デザイン、カメラ、サウンドを強化+VRにも対応――ZTEが「AXON 7」を発表日本でも発売予定

» 2016年05月27日 09時56分 公開
[佐野正弘ITmedia]

 日本でもエントリーモデルの「Blade」シリーズを中心にスマートフォンを投入しているZTE。そのZTEが現地時間の5月26日に、中国・北京にて同社のフラグシップモデル「AXON」シリーズの新機種「AXON 7」を発表した。

AXON 7 ZTEの新しいフラグシップモデル「AXON 7」。5.5型の有機ELディスプレイを採用した高性能モデルで、サイズは75(幅)×151.7(高さ)×7.9〜4.9(奥行き)ミリ。写真のカラーはゴールド

 AXON 7は、未発売のものも含め、ZTEとして7機種目のフラグシップモデルであることから、「7」という名称が付けられたとのこと。AppleのiPhoneシリーズや、Samsung ElectronicsのGalaxyシリーズよりも高い満足度を実現するべく、開発が進められたモデルだという。

 フラグシップモデルだけあって、ディスプレイに2K(1440×2560ピクセル)の解像度を持つ5.5型のAMOLED(有機EL)、チップセットにSnapdragon 820(MSM8996)を採用し、さらに4〜6GBのメインメモリを搭載するなど、高い性能を誇る。だがAXON 7の発表会において、そうした性能よりも大きな特徴として強く打ち出された要素は3つある。

AXON 7 ECサイト「京東」での評価で、iPhoneやGalaxyに匹敵する評価を得つつあることから、両シリーズを超える満足度を実現するべく、AXON 7は開発されたという

BMWデザインチームとの協業でデザインにこだわり

 1つはデザインだ。AXON 7のデザインは大手自動車メーカー、BMWのグループ会社であるデザインワークスと共同で進められており、BMWのデザインチームによるアイデアがふんだんに取り入れられているとのこと。ややマットな触感のボディーで高い質感を得られるとともに、2.5Dガラスを取り入れたり、背面や側面にラウンド感を持たせたりするなどして、高級感がありながらも手になじみやすく、使いやすさに注力したデザインとなっているのが分かる。

AXON 7 AXON 7の背面。シリーズの特徴を生かしながら、マットな触感と丸みを持たせたデザインによって、手になじみ持ちやすい印象を与えている
AXON 7 厚さは最厚部で7.9ミリだが、ラウンド感があって持ちやすい。右側面にはボリュームキーと電源キーを搭載

 そうしたデザインへのこだわりを表しているのが側面下部であるという。多くのスマートフォンは、目立ちにくい側面下部にUSBなどのコネクターだけでなく、イヤフォン端子やスピーカーなど多くのインタフェースを集中させている。だがAXON 7は、下部のインタフェースをUSB Type-Cのコネクターのみというシンプルな形にし、すっきりした印象を与えている。本体にネジを一本も使っていないことも、大きなこだわりとなっているようだ。

AXON 7 多くのスマートフォンが側面下部にインタフェースを集中させているが、AXON 7はUSB Type-Cのコネクターのみとシンプルにまとめられている
AXON 7 イヤフォン端子は本体側面上部に配置されている

ハイエンドオーディオ機器向けのチップを採用

 2つ目はカメラ機能。背面カメラは前機種「AXON elite」の特徴でもあったデュアルカメラ機構ではなく、1つに減少している。だがその分、性能は向上しており、AXON eliteのアウトカメラは1300万画素と200万画素であったのに対し、AXON 7は2000万画素となっている。

AXON 7 アウトカメラは1つのみとなったが、その分性能は向上しているようだ

 レンズもF値は1.8と明るいものを採用しているので暗い場所でも明るく撮影できるほか、位相差オートフォーカスを採用し、ピント合わせも素早くできるとのこと。また光学式と電子式、2つの手ブレ補正を採用したことにより、よりブレの少ない写真や映像を撮影できるとのことだ。

