矢継ぎ早にサービスを改定する「UQ mobile」の狙い auやpovoとのすみ分けは?(3/3 ページ)

» 2021年10月12日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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プランSが最多だが、中容量Mのユーザーも増えている

―― 現状、料金プランはS、M、Lの3つから選択できますが、低中容量と言ったときに、どこのボリュームが大きいのでしょうか。

門脇氏 一番多いのがどれかというと、やはり3GBの「S」ですね。ただし、「S」に極端に偏っているわけではなく、「M」も次のボリュームゾーンといえる規模感になっています。ある程度使われる方もご契約いただいているということだと思います。

―― 5Gが始まりましたが、5Gだとデータ通信量が増えるので、よりデータ容量の大きなプランを契約するというような傾向はありますか。

門脇氏 5G端末をお求めの方が、コンテンツサービスをより使うということは起こっています。それによって、通信料金が上がることもありますが、UQ mobileのユーザーの使い方がそこまで急激に変わることはないと見ています。もちろん、そういった方もいるので、5Gで楽しんでいただき、安心して料金をお選びいただけるよう、選択肢は用意しています。

―― eSIMのサービスも開始しましたが、利用状況はいかがでしょうか。

門脇氏 ワーッとユーザーが殺到しているわけではありませんが、確実にeSIMで入れてくる方はいます。徐々に増えていくと見ていますが、eSIMにすることの利便性を感じられる方が、相対的にはまだ多くない状況です。

―― MVNO時代はauとは別の端末を用意していましたが、今後、ラインアップは統合されていくのでしょうか。auオンリーはありますが、UQオンリーのような端末も出てくるのでしょうか。

門脇氏 共通化されている部分があり、iPhoneはまさにそうです。ボリュームゾーンのお客さまにここまでシンプルなプランを提案しているUQ mobileがiPhoneを提供しないとなると、説得力がなくなってしまいますからね。お客さまのニーズをベースに考えていくというのが答えになります。UQ mobileのお客さまのニーズに合うものあれば、auと同じでもauと違っていてもご提案していくスタンスです。ただし、回線とひも付ける意味が(端末の単体販売やSIMロック解除の義務化で)あまりなくなってきているのも事実なので、方向性としてはそういうこと(共通化)になっています。

取材を終えて:KDDIに統合されたことでリソースを有効活用

 UQ mobileが矢継ぎ早に新料金プランや新サービスを打ち出せているのは、KDDIに統合された結果として、リソースを有効活用できていることが大きな要因だ。3つの料金プランから選ぶだけというシンプルさや料金の安さはそのままに、サービスや販路、サポート体制を拡充している。勢いで見れば、今やKDDIにとっての主力ブランドといえる。

 他社に後れを取ってしまったが、5Gに対応したことでARPU拡大の道筋も見えてきたように見える。一方で規模感という意味では、競合のY!mobileにまだ及んでいない。追い上げのペースを上げていく施策をいかに投入していけるかが、今後の行方を左右しそうだ。

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