ITmedia Mobile編集部で発掘された、思い出のケータイを振り返る連載。今回紹介するのは、ウィルコム(現・ソフトバンク)のケーイーエス(現・オーパス)製PHS「9(nine)」(WS009KE)です。
9(nine)は、PHSモジュール「W-SIM」を挿入することでPHS音声端末として使える製品です。シンプルでコンパクトなストレート型ボディーを持ち、当時のケーイーエスが初めてコンシューマー向けに開発した製品でもあります。
当時、同じようなコンセプトの端末としてネットインデックス(現・ネクス)製の「nico.」がありましたが、こちらがポップなデザインで若者向けのイメージが強い製品だったのに対し、9(nine)は落ち着いたデザインで、発売当初はホワイトとブラックの2色のラインアップだったこともありビジネスシーンにも溶け込む、より大人向けの製品となっていました。
端末機能は通話とメール、Webブラウズに絞り込まれていて、カメラなど他の機能は搭載していません。「W-ZERO3」シリーズのユーザーなどの2台目需要に応えつつ、PC向けサイトの閲覧もできるブラウザ「NetFront」を採用することで、メイン端末としても利用できる必要最低限の機能を備えていました。
また、最大204kbpsのデータ通信ができる高度化通信規格「W-OAM」に対応したW-SIM、通称「赤耳」が標準セットに同梱されているため、ブラウジングなどが快適に行えました。ちなみに、本体のみの販売もあり、高速にこだわらないのであれば手持ちのW-SIMを利用することもできました。
なお、およそ1年後に発売された「9(nine)+」も型番は同じ「WS009KE」。デザインやサイズは同じで、赤外線通信機能や内蔵メモリが追加されたマイナーチェンジモデルでした。
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