―― デバイスの形も、今のスマートフォンより多様化しそうな印象があります。
吉澤氏 産業向けであれば、スマートフォンというより、カメラなどに5Gが入るような形になると思います。必ずしも、スマートフォンのような形である必要はなく、ジオスタのように、みなさんで見るような(ディスプレイ)設備も出てくると思います。
―― 料金についてはいかがですか。
吉澤氏 データ量ごとのパックというのは今の延長線上であるかもしれませんが、まだ決めていません。1つあると思っているのが、サービスと組み合わせた方法で、5Gでサービスを受けることを前提に料金をいただくというやり方はあると思っています。
例えば、先ほど挙げたジオスタであれば、スポーツバーに入る入場料に5Gの料金が組み込まれていて、そこからわれわれにある程度シェアしていただくというようなことが考えられます。逆に監視カメラのように、常に5Gで接続してデータを送るとういような場合だと、従来型になるかもしれません。一部では料金も比例して高くなるという方もいますが、ビットあたりのコストは10分の1ぐらいになるので、今までとほぼ同じ料金でいけると思っています。
―― 現状、4GであるLTEもスペックを徐々に上げていますが、こちらはいかがですか。
吉澤氏 ネットワーク側は、今の4Gを5Gに拡張できるようにしています。それと並行して、5G(のネットワーク)を新たに作ることもやっていきます。両方で拡大しながら、最終的には5Gだけという形になるのではないでしょうか。ただし、最初はエリアも広くないので、端末は5GとLTEの両方をサポートします。3Gをどうするかは今から検討しますが、できればどこかでなくしていきたいですね。
―― とはいえ、ローミングの受け入れがあるので、すぐにはやめられないと思います。
吉澤氏 すぐには無理ですね。われわれにはモジュールもあり、何十万、何百万を変えていかなければなりません。2020年が来たからといって、すぐに(3Gをやめる)とはいきません。ただ、2030年まで行くつもりはありません。2GのPDCも、結局2012年に停波していて、あれも終わったのはLTEが始まってからです。
―― もう少し直近のお話ですが、RCSを3社で導入するという報道がありました。そちらについては、いかがでしょうか。
吉澤氏 少なくとも、RCSの検討はドコモとしても進めています。これがあると、今までにないこと、例えば(画像などのデータの)共有ができます。電話番号がベースになっていて、セキュリティの確保もできます。具体的にはまだこれからですが、メッセージのやりとりだけでなく、画像共有や情報共有など、RCSならではのものは検討しています。
―― RCSのアプリを決済に使うというようなこともできそうでしょうか。
吉澤氏 やると決まったことはありませんが、将来的に、そういうものもあればいいなと思っています。
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