Pentium M、米小売市場でようやく浸透開始

» 2004年11月12日 10時58分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米調査会社Current Analysisによると、1年半前に登場したIntelのモバイルプロセッサ「Pentium M」が、ようやく米国でもコンシューマーの間に浸透し始めた。

 10月の米小売市場で、Pentium M搭載製品はノートPC販売台数の23%を占めた。Mobile Pentium 4を搭載したデスクトップ代替用のノートPCも、まだかなりの割合を占めてはいるが、Pentium Mの値下げにより軽量薄型ノートPCが魅力的な価格で小売りされるようになったためだとCurrent Analysisのアナリスト、サム・バブナニ氏は分析している。

 Pentium Mは、Intel初のモバイル環境専用プロセッサとして2003年3月に登場した。最初のターゲットユーザーはビジネス顧客とされ、モバイルチップセットと802.11ワイヤレスチップとともにCentrinoプラットフォームとして出荷された。当初、テスターやユーザーは、デスクトップ並の性能とバッテリー駆動時間の長さを歓迎したが、コンシューマーは、このプロセッサにすぐに飛び付こうとはしなかった

 バブナニ氏によると、それは一つにはIntelが、2003年中はPentium Mの利点をコンシューマーに啓蒙することにあまり時間を割かなかったからだが、米国のコンシューマーは過去2年間、大型のディスプレイを搭載した、もっとサイズが大きくて高性能な、デスクトップ代替ノート製品に夢中だった。このタイプのノートPCは出張には向かない。だがノートを持ち歩かず、ACアダプタを外すことのあまりないユーザーの場合は、これで十分だった。

 米国では今年9月まで、このトレンドに変化は見られなかった。実際、東芝やHewlett-Packard(HP)は過去数週間、マルチメディアPCを求めるユーザー向けに、ワイドスクリーンを搭載し重量のあるノートPCを投入している。

 Intelによると、この現象は米国市場に限られたこと。欧州やアジアのコンシューマーは、もっと小型のノートPCを好んでおり、これらの地域でのPentium M搭載ノートの売れ行きは米国より好調だという。

 Current Analysisのデータには、直販PCベンダーDellの販売台数が入っていない。DellはビジネスノートPCのLatitudeでPentium Mを採用しているが、同社のコンシューマー向けサイトに掲載された8種のノートPCのうち、Pentium M対応は半数となっている。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月15日 更新
  1. 新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド (2024年05月14日)
  2. ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら (2024年05月14日)
  3. 使って分かったM4チップ搭載「iPad Pro」のパワフルさ 処理性能とApple Pencil Pro/Ultra Retina XDRディスプレイ/新Magic Keyboardを冷静に評価する (2024年05月14日)
  4. ASUSが「新しいAI PC」を5月21日午前3時(日本時間)に発表 Snapdragon X搭載? (2024年05月13日)
  5. FMVの富士通クライアントコンピューティングが2種類の周辺機器を発売 「27型ワイド4Kディスプレイ」と「ワイヤレス静音キーボード」 (2024年05月14日)
  6. Intel ArcにARCTIC水冷キットにマウスに! 白と黒が選べる新製品が多数登場 (2024年05月13日)
  7. OpenAIが新AIモデル「GPT-4o」を発表 (2024年05月14日)
  8. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  9. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  10. キヤノンMJ、PCレスでのスキャンやデータ送信も可能なネットワークスキャナー「ScanFront 400II」 (2024年05月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー