きょうは「AOpen i855GMEm-LFS」「DFI 855GME-MGF」のどちらを買うか悩んでしまったマザーボード(3/3 ページ)

» 2004年11月18日 17時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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 以上のように、ノースブリッジからは上は共通だけど、サウスブリッジから下はけっこう異なるコンシューマ向けPentium Mマザー。ユーザーからすれば、マザーボードとしての機能以外にも、このストレージ系インタフェースデザインの違いがパフォーマンスにどう影響するかも気になるところだ。

 そういう観点を踏まえながら、定番のマザーボード系ベンチマークである「SYSmark2004」(Patch2を適用)「PCmark04」「Sandra SP2」「Business Disk WinMark 99&High-End Disk WinMark 99」でパフォーマンスを比較してみた。なお、マザーボードそのもののパフォーマンスを比較するために、i855GMEmではSpeedStepの機能は無効して測定を行っている。

テスト環境Aopen i855GMEm-LFSDFI 855GME-MGF
CPUPentium M 755(2GHz)
メモリPC3200 512Mバイト×2
ビデオIntel 855GME
HDD日立GST Deskstar 160Gバイト/7200rpm/Ultra ATA
OSWindows XP Professional(英語版)
ServicePack2、DirectX9c

SYSmark2004(Patch2)

Sandra2004「CPU Arithmetic Benchmark」

Sandra2004「CPU Multi-Media Benchmark」

Sandra 2004「MemoryBandwidth」「Cache&Memory Benchmark」

PCMark04 Score

PCMark04 Video Compression

Business Disk WinMark 99&High-End Disk WinMark 99

 Sandra2004 SP2、PCmark04のCPUやメモリ周りのテストなどの結果は両者ほとんど変わりない。i855GMEm、DFI855GMEともにノースブリッジから上流の構成はまったく同じなので、そのあたりのパフォーマンスが同程度なのも納得がいく。

 すべてのテストで855GME-MGFの結果がほんのわずかずつ良好であるが、これはそれぞれの評価機(i855GMEmは製品版、855GME-MGFは試作品)に同梱されていたチップセットドライバのバージョンの違いによるものと考えられる。

 両者にはっきりとした差が出たのは、やはりコントロールチップが異なるサウスブリッジ周りのパフォーマンスを測定するWinBench 99 2.0のDisk WinMarkの結果だ。さすがに6300EBSのおかげか、DFI855GMEがi855GMEmを頭一つリードしている。

 ノースブリッジから上の構成が関係するパフォーマンスは両者互角といってだろう。i855GMEmもインテルのサイトから最新のドライバをダウンロードして導入すれば、DFI855GME同等のパフォーマンスを発揮できるはずだ。

 結局のところ両者の違いは、「SpeedStepが使えてオーバークロック設定も容易なi855GMEm」「サウスブリッジのパフォーマンスに優れたDFI855GME」ということになるだろうか。実売価格はi855GMEmが2万9000円前後、DFI855GMEが2万7000円前後とDFI855GMEがやや安い価格設定になっている。

 LGA775やmPGA478対応マザーと比べると依然として高め、という声もあるが、静音性能に優れたPentium M対応CPUクーラーも同梱されていることを考えると、それほど割高でもないと考えてもいいはず。

 AOpenのマザーにしろDFIのマザーにしろ、個性がはっきりしているので、購入しやすい価格で目的に合わせて選ぶことができるのは、ユーザーにとって幸せなことだろう。願わくは、さらに多くのマザーボートベンダーがPentium Mマザーに参入して、ユーザーがとことん迷うぐらい多種多様な製品が登場して欲しいものだ。

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