iPhoneをスキャナに変えるオシャレな卓上ライト「SnapLite」を試してみたファーストインプレッション

» 2014年05月21日 18時00分 公開
[後藤治,ITmedia]

 既報の通り、PFUから「SnapLite」が発表された。同社は“自炊派”層から高い支持を得ているドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズで知られているが、リスのロゴマークとともにティーザーサイトで投入が予告されていた新製品は卓上ライトだった。

 といってもただの照明器具ではない。SnapLiteは卓上ライトとiPhoneを組み合わせることで、オーバーヘッドスキャン方式の非破壊型スキャナとしても利用できるユニークな製品だ。同社の非破壊スキャナといえば、「ScanSnap SV600」が思い浮かぶが、高被写界深度レンズやライン型CCDセンサー、高指向性LED光源を搭載するため、(この手の製品としては低価格といっても)明確な目的がなければなかなか気軽に購入できるものではなかった。

 一方、SnapLiteは撮影機能をiPhone(iOS 6.0以降のiPhone 5/5s/5c)にまかせることで1万2800円というリーズナブルな価格を実現している。単純に、SnapLiteでできることはiPhoneでメモ代わりにスナップショットを撮るのと変わらない。ただし、安定した台座、デスクライト用のLED光源、アプリ側の各種補正機能により、手ブレや影の映り込みを気にすることなく、きれいな写真が取り込める。評価機を入手したので早速試してみた。

おしゃれなデザインの外箱。ScanSnapシリーズと異なり、SnapLiteでは「TENT」(治田氏と青木氏のクリエイティブユニット)がデザインを担当したという

本体は幅広い内装にマッチしやすい白を基調としたシンプルな卓上ライト。2種類(5000Kと2700K)の照明として使える

無料配布している専用アプリを起動すると自動的にiPhoneとBluetoothで接続される

本体上部の台座にiPhoneを置き、読み取る対象をレーザーガイド内にセットする。iPhone内部のジャイロセンサーが静止状態を認識すると、自動的に撮影モードに移行するのも気が利いている。ガイドは赤色でテーブルの素材や環境光の強さによってはややみづらい。逆にSnapLiteのLED照明がついているので、暗い環境でも問題なく撮影できる

ガイド内に収まらないA3サイズの原稿も読み取り可能。アプリで合成モードを選択し、2回に分けて撮影する。合成処理中はアニメーションが表示される

複数の原稿を同時にスキャンすることも可能(最大枚数は8枚)。自動的にトリミングされ別の写真としてカメラロールに保存される。名刺などの整理に便利だ。右の写真はマルチトリミングで取り込んだ写真の実イメージ。自動トリミングは対象のコントラストから輪郭検知をするため、白い布に白い被写体といったものは正確に読み取れない場合がある。その際はハンカチなどを下に敷くといい

トリミングはマニュアルでも可能。ドラッグ&ドロップで4隅を指定する。移動する点は拡大表示になる。なお、非定型のクロップは対応していない

アプリに用意された設定機能は、自動トリミング、自動台形補正、自動色味補正、オートフラッシュ、ガイドセンサー、タイマーで、各機能はオン/オフが可能。タイマーは0秒/0.5秒/1秒/2秒/3秒から指定する。タイマー機能は、写真の中に自分の両手を入れたい、といった場合に便利だ

ライトの調光はアプリ側で行う。2つの色温度と、明るさの調整が可能だ。本体底部の背面にiPhone/iPadが急速充電できるUSBポートを搭載

 以上、SnapLiteを駆け足で使ってみた。特に目新しい技術はないものの、卓上ライトとiPhoneというありふれた製品と、ScanSnapが得意とする同社の画像補正技術を組み合わせることで、誰もが手軽に扱える新しいコンセプトのスキャナに仕上がっている。

 これまでドキュメントスキャナといえば、ビジネスや一部のマニア層向けという印象が強かったが、SnapLiteなら普段はおしゃれな家庭のインテリアとして部屋を飾り、何かちょっとしたものを記録したり、誰かと共有したくなったら即座にスキャナとして利用できる。価格もデザイン家電と考えれば高価なものではない。ScanSnapとは異なる、新しいブランド名を与えられたSnapLiteは、多くのiPhoneユーザーに受け入れられそうだ。

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