インタビュー
» 2015年11月02日 06時00分 UPDATE

社内では肩身が狭い?:シャープ、ハンズ、パインアメの中の人が語る、「企業Twitterのここがつらいよ」(後編) (1/2)

社内で新しい試みをするときは、周囲の理解を得るのはなかなか難しいもの。人気企業Twitterの中の人たちに、公式アカウントならではの苦労などを聞きました。

[村上万純,ITmedia]

 前回は、人気企業Twitterの“中の人”たちにツイートのコツを聞きながら、フォロワーに愛されるアカウントの共通点を探っていきました。いずれも突然人気が出たわけではなく、日々の細やかで丁寧な対応の積み重ねで今があるわけですが、そこに至るまでにはさまざまな苦労もしてきています。

 会社でSNS担当になり、現在進行形で途方に暮れているという人もいるでしょう。今回は、そんなあなたにきっと役立つ、企業アカウントならではの苦労や失敗談、運用ポリシーなどについて聞きました。

 質問に答えてくれたのは、前回に引き続きシャープ(@SHARP_JP)、東急ハンズのネットストア「ハンズネット」(@HandsNet)、パインアメのパイン(@pain_ame)の各担当者です。

photo 左からシャープ、ハンズネット、パインのTwitterアイコン

明確な運用ポリシーはなく、臨機応変に対応

―― 会社の代表としてツイートするうえで、どのように運用ポリシーを決めましたか?

シャープ 明確な運用ポリシーはありません。企業のソーシャルアカウントはその特性上、多様な側面を持ちます。自社製品をアピールする、お客様の問い合わせに応える、企業活動を広くアナウンスするなど、マーケティング・ブランディング・広報・顧客満足といった活動を横断的にこなします。

 その時々で適切な役割、立場を考えます。そういう意味では、アカウントの目的や役割を固定しない、柔軟性を持つ、企業の論理に捕らわれないコミュニケーションをする、ということがポリシーかもしれません。

photo 企業の論理に捕らわれない柔軟性を発揮

東急ハンズの「ハンズネット」(以下、ハンズ) 店舗での接客と同様のことをTwitter上でも行うという考えがベースにあるため、しいて言うなら「接客マニュアル」が運用ポリシーの元になっています。

パインアメのパイン(以下、パイン) 常に多くの人にご覧いただいていることを念頭に置いて公序良俗に反したツイートをしないこと、これに尽きます。細かいポリシーは特段設けておりませんので、随時その場の現場判断で対応しております。場合によっては上司や関連部署に相談します。

まとめ

 企業Twitterでは、会社の代表としてふさわしい振る舞いが求められます。下手なことを言って炎上してしまったらどうしよう……そんな不安が脳裏をよぎるかもしれませんが、手探り状態で進めているのはみんな同じ。臨機応変に対応する柔軟さで切り抜けていきましょう。

社内理解が得られないことも

―― 企業の公式アカウントならではの苦労があれば教えてください。

パイン Twitterの認証マーク(企業や有名人の公式アカウントを認証するマーク)がなかったときは、本当に公式なのかと怪しまれたことが多々ありました。また、アカウント名がローマ字読みで@pain_ameなのですが、「痛い(pain)アメ」だとツッコミが入ることもしばしばございます。

photo 名前の横にある水色のチェックマークが認証アカウントの証

ハンズ 公式アカウントならではとは違うかもしれませんが、継続して運用すること、成果が可視化されるまで社内理解が得られない場合がある、などが挙げられます。

シャープ ネットを舞台にした企業の活動全般に言えることかもしれませんが、「(その活動を)知らない人は知らないし、知らないという事実を知ろうとしない人」が社内にも一定数存在します。

 企業のソーシャルアカウントは多用な役割を持つため、運用する上で組織や職能をはみ出す必要があります。これは「会社とは、ある1つの明確な役割を組織立って追求すべきだ」という考えと相性が悪く、活動や意義が理解されにくい、適切な所属がなく会社での居場所を見つけにくい、という状況に陥り易いです。

まとめ

 企業アカウントの苦労は、フォロワーをどう増やすか、どうやって自社をアピールするかなど、対外的な面が多いかと思いきや、社内理解を得るのもなかなか大変な模様。あれだけネットで人気を得ていればさぞかし社内でもヒーローのような扱いなのでは……と思ったら大間違いです。人気アカウントの中の人たちも社内ではときに肩身の狭い思いをすることもあるようです。

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