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» 2013年01月17日 17時06分 UPDATE

KDDI、「大規模画像認識技術」を活用したARサービスを開始

KDDIのARブランド「SATCH」が新しい2つの取り組みを始める。家具の配置をARでシミュレートできるソリューションを提供するほか、KDDI研究所の「大規模画像認識技術」を使ったAR情報表示サービスを試験提供する。

[山田祐介,ITmedia]

 KDDIとフランスのTotal Immersionは1月17日、スマートフォン向けAR(拡張現実)サービスに関する新しい取り組みを発表した。家具などの設置シミュレーションができるARアプリを開発できるソリューション「TryLive Home」を同日から提供。また、商品パッケージやカタログを活用したAR情報表示サービスのトライアルも開始した。

ARを身近にする新たな2サービス

 ARアプリ「セカイカメラ」を提供する頓智ドットと2010年に資本提携するなど、以前からAR関連事業に積極的だったKDDI。2011年9月には画像認識型のAR技術に強みを持つTotal Immersionと提携し、同年12月にはAR事業の新ブランド「SATCH」を立ち上げた。ブランドのテーマは“ARの日常化”。Total Immersionの技術を活用し、モバイルARアプリの開発を容易にする「SATCH SDK」を無償公開したり、開発者向けコンテストを開催したりと、さまざまな取り組みを行なっている。今回発表されたサービスも、そんなSATCHの一環だ。

 TryLive HomeはARアプリ開発のソリューションで、家具・インテリア企業向けに展開する。開発できるのはマーカー型AR技術を使ったiOSアプリだ。CGの家具をマーカーの周囲に出現させ、部屋との相性やレイアウトをARでシミュレートできる。CGデータの制作は、3Dインテリアシミュレーションサービスを手がけるリビングスタイルが担当する。導入の第1弾として、バルスが展開する家具・雑貨ブランド「Francfranc」(フランフラン)での採用が決定しており、3月以降にアプリを提供する予定という。

photophoto マーカーがある床に端末のカメラをかざし、置きたい家具を選ぶと、カメラ映像に家具のCGデータがオーバーレイされる

 そして、もう1つの新サービスとして試験提供を始めるのが、商品画像などにカメラをかざすことで関連情報が表示されるARサービス。同サービスに対応する商品パッケージやポスターなどを、iOS/Android向けARアプリ「SATCH VIEWER」の「画像検索」機能を使って写すと、商品サイトやSNSアカウントへのリンクアイコンが浮かび上がる。リンク先に飛ぶことで、商品の情報などを簡単にチェックできる。

photophotophoto 例えば本の表紙にカメラをかざすとアイコンが浮かび上がり、本のTwitterアカウントなどを簡単に呼び出せる

 同サービスには、KDDI研究所が開発した「大規模画像認識技術」を活用している。同技術は、最大約10万件の画像データベースの中から高速に画像を特定できるというもの。電波のよい環境であれば、対象にカメラをかざしてから2〜3秒で画像の検索が完了する。

 サービス展開においては凸版印刷との協力体制を構築し、参画企業の誘致や凸版印刷が有する媒体での活用を進めていく。企業や団体は、KDDIへの申し込みでトライアルに無料で参加できる。すでに16の企業・団体の参加が決まっており、例えば森永製菓の商品パッケージや、「美術手帖」の表紙などが、同サービスに対応している。

 また、ニッセンが大規模画像認識技術を導入した「カタログカメラ」サービスを提供する予定となっており、2013年度のニッセンカタログ全ページの商品画像が同サービスで検索可能になる。

女性ユーザーが多いSATCH VIEWER

photo KDDI 新規ビジネス推進本部長 雨宮俊武氏

 SATCHを立ち上げてから1年間、KDDIはARサービスの普及を阻んでいる各種の問題解決を進めてきたと、同社の新規ビジネス推進本部長 雨宮俊武氏は話す。SDKの無料提供により、企業などがより手軽にARアプリを開発できるようになったほか、ARコンテンツのポータルアプリとして機能しているSATCH VIEWERを通じて、コンテンツのリーチを広げていると同氏はアピールする。

 SATCH VIEWERは「順調にユーザー数が伸びている」(雨宮氏)という。また、auスマートパスを通じて同アプリをダウンロードしたユーザーを調べると、「60%以上が女性」(雨宮氏)だったそうだ。ARは「女性にも親和性がある」と雨宮氏は話し、今後も利用者の拡大が期待できるとした。

 SATCHのARサービスを支える開発者も順調に増えており、現在は2500人を超えているという。今後もアプリコンテストを実施するなどして開発者とアプリ数を拡大していく考えだ。

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