「かのぷーの最新キャプチャーカード」でデジタル放送録画に挑戦今年の夏は「PCで全部録る!」ことにした──第4話(2/2 ページ)

» 2004年08月10日 08時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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コンポーネント入力の実力は?

 実際に、シャープ製BSデジタルチューナー「TU-HD1」を接続し、コピーワンスコンテンツの録画を試してみた。接続は、TU-HD1のコンポーネント出力をオーディオテクニカのコンポーネントケーブル「AT5V38」で、MTVX2004HFの外部入力1に接続。TU-HD1のSビデオ出力は、ごく普通のSビデオケーブルでMTVX2004HFの外部入力2に接続した。

 BS朝日の高校野球ハイビジョン放送を高画質録画してみたところ、コンポーネントとSビデオ入力の差はごくわずか、というかほとんど分からないほどだ。録画された映像を一時停止して比較すれば、コンポーネント入力の発色がわずかに鮮明であるような気がするものの、人によっては「気のせい」と片付けられてしまうような差でしかなかった。画質の面でのアドバンテージを求めてコンポーネント入力に期待すると、肩透かしをくらうユーザーもいるだろう。

 ただし、内蔵チューナーの地上波アナログ放送と比べると、その画質の良さは歴然。これは内蔵チューナーのせいではなく、放送されている映像のクオリティが違うためだ。たとえ、ハイビジョン放送が720×480ドットインターレス映像にダウンコンバートされてしまったとしても、元映像の良さは確実に反映されるのである。やはり高画質録画を望むなら、デジタル放送のキャプチャーはお勧めである。

実験で使ったBSデジタルチューナー「TU-HD1」
左がS入力で右がコンポーネント入力。こういった映像ではほとんど変化は見られない。全体としては、コンポーネント入力のほうが、色彩のコントラストが高いように感じられる

どこまで使えるコピーワンスファイル

 さて、気になるコピーワンスコンテンツのファイルの扱い。コンポーネント入力でもSビデオ入力でも、BSデジタルチューナーからの録画は、拡張子がm2dのコピーワンスファイルとなる。

 このファイルは、独自の暗号化が行われているようで、Windows Media Playerや動画編集ソフトなどで読み込むことはできない。DVDオーサリングソフトでも読み込めないため、DVD Videoにすることもできない。

 ただし、キャプチャーに使ったMTVX2004HFが組み込まれているPCならば、m2dファイルをDVDに記録することが可能。同じく、記録したDVDは同じTVX2004HFが装着してあるPCで再生可能である。キャプチャーに使ったPCで閉じた世界ならば、HDDに溜まってしまったファイルを、DVD-RやDVD-RAMに待避できるなど、通常のPCキャプチャーとさほど違わない使い勝手でコピーワンスファイルを扱える。

 とはいうものの、これまでの一般的なMPEGファイルと比較すると利用範囲は限定されており、ユーザーが面倒に感じるのは確かである。しかしながら、コピーワンスコンテンツの録画に正式に対応した製品はいまのところMTVX2004HFしかないのも事実。

 さらに、これから競合他社がコピーワンスに対応する場合でも、ほぼ同じような扱いとなることが予想される。制約があって面倒に思えるかもしれないが、現時点でデジタル放送を高画質で保存するためには、残念ながらこの制約をユーザーも受け入れるしかない。

 カノープスでは、m2dファイルをより扱いやすくするための方策を現在いろいろと検討中らしい。専用の編集ソフトなどをリリースする可能性もあるようだ。DVDオーサリングも含めて、ぜひ前向きに検討してくれることを望みたい。

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