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» 2004年09月06日 11時55分 UPDATE

400枚撮り+便利なビジネスショットが付いた軽薄短小デジカメ――EXILIM EX-Z55 (1/4)

EXILIM ZOOMの新バージョン「EX-Z55」は、CIPA準拠のテスト方法で400枚撮影可能という、ロングラン撮影が可能なデジカメだ。名刺やホワイトボードを正面から撮ったように加工できるビジネスショット機能も加わり、普通に使っても凝った使い方をしても楽しめる定番デジカメとなった。

[荻窪圭,ITmedia]

 「EXILIM EX-Z40」が売れたおかげで、国内シェア3位にまで上がった(そうである)カシオ。

 その前の大ヒットデジカメ「EXILIM EX-Z3/Z4」がモデルチェンジしたものが2004年初めに出てきた「EX-Z30/Z40」なのだが、モデルチェンジの内容が非常によかった。単に前年度モデルのマイナーバージョンアップではなく、きちんとコンセプトを持った進化を遂げていたからだ。それがバッテリーだった。

 技術の進歩で回路を非常に小さくでき、小型化を図れたとなったら、今までカード型を標榜してきたカシオなら、そのままボディを薄く小さくしてより小さなズームデジカメを目指してもよさそうだったのに、内部を小さくできた分、バッテリーをデカくしたのである。おかげで、小さくはならなかったものの競合機種に比べてバッテリーの持ちは倍以上。

 さらに追い風は吹いた。2003年末にCIPA(カメラ映像機器工業会)がデジカメの電池寿命測定方法を規格化したため、今まで各社まちまちだったバッテリー寿命の測り方が統一され、同じ土俵で比較できるようになったのだ。特に2004年夏モデルからはどこも新製品のバッテリー駆動時間をCIPA基準でも公開しているため、どの機種が長時間使えるかが一目瞭然である。

 そんないい進化を遂げたEXILIM ZOOMの新たなるバージョンアップ版が「EXILIM EX-Z55」(以下、Z55)である。実際には「EX-Z50」とZ55の2種類が発表された。EX-Z50はEX-Z40の500万画素版。Z55は同じ500万画素ながらさらに新しい要素を取り入れた新バージョンである。

 Z55の一番のウリは液晶パネル。従来から2インチと大きめの液晶パネルが人気だったが、Z55ではとうとう2.5インチと最大クラスにしたのだ。

 その辺を中心に進化を遂げたEXILIM ZOOMを見ていこう。

500万画素CCDを搭載して画質も向上

 まずは基本的なレンズやCCDまわりから。

 レンズは従来と同じペンタックス製の3段沈胴式スライディングレンズシステム。沈胴時に中央のレンズ群が上にスライドすることで収納時に薄くできるというもので、「Optio S4/S5」シリーズでも使われているレンズと同じだ。

ki_mein-open.jpg
ki_mein-close.jpg レンズはこのボディによく収納できてるなという三段沈胴式。デザインは非常にオーソドックスでシンプルだ

 焦点距離は35-105ミリとオーソドックスで扱いやすい3倍ズーム。F2.6-4.8とスペック的には非常にいい線だ。

 撮影距離は標準モードで40センチから、マクロではワイド端で6センチ、テレ端では18センチからである。ただ今回から「オートマクロ」機能がつき、マクロモードにしなくても、ピントが合わないときは自動的にマクロ域までAFが作動するようになったのだ。

 はじめから近距離の被写体を撮ると分かっているときはマクロモードの方が素早くピントが合うし背景にピントが合う心配もないが、普段は標準モードのままでもOKなのである。

 フォーカス関連ではオートパンフォーカス機能も捨てがたい。シャッターボタン半押しをするとAFが動作するが、それを略して一気に押すと、パンフォーカスモードになるのだ。要するにカメラ側が勝手に「この辺」と決めた位置にフォーカスが合うので、ピンボケの確率は上がるが、AFが動作しない分シャッターチャンスを逃さない。ピント合わせてるヒマがない、っていうときでもシャッターを押しちゃえばなんとかなるわけで、特に被写界深度が深くなる広角側ではかなり便利だ。

 ちなみにフォーカスモードにもパンフォーカスポジションがあり、このときは画面にピントの合う範囲が「メートル」で表示される。こういうちょっとした情報が便利。

 AF、マクロ、パンフォーカスに加えて、無限遠やマニュアルフォーカスモードも持っている。これらはマクロボタンを押すたびに切り替わるという仕様だ。

 CCDは1/2.5インチの500万画素。コンパクト機500万画素時代の到来である。絞り値はF2.6/4.3(広角側の場合)の2段階切替式。ISO感度は50−400で、オートでは50-200の範囲で自動的にセットされる。

ki_front.jpg 前面はシンプルで「5.0MEGA PIXELS」のパネルが目立つ。前面のちょっとした出っ張りのおかげでグリップは悪くない

 起動は公称で約1.6秒、実測でも2秒弱となかなか快適で、レリーズタイムラグも約0.01秒。オートパンフォーカスなども組み合わせると、かなり快適なストレスのない操作が可能だ。ただ撮影間隔は実測で2秒程度と速い方ではない。

 さて肝心の画質だが、今回から画像プロセッサに「EXILIMエンジン」という名前がついた。名前がついただけではなく、処理速度や省電力化と同時に、ノイズ除去アルゴリズムを新規に開発。画質面にも寄与している。

 実際、前モデル(Z40)に比べるとディテールの解像感は画素数向上以上に遙かによくなり、ノイズも目立たなくなっている。広角時の周辺の歪みや画質低下はわずかに見られるが、コンパクト機としては上々だ。

 発色はナチュラル系で、色はしっかり出ているが、特に記憶色重視の誇張はない。ただ、彩度・シャープネス・コントラストは変更できるし、ベストショットモードを使えば色を誇張した撮影もできる。その辺はなかなかマニアックだ。

 不満があるとすればオートホワイトバランスの精度。まれに構図によってホワイトバランスが変わってしまうことがあった。よって、ホワイトバランスはマニュアルでセットしたくなることも多い。Z55はホワイトバランスのカスタム設定機能も持っているので、そういう意味では安心だ。

 今回使用した製品は試作品であるため、製品ではよりチューニングが施されて精度があがるかもしれない。改善されていることを期待しよう。

液晶パネルが2.5インチになり、表示も親切に

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