思い出のケータイを振り返る連載。今回紹介するのは、NTTドコモの富士通(現・富士通コネクテッドテクノロジーズ)製ケータイ「mova F211i」です。
2001年に発売されたF211iは、mova 211iシリーズ唯一のストレート端末で、ドコモのストレート端末では初めてTFT液晶を採用しました。
211iシリーズが出る前のドコモの携帯電話サービスは、全国対応の「800MHz帯」と、東名阪エリア限定の「1.5GHz帯」の2つに大別され、それぞれの対応端末やプランが別個に用意されていました。1.5GHz帯のサービスは関東・東海地区では「シティフォン」、関西地区では「シティオ」という愛称が付いていたので、覚えている人も少なくないと思います。
しかし当時、1.5GHz帯サービスはエリアが狭く契約者数が伸び悩んでいた反面、800MHz帯サービスでは加入者の増加で特に東名阪エリアで帯域が逼迫(ひっぱく)し、「データ通信がつながりにくい」という問題が発生していました。
そこで、211iシリーズ(と504iシリーズ)では両方を自動的に切り替える「デュアルモード」に対応しました。プラン上の端末種別は「800MHz帯」ですが、この帯域が逼迫すると自動的に1.5GHz帯での通信に切り替わります。もちろん、追加料金は不要です。
デュアルモードの開始に合わせて、ドコモは音声品質向上技術「ハイパートーク」を1.5GHz帯でも利用できるようにしました。
そんな211iシリーズの初号機が、F211iだったのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.