きょうは「Athlon 64 X2」「Pentium ExtremeEdition」でデュアルコア頂上決戦を堪能したCPU(3/3 ページ)

» 2005年05月18日 11時42分 公開
[佐藤哲,ITmedia]
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SYSmark2004 SYSmark2004 Internet Content Creation(詳細)

SYSmark2004 Office Productivity(詳細)

 アプリケーションベンチマークの定番であるSYSmark2004においては、Athlon 64 X2の完勝と言っていい状態だ。SYSmark2004 Overallの結果はもちろんこと、オフィスアプリケーションでの性能を示すOffice Productivityやコンテンツ作成系の性能を示すInternet Contents CreationにおいてもAthlon 64 X2がPentium XE 840を上回った。

 こうした結果になった背景には、やはりPentium XE 840が、シングルコアのPentium 4に比べて低いクロックに抑えられているということがあげられるだろう。今回はシングルコアのPentium 4に関してはとくにテストしていないが、過去の結果ではAthlon 64 FX-55とPentium 4 560(動作クロック3.6GHz)がほぼ同等だったことを考えると、やはりPentium XEのパフォーマンスに下がってしまった動作クロックが大きく影響していると考えていいだろう。

 もともとNetBurstマイクロアーキテクチャはクロックに依存したアーキテクチャになっており、クロックが上がれば上がるほど性能が出るように設計されている。そのアーキテクチャでクロックが下がったのだから、こうした結果も致し方ないだろう。

3DMark05 CPU Score

PCMark04(PCMark)

 3DMark05においては、Pentium XE 840がAthlon 64 X2を上回った。3DMark05のスコア自体は、ここには掲載していないが、実際には誤差とも呼べる範囲内でほとんど差はない。もともと3Dゲームにおける性能はCPUよりは、どちらかと言えばGPUに依存する方が大きいので、あまり大きな問題ではないともいえるのだが。

 PCMark04のCPUに関しては、マルチスレッドに対応したテストが含まれていることもあり、デュアルコアのCPUであるAthlon 64 X2とPentium XE 840が、シングルコアのCPUを上回った。そして、ここでもAthlon 64 X2がPentium XE 840を上回っている。

TMPGenc Xpress MPEG2(8Mbps) to WMV(3Mbps)

 最後にTMPGencのエンコードにおけるフレームレートを計測した。計測したのは、8MbpsのMPEG2を3Mbpsに2パスVBR(平均ビットレート/ピーク)でエンコードする時間で、かかった時間でフレーム数を割りフレームレートを導き出している。

 CPU関連の設定は、エンコード、動き検索、フィルタリング、すべてをマルチスレッドで行う設定にしている。結果を見ると、Athlon X2 4800+が14.38fpsであるのに対して、Pentium XE 840は12.55fpsと、ここでもAthlon X2が上回った。

Athlon 64 X2の価格は高め。予算があるなら最高性能をゲットできる

 以上のように、Athlon 64 X2 4800+のパフォーマンスはPentium XE 840を明らかに上回っている。こうした結果になった背景には、やはり両CPUのアーキテクチャの違いがあると思う。

 ただ、考えてみればこれは当たり前で、Athlon 64が登場したのが2003年、Pentium 4が登場されたのは2000年だ(実際にはAthlon 64は2002年末に登場する予定だった)。その登場時期のタイムラグの間に、デュアルコアという新しいトレンドを取り込んだAMDが、アーキテクチャの新しさでリードし、奇しくもNetBurstマイクロアーキテクチャのライフサイクルの終わりに近づいている今、このことが大きな差となってでてきている、そう考えられるのではないだろうか。

 これは両社の製品ライフサイクルの差から常に起きることだ。振り返れば「2000年の1GHz競争」でも、Pentium IIIよりも新しいAthlonが勝利したが、逆にその後に展開された「クロック上昇競争」では、新しいアーキテクチャのPentium 4がAMDのAthlonに勝利した。そして今回の「デュアルコア競争序盤戦」では、やはり、アーキテクチャが新しいAMDが、インテルに勝利している(だから、インテルが2006年末に導入を予定している“Conroe”が導入されると、また状況は一気に変わっていくのかもしれない)。

 ただし、Athlon 64 X2の価格は、ちょっと高いのでは? と思う。4800+が11万110円、4600+が8万8330円、4400+が6万3910円、4200+が5万9070円という価格設定になっている。競争相手と言える、Pentium Dが今のところ価格が発表されていないため、比較できないのだが、これだと大手OEMメーカーのマシンに採用されて搭載マシンが大量に出荷される……というのは難しいだろう。

 そうした意味では、予算に余裕があるユーザー向けということになるが、その性能の高さを見れば、とりあえず性能面で不満に思うことはない、ということは言えるのではないだろうか。

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