「AQUOS zero」レビュー 軽さや有機ELの画質に満足、エンタメ利用に最適だ(1/2 ページ)

» 2019年01月29日 12時25分 公開
[島徹ITmedia]

 軽量かつ大画面ハイエンドという、理想的な設計のシャープ製Androidスマートフォン「AQUOS zero」が、この冬ソフトバンクから発売された。初のシャープ自社製造による有機EL(OLED)ディスプレイや146gという軽さが特徴だ。そんなAQUOS zeroの実力と使い勝手を見ていこう。

AQUOS zeroAQUOS zero シャープ製「AQUOS zero」(写真=左)。背面にはアラミド繊維パネルを採用。強靱(きょうじん)さと軽量さ、質感の高さを両立している(写真=右)

【訂正:2019年1月29日16時40分 初出時に、AQUOS zeroの重量を142gとしていましたが、正しくは146gです。おわびして訂正致します】

大画面6.2型ながらも、146gという軽さを実現

 AQUOS zeroを手に取ってまず驚くのが、大きな6.2型ディスプレイや3130mAhバッテリーを搭載したモデルとは思えないほどの圧倒的な軽さだ。重量は約146g。現在販売されているスマホの中で、ジャケットの内ポケットに入れても軽さ・薄さともに違和感はない。

AQUOS zero 6.2型大画面と、軽量146gを両立。薄さ8.8mmで、左右にかけてより薄くなっている

 例えば他社の6型以上のハイエンドスマホは、「iPhone XS Max」の208gや「Xperia XZ3」の193gなど大半が200g前後と重い。小型の「Xperia XZ2 Compact」も168gと見た目の割に重い。これら一般的な製品とAQUOS zeroを持ち比べると、AQUOS zeroは「模型では?」と勘違いするほど軽量だ。「最新ハイエンド機の購入を考えているが、重さが気になる」という人はぜひ一度AQUOS zeroを手に取ってみてほしい。

 厚さはスペック値で8.8mmだが、全体が左右の側面にかけて薄くなる曲面形状となっており、最薄部は約5mmとかなり薄い。内ポケットに入れても目立たないのはもちろん、保護ケースに入れてもかさばりにくい。

AQUOS zero 背面から見ると、本体全体が左右にかけて薄くなっているのがよく分かる。背面のアラミド繊維のしっとりとした質感と側面のマグネシウム合金フレームにより、ビジネスシーンにもぴったりのデザインとなっている
AQUOS zero 全面ディスプレイとマグネシウム合金フレーム、アラミド繊維のパネルで挟んだ構造となっている。右側面に電源とボリュームキーを搭載
AQUOS zero 底面にはスピーカーとUSB Type-C端子を搭載。スピーカーは前面と合わせてステレオ再生に対応している

シャープ初、自社製の有機ELの実力は?

 AQUOS zeroは、シャープ自社製の有機ELディスプレイを初めて搭載した。6.2型のWQHD+(1440×2992ピクセル)で、ノッチがあり全体がなだらかな曲面を帯びた形状となっている。他社にも左右の端だけ曲げた有機EL搭載モデルはあるが、画面全体を曲げているのは珍しい。数少ない、自社で有機ELパネルを設計・製造できるメーカーだからこその工夫といえる。ピクセル配置は他社の有機ELと同様のペンタイル方式となっている。

AQUOS zero AQUOS zeroは、シャープ自社製の有機ELディスプレイを搭載。液晶と比べ薄く軽量かつ、より広い色域が魅力。HDRムービーの再生にも向いている

 実際の画質は、ディスプレイ自体の色域が広くコントラストも高い。YouTubeでHDR対応ムービーを再生すれば、明暗差の表現や特にグリーンからブルー、パープルからピンクあたりの色の鮮やかさの表現力は液晶よりも明らかに高い。本体スピーカーもステレオ対応かつスマホとしては音も良いので、自室やホテルなどで動画を見るのに向いている。

AQUOS zero 「AQUOS R compact」や「AQUOS R2 compact」など同じシャープ製スマホと比べるとノッチがやや大きい

 普段の操作時の画質は、標準設定だとRGBの原色の鮮やかさをやや強調した、映像や写真の見栄のいいものになっている。画質設定は標準の「オススメ」「標準」「ダイナミック」「ナチュラル」から選べる。筆者の場合はブラウザやSNSアプリで長文を読むことが多いので、色の強調を抑えたナチュラルでの利用が楽に感じられた。

 基本的な使い勝手についても触れておこう。大画面かつ軽量なので、片手で持ったままブラウザやSNSをスクロールして読みやすい。ただ、文字入力は両手の操作するのが無難だ。というのも、画面が曲面かつタッチ感度がかなりいいので、片手持ちで本体を握りつつフリック入力しようとすると、手のひらが画面に押しつけられ誤反応してしまうからだ。

AQUOS zero 軽量薄型なので、片手での操作も楽だ。SNSやブラウザ、電子書籍も片手で楽にスクロールして楽しめる。ただ、画面が大きいので片手親指での文字入力はやや難しい

 ソフトウェアキーボードを右側か左側に寄せる設定もあるが、それでも重量バランスの面から、片手持ち親指入力はやや難しい。このあたりは大画面なので仕方のないところ。どうしても親指入力したいなら、別途保護ケースに背面リングを付けるなどの工夫が必要だろう。

ゲームも快適、ハイエンドプロセッサのSnapdragon 845を搭載

 AQUOS zeroは、ハイエンドプロセッサのSnapdragn 845と6GBのメインメモリを搭載。高性能+軽量という組み合わせにより、ゲームを長時間遊び続けても疲れにくい。「PUBG MOBILE」といった最近流行のサバイバルゲームは、1プレイの時間が長いうえに大画面の方が有利なのでAQUOS zeroで遊ぶのに向いている。

 シャープ自体もAQUOS zeroのプロモーションにバンダイナムコエンターテインメントの「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)」を活用するなど、ゲーマー向けにもアピールしている。Snapdragon 845搭載という時点で性能にかなり余裕があり、ミリシタの高画質な3Dグラフィック表示も快適にプレイできた。

AQUOS zero 「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」も3D高画質設定で快適に楽しめた

 発熱については、スマホを持っている手に伝わりにくいよう設計されている。側面のマグネシウム合金フレームで放熱するのだが、本体側面のマグネシウムフレーム部分だけややへこんでおり、スマホを持つ指に当たりにくくなっている。これにより、熱を外に排出しつつも快適なプレイ環境を実現している。

AQUOS zero 側面のマグネシウムフレーム部は、全面ディスプレイ部と背面のアラミド繊維パネルと比べてややへこんでおり、指に触れにくい。これにより、放熱と操作の快適を両立している

 ベンチマーク結果は、Snapdragon 845搭載モデルとしては平均的なものだ。以下にAntutuとGeekbenchの結果を掲載する。

AQUOS zeroAQUOS zero AntutuBenchmarkのテスト結果(写真=左)。Geekbenchのテスト結果(写真=右)
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