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» 2004年05月25日 17時45分 UPDATE

レポートHD編集ならApple & Panasonicで NAB 2004報告セミナーレポート (1/2)

アップルと松下電器産業は、5月24日、NAB 2004で両社が発表した「IEEE1394 ober DVCPRO HD」の説明会を開催した。アップルが発表した新作ソフトウェアやFinal Cut Proの新バージョンなど、HD編集の世界を変えるソリューションの紹介となった。

[大出裕之,ITmedia]

HD編集にネイティブ対応したFinal Cut Pro HD

 Final Cut Proは、タイムラインなどの横方向の編集だけでなく、エフェクトなど縦方向の編集に強いということで評価されている。さらに編集ソフトであるFinal Cut Proに加え、フィルム編集に対応するCinema Tools、音楽制作を行えるSoundtrack、モーショングラフィックスでタイプ制作が行えるLiveType、MPEG-2、MPEG-4に特化したエンコーダーCompressorがパッケージに同梱されるのが強み。

 アップルコンピュータ・ソリューションエキスパーツの吉崎氏はNAB 2004のトレンドについて「HD。なおかつ、HDをさらにカジュアルにしていくというのが業界の流れ。BSデジタルに続き、地上デジタルも始まった。今までのようにハイビジョンだからということで特別な制作費をかけ、番組制作を行うという時代から、どんどんHDでやってしまう時代になりつつある」と述べ、Final Cut ProからFinal Cut Pro HDへの製品名変更の理由もそこにあるとした。

 Final Cut Pro HDの最大の特徴は、松下電器産業が放送規格のHDフォーマットとして提唱しているDVCPRO HDへのネイティブ対応した点だ。

 松下のDVCPRO HDに対応させた理由について、HDデータのハンドリングのよさを挙げた。ビデオCDやオフラインRTで240×320ピクセル、インターレースの地上波テレビやDVフォーマットで480×720ピクセルなのに対し、プログレッシブのハイビジョン用のHDでは720Pで720×1280ピクセル、1080iだと1080×1920ピクセルになる。これを秒30コマで扱うため、転送レートやデータ量は膨大なものとなる。

 DVCPRO HDは、DVカメラが圧縮して撮影したネイティブHDをそのまま扱え、1080i、720p、24/30/60フレームに幅広く対応。圧縮したHDであるため内部転送処理は5.8MBpsから14MBpsと、パーソナルコンピュータでもハンドリングがカジュアルなHDフォーマットというのが理由の一つ。

 ちなみに非圧縮編集の場合、これをHDのフル解像度に開いて、非圧縮に解凍してHD-SDIで取り出す場合、最大160MBpsの帯域を必要とし、さらに“非圧縮”させるために元の解像度より開いて取り出すため、大きくして長方形のピクセルに変換し、最終的に再圧縮する。つまりフィニッシュ画像は第2世代ということになってしまう。だが、カメラで記録したネイティブHDをそのまま持ってくる場合、もともと圧縮されているので少ないデータレートで済み、画質の面でも世代が下らないため、有利だとしている。

ho_av_comp.jpg 上が非圧縮HD編集。再圧縮をかける必要が発生する。下がFinal Cut Pro HDで実現するネイティブHD編集
ho_av_hdc.jpg 非圧縮HD編集とネイティブHD編集に必要な転送レート

 Final Cut Pro HDをインストールすると、QuickTimeのコンポーネントとしてDVCPRO HDがインストールされる。つまりQuickTimeを扱えるアプリケーションであれば、HDを扱えることになる。QuickTimeプレーヤーであっても、HDを開けることになる。

 編集機能としては以前のバージョンでRT Extremeを採用し、数多くのエフェクト、フィルタ、トランジションを合成したビデオストリームのリアルタイムで実行し、リアルタイムで合成してレンダリングいらずでプレビューできるようになっていた。これは特にPower Mac G5で威力を発揮する。Power Mac G5の場合、最大4ストリームをそのままマスターとして録画できる画質でPinP合成などを行える。これが今回DVCPRO HDでも完全対応。

ho_av_3se.jpg Final Cut Pro HDで4ストリームを同時に動かしている様子。3つのPinPにはすべて透明度が設定されている。デモではRAIDではなく通常の内蔵Serial ATAで行われた
ho_av_text.jpg LiveTypeの例。アルファチャンネルの種類も選択できる

システムとしてもより廉価に

 そしてもう一つの特徴は、FireWireでHDを通すという技術開発に成功した点。FireWire 400で映像、音声、デッキのコントロール信号のすべてをやりとりできる。今までのDV編集と同様のカジュアルさで、HD編集を行うことができるわけだ。

 松下電器産業のAJ-HD1200Aは、小さくて軽量のHDデッキ。オプションのボードを加えることにより、FireWireを経由したHDの転送ができるようになる。

 AJ-HD1200AはDC電源でも稼動するため、収録の現場で、ポータブルコンピュータでHDの編集ができ、しかもオンラインで、フィニッシングまで持っていくことができる。

 ノートブックPCは内蔵HDが遅いといった弱点があるが、PowerBook(15インチ及び17インチ)であればFireWire 400と800を両方装備しているので、FireWire 800に外部HDDをつないだまま、AJ-HD1200Aと接続させることが可能だ。

 また、編集中にサブモニタでフルスクリーンを表示できるようになった。別ボードを挿すことなく、SD画像やHD画像をそのまま、Apple Cinema Displayで表示できる。PowerBookでも可能。特別にチューニングされた専用のモニターでなく、通常のコンピュータ用ディスプレイでフルスクリーン表示が可能となった。編集作業やクライアントチェックなどで、常時フルスクリーン表示をしながら作業が行える。

 100時間のHD映像を作る場合、Power Mac G5、Apple Cinema Display、そしてAJ-HD1200Aに 総額500万くらいになるという。これで松下電器産業のVARICAMをそろえれば、映画まで製作できてしまうことになるわけだ。

FireWire対応が賞賛を浴びたAJ-HD1200A

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