環境意識の高まりや中古PC市場の拡大を受け、PCの再生事業にも乗り出している。群馬事業所では、NEC製PCを買い取り、HDDデータを消去するなどのメンテナンスを施して出荷する「リフレッシュPC」事業も担当している。
現在の再生台数は1カ月で1000−2000台。4月に累計で売上5000台を突破した。通常のPC販売に比べて利幅は少ないが、採算は「赤字ではない」という。
7月14日からは、企業ユーザーを対象にPCの買い取りを始めた。片山徹社長は「リフレッシュPCは通常のPCと食い合わない製品。例えば企業が使っているPCを早い段階で下取りに出すようになり、新しいPCを買うこともあるのでは」と話している。
群馬事業所には、ユーザーからの電話問い合わせに対応する仕事もある。
事業所内の「121コンタクトセンター」には、オペレーターの空き状況を表示するボードが置かれている。ここで全体の状況を確認し、問い合わせが多いときには作業を急ぎ、応対漏れを防ぐという仕組みだ。現在のサポート電話接続率は約70%。他社は約50−60%だという(関連記事参照)。
商品・サポートの10項目で顧客満足度を調べたデータ(同社委託調査)によると、2003年3月に調査対象4社中最下位だったNECは、同年12月には首位に立った。内訳を見ると、群馬事業所が注力してきた電話サポート、修理といった項目で、トップを取ったという。
同社はこの日、ネットワーク経由でPC画面を共有し、リモートからPC操作を支援する「リモートサポート」サービスを21日から開始すると発表。共有したPC画面上にサポート担当者が書き込みを加える機能や、チャット機能を備える。「電話応対だとユーザーの現状や、操作後の状況を把握しにくかった。また、どこを操作すればいいか、画面に書き込んで具体的に図示できるようになった」(NEC担当者)
転身から約2年。ゼロから再始動した群馬事業所は、ユーザーサポートから修理、問題個所の報告まで、NECのPC事業を縁の下から支える大きな存在になっているようだ。
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