スマホの容量不足にWi-Fi HDDという選択はアリ? 実際に試してみた(2/3 ページ)

» 2016年12月10日 07時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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カテゴリーまたはフォルダ単位でファイルを参照、ダウンロードも可能

 本製品のようにスマホやタブレットと組み合わせて使うストレージでは、読み書きを行うための専用アプリが一般的に用意されており、それらの使い勝手が製品の使いやすさにダイレクトに影響する。ここでは本製品向けに用意された専用アプリである「MiniStation Air2」について見ていこう。

 スマホと本製品の間でWi-Fiのコネクションが確立した状態でアプリを起動し、画面左上の三本線マークをタップすると、スマホ内蔵のストレージ領域、本製品のストレージ領域それぞれを表示できる。本製品内のデータを表示もしくは再生するためには、ここで「MiniStation Air」をタップして開き、「写真」「ミュージック」「ビデオ」といったカテゴリーから目的のファイルを探し、タップすることで表示もしくは再生が行える。

HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C 専用アプリの「MiniStation Air2」は、「写真」「ミュージック」「ビデオ」といったカテゴリーごとにファイルを表示できる(画像=左)。フォルダ単位で見たい場合はその下にある「フォルダ」から参照すればよい。「写真」を参照しているところ(画像=右)。スクエアにカットされた状態でタイル表示される
HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C もちろん写真を1枚ずつ表示することも可能だ(画像=左)。左下のアイコンをタップすればローカル(スマホ内蔵ストレージ)へのダウンロードもできる。「ミュージック」を参照しているところ(画像=右)。アーティスト、アルバム、曲、プレイリスト、ジャンルなどで切り替えて表示できる。日本語タイトルは、後述のフォルダから参照した場合は文字化けしないが、この画面ではなぜか文字化けしてしまった
HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C 音楽ファイルの再生画面(画像=左)。一般的な音楽プレーヤーアプリと変わらない機能を備える。アートワークを表示することも可能だ。フォーマットはAAC、MP3に対応する。「ビデオ」を参照しているところ(画像=右)。動画のプレビューおよび時間、ファイル名が表示される。対応しないフォーマットはプレビューが無効になる
HDW-PDU3-C ビデオの再生画面。再生と一時停止、前後送りなど、機能はシンプルだ。対応フォーマットはMOV、MP4、3GP、H.264で、WMVなどは再生できない

 ちなみにこの「写真」「ミュージック」「ビデオ」といったカテゴリーごとに表示する際は、フォルダ構造は完全に無視される。フォルダごとにファイルを表示したい場合は、メニューにある「フォルダ」を選ぶことにより、階層ごとにファイルが分類された状態で表示される。

 本体内にファイルが無秩序に放り込んであるのならまだしも、感覚的にはこのフォルダ単位でのブラウジングのほうが、使いやすいと感じる人が多いだろう。また「写真」「ミュージック」「ビデオ」以外のファイルを参照する場合は、いや応なしにこちらを使うことになる。ファイルの並び替えやフィルターも可能なので、ストレスがたまることはないだろう。

 なお、カテゴリー単位、フォルダ単位のどちらの表示でも、ファイルを削除したり、スマホ、タブレットへのダウンロードを行ったりすることができる。また「自動アップロード」を設定することで、スマホに保存されている写真ファイルを本製品にアップロードすることも可能だ。

 データの保全を考えると、本製品を写真の永続的な保管場所とするのはおすすめしないが、一時的に本製品に写真ファイルをコピーしておき、後でPCに転送してメディアに焼いたりNASやクラウドストレージに保管するまでのストック場所とするのはありだろう。

HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C 「フォルダ」からは、HDD内のファイルを階層構造で表示することもできる(画像=左)。こちらは日本語のファイル名も文字化けしない。フォルダで表示したファイルは種類ごとの絞り込みも可能だ(画像=右)
HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C ソートの順序もかなり自由度が高い(画像=左)。ファイルの削除などの操作も行える(画像=右)
HDW-PDU3-C スマホからの写真自動アップロード機能も備える

外出時に携行する動画サーバとしても実用レベルの性能

 本製品に興味を持っている人の中には、外出時に携行するための動画サーバとしての用途を考えている人もいることだろう。

 今回iPhone SEのビデオ撮影で用意されている4つの設定(720p HD/30fps、1080p HD/30fps、1080 HD/60fps、4K/30fps)で撮影した動画を本製品に保存し、iPhone SEで再生してみたが、前3つまではスムーズに再生できるものの、4Kだけはコマ落ちが激しく見られたものではなかった。Wi-Fiは2.4GHz帯、11nまでの対応ということで、さすがに4Kの再生は厳しそうだ。

 もっとも、フルHD解像度の範囲内であれば、コマ落ちもなくスムーズに再生できた。試した限りでは、ビットレートで言うとおおむね3万kbps前後でコマ落ちが発生するようなので、一般的に多用される数千kbps以下の設定でエンコードされた動画ファイル(MP4)であればおおむね問題はないことになる。

 動画のエンコード設定は人によって多種多様であり、あらゆる条件で試したわけではないが、スマホでなるべくスムーズに、かつ高画質で再生するために解像度やビットレートと格闘している人にとっては、実用レベルにある製品と言えそうだ。

 一方、USB接続時のデータ転送速度をディスク性能チェックツールの「CrystalDiskMark」で測定したところ、ポータブルHDDとしては特別速くもなく、まあ並と言っていい部類だった。

 もっとも、動画ファイルをPCから大量に転送するような場合でも、極端に遅さを感じることはなく、むしろ体感的にはもっと速く感じられるほどだ。過剰なスピードを求めるのは酷だが、こちらも実用レベルにあるという解釈でよいだろう。

HDW-PDU3-C CrystalDiskMarkでの測定結果

 なお、今回は試していないが、本製品はWi-Fi接続時に最大8台のデバイスから同時接続できる。「USB以外にWi-Fiでも接続できる」と言うと、単に有線が無線に置き換わっただけのように聞こえるが、実際にはNASに近い使い方ができるわけだ。こうした機能の存在を知っておけば、本製品に置いたファイルを複数のクライアントからダウンロードしてもらう用途など、重宝するシーンもありそうだ。

HDW-PDU3-CHDW-PDU3-C 本製品の設定画面(画像=左)。写真およびビデオの再生まわりの設定が行える。バッテリーの消費を抑えるための電源管理も設定できる(画像=右)
HDW-PDU3-C 本文では触れていないが、PCからWi-Fiで接続することも可能だ。この場合はブラウザで本製品のIPアドレスを入力することで、スマホと同じ画面が表示される

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