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» 2013年10月11日 12時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:「今年、利益でドコモを抜く。いい勝負ができるのではないか」――ソフトバンクモバイル・孫正義社長の囲みにツッコミ (1/2)

9月30日のソフトバンクモバイル2013-2014年冬春モデル発表会で、孫正義社長が久々に公の場に姿を現した。孫社長が語る、今後のソフトバンクの戦略とは。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 9月30日、ソフトバンクモバイルは2013-2014冬春モデル発表会を行った。春モデルを含めて全4機種とかなり寂しい内容。3キャリアでiPhoneを取り扱う中、ソフトバンクはAndroidは売れ筋機種に絞る戦略のようだ。

 会見後、孫社長の囲みが行われた。iPhone発売時には姿を見せず、公の場には久々の登場とあって、その発言に注目が集まった。

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―― ドコモがiPhoneを扱うことで端末ラインナップの差がなくなった。料金競争にも限界がある。最後は体力勝負になるのではないか。ソフトバンクはドコモに勝っていけるのか。

孫社長 今年、利益でドコモを抜きますからね。体力でドコモよりも劣るということはなくなった。ネットワークは我々が一番つながる、スピードも速いと言う状況ができましたし、端末もAndroidの差別化機種はまだ出せる。スプリントとソフトバンクを合算したら、ドコモとKDDIを合算した数よりもたくさん買っている状況が今から始まる。

 そういう意味では、いい勝負ができるのではないか。スプリントを買っていないと大変だったかも知れない。

(★ やっぱり本心ではラインナップの種類は増やしたいんだろうな)

―― アップルの発表会に参加しなかった。CEOがティム・クックになって、スティーブ・ジョブズとは違って、アップルの雰囲気などが変わった印象はあるか。

孫社長 他社さんへのコメントはできるだけ控えたい。我々は精一杯、やるべきことをやる。ネットワークがこれだけつながりやすく、一番になった。我々から群れをなして、他社にiPhoneユーザーが逃げ出すという状況ではなくなった。

(★ ティム・クック体制になって、ちょっと冷遇されている感はあるな。ティム・クックと田中社長も結構、仲いいようだし)

―― iPhone4Sから2年が経過するauのほうが危機感が強く、田中社長が孫さんを意識している発言、行動なども目立つ。孫さんとしては、田中社長から意識されている雰囲気はあるか。

孫社長 各社が競争で切磋琢磨するのが業界の発展になりますし、健全なことだと思う。

―― 孫さんの軸足は、日本市場と言うよりも、スプリントを中心とした世界市場に向いているのか。

孫社長 そうですね。日本国内だけで考えると市場はこれほど大きくならない。人口が増えているわけではなく、ケータイは行き渡っている。スプリントはまだまだ距離のある3位。経営的に伸ばす余力がたくさんある。ソフトバンクはトータルで業績をあげていくのが経営者しての使命。伸びしろはアメリカを合算するとたくさんある。日本でもネットワークは世界一であるし、日本で競争したノウハウはアメリカでも生かして行きたい。

 日本国内にいると、日本のネットワークが世界一になったというのを実感しないが、他の国に行ってみて、実際につないでみると愕然とする差がある。日本の良さを改めて認識する。

(★ 日本のソフトバンクユーザーとしては、孫さんの興味の対象から外れてしまったようで悲しい限り)

―― 実際にスプリントの経営に携わってみて、想像以上に大変だという認識はあるか。

孫社長 「ライバルの会社は、ドコモよりも大きい。世界一と言っていいほどの収益力があるベライゾンであり、AT&Tである。ライバルの大きさという点では手強い。より大きな会社。身を引き締めて頑張らないと行けない。

 それだけ、挑戦することにやりがい、生きがいを感じるタイプなので、頑張っていきたい。

―― スプリントの顧客が増加に転じるのはいつ頃か。

孫社長 いくつか策は持っているし、準備している。僕としては楽しみにしている。2〜3カ月ではできない。半年から1年、経ってみれば充分にいろんな手が打てるように準備している。ボーダフォンジャパンを買ったときは、ソフトバンクが草刈り場になると、多くの人が思っていたし、そう信じ込んでいた。我々からすれば、あの頃の危機感と比べれば、今回は相当、自信がある。

(★ 来年初めのCES取材でアメリカに行った際には、スプリントの店頭で何かしらの変化は確認できるのだろうか)

―― スプリントの料金プランは通信制限もなく魅力的だが、ソフトバンクでも採用はされないのか。

孫社長 ソフトバンクの料金プランは、すでにスプリント以上に魅力的な料金プラン。もちろん、観る角度によって違うが、料金プランだけでなく、アメリカで競争したノウハウが日本に生かされることもケースバイケースであると思う。日本から持ち込まれることもあるし、アメリカから持ち込んでくるものもある。

 サッカーで香川真司とか、本田圭佑が海外で戦って、日本に戻ってきて、日本のチームに加わって海外に出て行く。国内だけでやっているよりは他流試合をすることで、新しいノウハウや技も身についていく。日本のなかで競争するよりかは海外で他流試合をして、我々があらたな技、あらたな体力、交渉力を身につけけていけるのが楽しみ。

(★ これ自分の質問。スプリントは通信量制限がないだけに、日本でもぜひ導入して欲しいところ。サッカー選手の例えはよくわからんが)

―― T-Mobileの買収について、Bプランと話していたが、現時点の状況は。

孫社長 将来のことはノーコメント。

―― スプリントの買収について、アドバイザーにはどれくらい頼ったのか。

孫社長 常に様々な買収するときは、様々なアドバイザーを使い、専門家の意見を取り入れる。彼らはプロなので、プロのノウハウを精一杯取り入れるし、今後も取り入れたい。

―― ロビー活動も行ったのか。

孫社長 アメリカで安全保障の部分やFCCにおける許認可の申請プロセスを含めて、いろんなノウハウが必要で、日本のオリンピックの時もロビー活動が行われた。法を犯すような活動はしちゃダメですよ。法とかルールにもとづいた、ノウハウや知見を求めるのは必要。今回も学ばせてもらった。

―― TD-LTE対応機種は今後も増えるのか。

孫社長 個別の機種、個別のメーカーに対するものはコメントすべきではない。新しいテクノロジーがどんどんと広がってきますので、各社が取り入れてもらってもらうと時代は進んでいくと一般論としては思う。個別のメーカーに対して、コメントすべきではない。

(★ ソフトバンクの指示で開発するシャープや富士通のことであればいくらでもコメントできると思うのだけれど。孫社長のなかで、勝手にアップルを想定しちゃっているっぽい)

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