なんとなくいい面も悪い面も感じながら丸4カ月愛用したApple Watchを外したのは、海外旅行に行くときだった。スマホ、デジカメ、モバイルWi-Fiルーターの充電が必須となるので、可能な限り充電が必要なデバイスは持っていきたくない。Apple Watchは毎日充電しなければならず、海外旅行では邪魔になると感じた。
もちろん、盗難などのトラブルが不安だったことも大きい。海外旅行ではいつもお金を持っていなさそうな格好を心がけおり、iPhoneすらケースを付けてちょっとごまかしているくらいだ。そんな中、Apple Watchを身につけるのはなかなか勇気がいる。
旅行中は日本にいるときほどiPhoneを使わないので、Apple Watchが必要だと感じたこともなかった。結局、帰国後にバッテリーの切れたApple Watchを見て、「もう私はこれを使わないかもしれない……」と人知れず思ったのだ。
バッテリー持ちの改善は大いに望むところだが、iPhoneユーザーが使うことを考えると、Apple WatchもLightningケーブルで充電できるようになるとうれしい。Lightningケーブルの先に変換コネクタを挿せれば、ケーブルをいくつも持ち歩く必要がなくなるはずだ。
「アクティビティ」に関しては、もう少し健康に関するアドバイスがもらえるなどの工夫が欲しいと感じた。設定された目標を達成するとバッジがもらえるが、それだけでは本来運動が好きではない筆者の場合、モチベーションを維持するのがなかなか難しかった。
一番期待したいのは、Apple Watchで使うからこそ意味のあるアプリの登場である。現状ではどうしても「iPhoneでやったほうが早いのでは?」と思えるものが多く、Apple Watchならではの必然性というのがやや薄いアプリが多いように感じる。これはユーザーの増加により改善されるだろうが、今はまだ弱いという印象だ。
「メールや電話を見逃したくない」「スケジュール管理が大変」と思っているビジネスパーソンにとっては、手元の時計だけでおおよその確認が完結するというのはかなり魅力的だろう。ただ、筆者のようにそこまで気にしない人にとっては、宝の持ち腐れになってしまう。スマートウォッチがどのようなものか気になっているiPhoneユーザーなら、一定期間楽しめるのは確かだろう。筆者の回りでも、同じようにApple Watchをやめてしまった人もいれば、変わらず使い続けている人もいる。
価格に関しても最初は「高い」と感じたが、これだけ多機能であれば妥当な価格だともいえる。ただ、それはいろいろな場面で活用している人に限った話で、運動メインで使いたい場合は、使い勝手や価格の面からも別の活動量計を買った方がいいだろう。Apple Watchは睡眠中に外して充電することを想定しているので、睡眠ログの計測もあまり期待できない。
より具体的な活用シーンが見えてくれば、さらに魅力的なデバイスとしてみんなに受け入れられるのではないだろうか。筆者自身も「これだ!」というアプリが出てきたら、Apple Watchユーザーに戻る日が来る……かもしれない。
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