KDDI 2009年3月期第3四半期の連結決算は減収増益──端末販売減で売り上げ下方修正

» 2009年01月23日 16時11分 公開
[ITmedia]

 KDDIは1月23日、2009年3月期第3四半期の決算を発表した。第1四半期から第3四半期までを合算した連結売上高は、前年同期比で0.3%減となる2兆6297億円。営業利益は9.6%増の4067億円だった。また、移動通信事業で端末の販売台数減が見込まれることから、売上高の予想を期初の3兆7000億円から3兆5000億円に下方修正した。営業利益予想は4430億円で据え置く。

 auブランドで提供している移動通信事業は、売上高が前年同期比2.4%減の2兆495億円、営業利益が前年同期比7.6%増の4426億円。12月末でのauの契約数は3055万で、累計シェアは28.9%だった。解約率は前年同期より0.24ポイント低い0.65%に低下しており、契約者が“ほとんど解約しない”状況になりつつあることが分かる。販売奨励金は平均3万2000円と、前年と比べても低いレベルになった。

 MOUは140分と若干増加傾向にあるが、音声ARPU(ユーザー1人あたりの平均収入)は3650円と前年同期比で440円減少。データARPUは2220円で前年同期より80円増加しているものの、合計のARPUは5870円で前年同期からさらに360円減った。WINの契約数はau全体の71%。パケット定額制の契約率は若干低下傾向にあるが、依然72%と高い水準にある。

 2008年度は、端末の販売台数が急激に減少したことで、在庫が増加した。2008年3月期は、端末の販売台数が第1〜3四半期の合計で1132万台だったが、2009年3月期は800万台にとどまり、29%減となった。これを受け、2008年12月末時点での在庫数が210万台と、前年同期より80万台増えているという。期末に控えている春商戦へ向けて、販売手数料を制御しながら在庫端末の販売に注力していく考えだ。また2009年春モデルについても、市場環境の変化を考慮し、端末数を絞って発注しているとのこと。

 なお、新販売方式「au買い方セレクト」の利用状況は、シンプルコースが67%、フルサポートコースが33%だった。かつては圧倒的だったフルサポートコース選択者が減り、現在ではシンプルコースが主流となっている。

 固定通信事業では、売上高が前年同期比18.9%増の6353億円を記録。営業損失が依然364億円となっているが、前年同期よりも状況は改善しつつある。2008年12月末時点での固定系アクセス回線数は527万。2008年10月1日に、光ファイバーのブロードバンドサービス「ひかりoneホーム」で、上り・下り共に最大1Gbpsでの通信が可能な「ギガ得プラン」の提供を開始したところ、非常に好評を博し、ひかりoneの獲得数が大きく増加しているという。

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