続いて、家族3人が同じデータ容量を利用する場合を想定した。ここで重要なのが、新プランでは、パケットを分け合える「シェアパック」が使えないこと。これが、料金の差額にどんな影響を及ぼすのだろうか。3人分の合計金額と、1人あたりの金額も出した。
現行プランは「ウルトラシェアパック100」を選択。使えるデータ容量は100GBなので、厳密には1人あたり33GB強使える。新プランは30GBのギガホ一択だ。
ウルトラシェアパック100だと、ずっとドコモ割プラス(プラチナ)として毎月2500円が割り引かれるが、ギガホは、みんなドコモ割が1000円×3人分適用されるので、ずっとドコモ割プラスを上回る3000円の割引を受けられる。さらに、シンプルプランの基本料金やspモード料金、シェアオプションの料金は現行プランにしか適用されない。1人あたりの料金はギガホが月額5980円で、ウルトラシェアパック100の9113円より3133円(約34%)安い。
特筆すべきは、ウルトラシェアパック100にiPhone XR(64GB)の月々サポートやdocomo withの割引を加えた場合でも、ギガホの方が安くなること。現在適用されている月々サポートの額にもよるが、多くのケースで新プランの方が得になるのではないか。
家族全員がヘビーユーザーなら、月々サポートが残っていても、すぐギガホに移るのが得策といえる。
一方、毎月のデータ容量が1人あたり5GB未満の場合、新プランが安くなる差額は少なくなり、(機種にもよるが)月々サポートやdocomo withの方がお得になる。
1人あたり5GB未満が該当するベーシックシェアパック(〜15GB÷3)とギガライト(〜5GB×3)の差額は1233円で約24%の値下げ。
1人あたり3GBほどが該当するベーシックシェアパック(〜10GB÷3)とギガライト(〜3GB×3)の差額は1300円で約30%の値下げ。
1人あたり1GB未満〜2GBほどが該当するベーシックシェアパック(〜5GB÷3)とギガライト(〜1GB×3)の差額は1500円で約43%の値下げ(※差額はいずれも1人あたり)。
確かに値下げ幅だけを見ると、ドコモの公約通り2〜4割を実現しているが、金額にすると1000円台前半〜1500円なので、月々サポートやdocomo withの方がお得になるケースが大半だ。
ここまでは、家族のデータ容量が均等という前提で比較してきたが、むしろデータ容量はバラバラの方が多いだろう。例えば父親が20GBを、母親と子どもが5GBずつ使うケース。現行プランだと、「ウルトラシェアパック30」がぴったりと当てはまる。
一方、新プランだと、(この例では)父親がギガホ、母親と子どもがギガライトを選ぶ形になるが、1人あたり1066円しか安くならない。ギガホの30GBを3人でシェアできず、ギガライトの通信料が加わってしまうためだ。しかも父親が20GBしか使わない場合、ギガホだと10GBが無駄になってしまう。
シェアパックのメリットは、家族のデータ容量にムラがあっても、うまく吸収できることにあった。しかも合計のデータ容量はベーシックシェアパックが〜5GB、〜10GB、〜15GB、〜30GB、ウルトラシェアパックが30GB、50GB、100GBと細かく分かれており、さまざまなパターンに対応できた。方々から指摘のあった「分かりにくい」面もあるが、新プランでは家族で柔軟なデータ運用がしにくくなることは否めない。
家族3人ともライトユーザーで、データ容量にムラがある――例えば、父親が3GB、母親と子どもが1GBずつ使うケース。現行プランだと、ベーシックシェアパックで最も安い5GBまでの月額6500円で済む。新プランだとギガライトで父親が3GBまで、母親と子どもが2GBまで使えば、使うデータの総量は変わらない。しかしギガライトの差額は1167円(34%値下げ)にしかならず、docomo withの1500円を上回らない。
3人ともdocomo withを契約しており、5GBまでのベーシックシェアパックなら、1人あたり月額1980円で済むが、これはドコモが「iPhone 6s」と「iPhone 7」をdocomo with対象にした際のプレスリリースでも試算していた。家族全員が30GBほどのヘビーユーザーではない場合、ドコモのiPhone 7はdocomo withで購入するのが得策だ。
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