IXY DIGITALも500万画素に――キヤノン IXY DIGITAL 500(3/4 ページ)

» 2004年03月30日 09時00分 公開
[石井英男,ITmedia]

 IXY DIGITAL 500では、「AiAF」と呼ばれる高精度なAF機構を搭載していることも特徴だ。通常のAFでは、フォーカスエリアが中央部に固定されているのに対し、AiAFでは9点のフォーカスエリアの中から、被写体に合わせてフォーカスエリアを自動的に選択する。そのため、フォーカスが被写体以外のものに合ってしまうというミスを低減できる。

 また、カメラのポジション(縦位置/横位置)を判断するSIセンサーを搭載しているので、太陽や空などの光の影響を最小限にとどめた高精度な露出やホワイトバランスの制御が行える。縦位置で撮影した画像は、再生時に回転させて縦に表示してくれるのも便利だ。

 キヤノンが誇る映像エンジン「DIGIC」を搭載しており、鮮やかな色彩を実現できる。カメラダイレクトプリント機能も装備しており、キヤノン独自の仕様である「CPダイレクト」と「Bubble Jetダイレクト」に加えて、業界標準規格の「PictBridge」にも対応する。

 なお、再生時や撮影後のレックビュー時にヒストグラムを表示することは可能だが、撮影中のリアルタイムヒストグラム表示は行えない。

動作は軽快で、操作性も良好

 連写機能は、通常連続撮影と高速連続撮影の2種類が用意されている。通常連続撮影では、液晶ディスプレイで画像を確認しながら連写が可能だが、連写速度は約1.5枚/秒となる(ラージ/ファイン時)。高速連続撮影では、液晶ディスプレイで画像を確認することはできないが、約2.2枚/秒(ラージ/ファイン時)という、より高速な連写が可能だ。

 前述したように、絞り優先AEやシャッタースピード優先AEなどの機能は用意されておらず、撮影時や再生時にシャッタースピードや絞りを表示することもできない(シャッタースピードが低下した場合は手ぶれ警告が表示される)。ただし、マニュアル撮影時は、「長秒時撮影」と呼ばれる機能が利用でき、シャッタースピードを1〜15秒の範囲で指定することが可能だ。

 ISO感度は、AUTO/50/100/200/400が選択できる。マニュアル撮影時に指定できる色効果のメニューには、効果切/くっきりカラー/すっきりカラー/ソフト/セピア/白黒が用意されている。ホワイトバランスは、オート/太陽光/くもり/電球/蛍光灯/蛍光灯H/マニュアルが選択できる。

 動画撮影機能も装備しており、640×480/320×240/160×120ピクセルの音声付き動画(Motion JPEG形式)が撮影可能だ。フレームレートは、640×480ピクセル時が10フレーム/秒、320×240ピクセルと160×120ピクセル時が15フレーム/秒だ。ただし、640×480ピクセル時は最長約30秒までしか連続撮影できないという制限がある(320×240ピクセルと160×120ピクセル時は最長約3分)。

 撮影した静止画に音声メモを追加することも可能だ。また、「スティッチアシスト」と呼ばれる、パノラマ撮影支援モードも用意されている。

パノラマ撮影を支援するスティッチアシストモードも用意されている

 電源を入れてから撮影が可能になるまでの起動時間は実測で2秒強であり、速度は十分だ。撮影間隔も1秒前後で、快適に撮影が行える。撮影に関する設定は、「FUNC.」ボタンでメニューを呼び出すようになっており、操作性も良好である。

 このクラスのコンパクトデジカメで500万という画素数が必要かどうかは意見の分かれるところだろうが、初心者は被写体への寄りが甘く、周囲に余計な物を入れて撮影しがちである。そうした場合、画素数に余裕があれば、写真の一部をトリミングしても十分な画素数を確保できる。また、500万画素に高画素化されてはいるが、撮影レスポンスは高速で、使い勝手も優秀である。

 ハガキサイズやL判程度でプリントするのなら、ややオーバースペックかもしれないが、A4クラスに伸ばして印刷するのなら、300万画素クラスのデジカメよりも精細感のある出力結果が得られる。デザインも洗練されており、モノとしての魅力も高い。

 これまで200〜300万画素クラスのコンパクトデジカメを使っていて、もう少し画素数がほしいという人の買い替え対象としてもおすすめできる。

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