スマホじゃないケータイでもSkypeが使える BREW版「Skype au」を試す(前編)(1/2 ページ)

» 2012年01月12日 18時50分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo Skype auを起動したauのフィーチャーフォン

 Skypeといえば、PC用のVoIPあるいはインスタントメッセンジャー(IM)として幅広く使われている。対応するプラットフォームはPCだけでなく、スマートフォンやタブレット、ポータブルゲーム機、デジタルAV家電などにも広がり、デバイスの垣根を越えて使えるようになった。基本的な使い方なら無料という手軽さも人気の秘密だ。

 なかでもKDDIのau端末向けに提供される「Skype au」はひときわユニークな存在。携帯電話サービスを提供するキャリア自身が、“無料通話”を売りにするSkypeを正式にサポートしているうえ、データ通信を通すパケット通信網ではなく、音声通話のための回線交換網を利用するのも特色だ。

 Skype auのもう1つの特徴が、フィーチャーフォン向けのアプリも用意している点。これまでもフィーチャーフォン向けにVoIPを実現したサービスはいくつかあったが、専用の設備が必要な企業・SOHO向けの内線ソリューションであったり、対応ISPと対応する無線LANルーターの組み合わせで使う宅内用(NTTドコモのホームUなど)にとどまっていた。ロケーションの制限なくケータイでVoIPを実現したのは、Skype auが初めてといっていいだろう。

 今回はこのフィーチャーフォン向けSkype auについて、前編では対応機種や料金などの利用条件について、また後編では具体的な使い方や、ほかのプラットフォーム用Skypeとの違いについて検証してみたい。

対応するのは、2011年夏モデル以降のauケータイ

 いきなりだが、Skype auが使えるケータイは現時点で種類が少ない。対応する携帯電話はauの2011年夏モデル以降のもので、現時点では「F001」「T007」「T008」(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ)、「URBANO AFFARE」「S007」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)、「CA007」(NECカシオモバイルコミュニケーションズ製)、「K009」(京セラ製)の7機種。これらフィーチャーフォン向けのSkype auは端末固有の機能ではなく、BREWアプリとして提供される。端末には初めからインストールされていないので、使用するにはダウンロードが必要だ。とはいえ、対応機種であればEZアプリのメニュー内にダウンロード用のショートカットが登録されているので、準備はすぐに完了する。

photo Skype auに対応するauのケータイ。上段左から「F001」「URBANO AFFARE」「CA007」「S007」。下段左から「K009」「T007」「T008」

 起動すると最初に表示されるのがサインイン(ログイン)画面だ。すでにSkypeを使っているなら、アカウント(Skype名)とパスワードを入力するとオンライン状態になる。もちろん、Skype auから新規でアカウントを作ることもできるが、現時点でSkype名は後から変更することができないので(表示名は任意に変更できる)注意したい。

 サインインにかかる時間は、スマートフォンやPCに比べるとやや長め。アプリのUIはスマートフォン版と基本的に同じだが、状態(ステータス)と設定のアイコンがある点が違う。さっそくコンタクトのリストに登録されている“Skypeテスト通話”に発信して、テストを行ってみる。音質はそこそこ良く、au回線での通話とあまり差は感じなかった。

 UIこそ違うが、基本的な使い方は別プラットフォームのSkype、あるいはスマートフォン版のSkype auと同じだ。すでにPCなどでSkypeを使っている場合はコンタクトリストが同期されるし、これから連絡先を追加する場合はアプリからSkype名や表示名、メールアドレス(公開されている場合)を検索できる。コンタクトリスト内の“連絡先”から、通話あるいはIMを送信する相手を選ぶという操作も共通だ。またプロフィールの編集や、Skype名と一緒に表示するムードメッセージもケータイから入力できる。

photophotophoto Skype auのメイン画面(写真=左)とログイン状態の変更画面(写真=中央)、ムードメッセージの設定画面(写真=右)

photophotophoto アプリの起動はすぐだが、オンラインになるまでは少々時間がかかる。自動サインイン機能を活用したい(写真=左)。コンタクトの検索や追加もフィーチャーフォンから可能(写真=中央、右)

 とはいえ、フィーチャーフォンでSkypeを使う以上、PCやスマートフォンとは使い勝手が違う点も多々あった。それらについては後編でまとめてご紹介しよう。

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