから2008年夏モデル以前に発売されたAQUOSケータイはいずれもサイクロイドスタイルだったが、W64SHはスライドボディを採用した。

 AQUOSケータイを名乗るには、「大型ディスプレイとワンセグ画質、そしてワンセグを操作するときのUI(ユーザーインタフェース)が重要になる」(谷氏)という。フルワイドVGAの3.5インチ液晶や高画質を盛り込んだワンセグ、AV機能を快適に操作できる光TOUCH CRUISERや加速度センサーを備えたW64SHは、これらの基準を満たしているため、AQUOSケータイの名が付けられた。「サイクロイド=AQUOSケータイではありません」(谷氏)

photo 異なる質感を交互に組み合わせることで、「16.5ミリよりも薄く見えるよう処理できました」(谷氏)

 このほか、高品位なデザインもAQUOSケータイの判断基準にあるという。「デザインの核となるのは“薄型の液晶テレビ”です」と谷氏が言うとおり、W64SHは本体を閉じると薄型テレビのようなたたずまいを見せる。

 「本体の周りはメタリック調のフレームで囲み、シンプルな造形の中にも高級感を出しました。金属の質感は、横から見たときには薄型のフォルムを強調するよう、異質感のあるレイヤー構成となっています。メタリックな部分とそうでない部分を交互に使うことで、薄型のフォルムが強調されるよう処理しました」(谷氏)

photo 両端にはスピーカーを連想させるディンプル加工を施した

 薄型テレビ風のデザインを実現すべく、両端にステレオスピーカーをイメージしたディンプル加工を施した。「これはハイエンドオーディオ機器によく見られるデザインで、オーディオ機器のスピーカー開口部をイメージさせ、ステレオスピーカーであることを強調しています」と谷氏。スピーカー自体はディスプレイの裏側にあるので、ディンプル加工された部分から音が出るわけではないが、横画面で広がりのある音が出せるようチューニングされている。

 「本体を閉じても開いても音がしっかり聞こえるよう、バランスを重視しました。また、横画面で本体を180度回転すると、左右の音も逆になります」(谷氏)

持ちやすい? 持ちにくい?――幅53ミリの意外な評価

 AQUOSケータイらしい品位あるデザインのW64SHだが、本体の幅が約53ミリと少々太くなってしまったのは気になる。一般的にケータイを持ちやすいとされる幅は50ミリまでと言われているが、W64SHはそれをややオーバーしている。ただ、「思ったほど悪い評価は聞かない」(谷氏)という。

 「サイズだけで評価されると怖いですが、ダイヤルキーがボディの下側に集中しているので、片手で持ってもしっかり指が届きます。『意外と打ちやすい』という声はよく聞きます。機能を削って小型化するのではなく、2年間使える、使うたびに新たな喜びを感じていただけるようなモデルにしたかったので、妥協せずに機能を盛り込んだ結果、このサイズとなりました」(谷氏)

photo AQUOSケータイ W64SHはキー側が重くディスプレイ側が軽いので、重量バランスがよい。実際に手にすると、約144グラムという数値ほどの重さは感じない
       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.