以上のように、ノースブリッジからは上は共通だけど、サウスブリッジから下はけっこう異なるコンシューマ向けPentium Mマザー。ユーザーからすれば、マザーボードとしての機能以外にも、このストレージ系インタフェースデザインの違いがパフォーマンスにどう影響するかも気になるところだ。
そういう観点を踏まえながら、定番のマザーボード系ベンチマークである「SYSmark2004」(Patch2を適用)「PCmark04」「Sandra SP2」「Business Disk WinMark 99&High-End Disk WinMark 99」でパフォーマンスを比較してみた。なお、マザーボードそのもののパフォーマンスを比較するために、i855GMEmではSpeedStepの機能は無効して測定を行っている。
テスト環境 | Aopen i855GMEm-LFS | DFI 855GME-MGF |
CPU | Pentium M 755(2GHz) | |
メモリ | PC3200 512Mバイト×2 | |
ビデオ | Intel 855GME | |
HDD | 日立GST Deskstar 160Gバイト/7200rpm/Ultra ATA | |
OS | Windows XP Professional(英語版) | |
ServicePack2、DirectX9c |
Sandra2004 SP2、PCmark04のCPUやメモリ周りのテストなどの結果は両者ほとんど変わりない。i855GMEm、DFI855GMEともにノースブリッジから上流の構成はまったく同じなので、そのあたりのパフォーマンスが同程度なのも納得がいく。
すべてのテストで855GME-MGFの結果がほんのわずかずつ良好であるが、これはそれぞれの評価機(i855GMEmは製品版、855GME-MGFは試作品)に同梱されていたチップセットドライバのバージョンの違いによるものと考えられる。
両者にはっきりとした差が出たのは、やはりコントロールチップが異なるサウスブリッジ周りのパフォーマンスを測定するWinBench 99 2.0のDisk WinMarkの結果だ。さすがに6300EBSのおかげか、DFI855GMEがi855GMEmを頭一つリードしている。
ノースブリッジから上の構成が関係するパフォーマンスは両者互角といってだろう。i855GMEmもインテルのサイトから最新のドライバをダウンロードして導入すれば、DFI855GME同等のパフォーマンスを発揮できるはずだ。
結局のところ両者の違いは、「SpeedStepが使えてオーバークロック設定も容易なi855GMEm」「サウスブリッジのパフォーマンスに優れたDFI855GME」ということになるだろうか。実売価格はi855GMEmが2万9000円前後、DFI855GMEが2万7000円前後とDFI855GMEがやや安い価格設定になっている。
LGA775やmPGA478対応マザーと比べると依然として高め、という声もあるが、静音性能に優れたPentium M対応CPUクーラーも同梱されていることを考えると、それほど割高でもないと考えてもいいはず。
AOpenのマザーにしろDFIのマザーにしろ、個性がはっきりしているので、購入しやすい価格で目的に合わせて選ぶことができるのは、ユーザーにとって幸せなことだろう。願わくは、さらに多くのマザーボートベンダーがPentium Mマザーに参入して、ユーザーがとことん迷うぐらい多種多様な製品が登場して欲しいものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.