 他にも細かな設定ができるマニュアルモードなど、多くの撮影モードを備え、幅広いシーンでの撮影に対応。iPhoneのように、写真を撮影すると前後の動画が撮影できるLive Photos機能も搭載されている。

AXON 7 カメラアプリで画面下部にある「LIVE」ボタンを押してから撮影すると、前後のシーンを同時に記録できる

 そして、AXON 7の最大の特徴となるのはサウンドだ。ZTEではAXONシリーズの端末にAKM(旭化成エレクトロニクス)製のスマートフォン向けHi-Fi対応オーディオチップセット「AK4961」を搭載してきたが、AXON 7ではそのAK4961に加え、新たにハイエンドのオーディオ機器などに多く採用されている「AK4490」を搭載することで、一層の高音質を実現したとしている。

AXON 7 AXON 7最大の特徴はサウンド。AKMのHi-Fi対応チップセット「AK4961」に加え、ソニーのリニアPCMレコーダー「PCM-D100」にも採用されている「AK4490」を採用している

 またAXON 7には、Dolby Atmosに対応したデュアルスピーカーを本体前面の上下に配置。7.1チャンネルのサラウンド効果で立体感のあるサウンドが楽しめるなど、音に強いこだわりを持って設計されているのが分かる。

AXON 7 サウンドに注力していることから、標準でAXON 7のデザインに合わせた専用のイヤフォンマイクも付属する
AXON 7 発表会会場には、世界的に活躍するピアニストのラン・ラン氏(左)が登場。AXON 7の音質の高さを認めるとともに、ピアノの演奏も披露していた

 他の機能・性能を確認すると、生体認証には指紋認証センサーを採用するが、中国版は音声認証も搭載される。バッテリー容量は3250mAhで、Quick Charge 3.0もサポートする。

 ネットワークは、3G(W-CDMA、CDMA 1x/EVDO、TD-SCDMA)とLTE(FDD、TDD)に対応。W-CDMAの対応バンドは1、2、5、8、LTEの対応バンドはFDDが1、2、3、5、7、8、TDDが38、39、40、41となっている。デュアルSIMにも対応しているが、一方はmicroSDのスロットと兼用になる。

AXON 7 左側面のSIMスロットはデュアルSIMに対応。うち一方はmicroSDのスロットと兼用になる

「ZTE VR」との組み合わせで初のDaydream対応機種に

 そして今回、AXON 7の発売に合わせて発表されたのがVRの取り組みだ。現地時間の5月18日に米国で実施された「Google I/O」で、GoogleはAndroid向けのVRプラットフォーム「Daydream」を発表。ZTEはDaydream対応スマートフォンを発売する企業の1となっているが、ZTEはAXON 7が、Daydreamをサポートする最初の端末になるとしている。

 またZTEはAXON 7の発売に合わせて、VRゴーグルを開発するVRSEEN社との協業により、AXON 7向けのVRヘッドセット「ZTE VR」を提供する。Samsungの「Gear VR」のように、スマートフォンのAXON 7をZTE VRに装着することで、VRコンテンツが楽しめるようになる、このヘッドセットは、6軸のジャイロスコープを備え、遅延を18ms(ミリ秒)に抑えるなど、快適なVR体験を実現するとしている。

AXON 7 AXON 7に合わせて提供されるVRゴーグル。VRSEENとの協力によって提供されるもの
AXON 7 側面にタッチパッドやボタンなど、操作用のインタフェースが用意されている
AXON 7 実際に装着してみたところ。装着後に見やすいよう、調整することも可能だ

 AXON 7は2つのモデルが用意され、ストレージが64GB、メインメモリが4GBのスタンダードモデルの価格は3299元(約55000円)。ストレージ128GB、メインメモリ6GBに加え、フォースタッチ機能も搭載したのプレミアムモデルは4099元(約69000円)となっている。カラーはゴールドとクォーツグレーの2色で、中国と米国から販売を開始し、順次他の国へも展開されるとのこと。時期は未定ながら日本でも発売される予定だが、名称はAXON 7ではなく別の名称になるとのことだ。

取材協力:ZTEジャパン

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