ニュース
» 2005年08月29日 08時30分 UPDATE

IDF Fall 2005見えてきた次世代デュアルコアプロセッサ (1/2)

IDF Fall 2005では、IDF Springで示された多数のデュアルコア/マルチコアプロセッサのうち、2006年後半から提供する“本命の”プロセッサとそのアーキテクチャについて、一部が明らかになった。

[本田雅一,ITmedia]

 Intelは米サンフランシスコで開催したIntel Developers Forum Fall 2005で、2006年後半に投入予定の新プロセッサ「Merom」「Conroe」「Woodcrest」の概要を発表したが、その後行われたブリーフィングではサーバ/ワークステーション向けとして次世代Intelアーキテクチャコアを4個統合する「Whitefield」が2007年に提供されると話した。

キャッシュ容量の違いで差別化?

 これらのマイクロアーキテクチャMeromと同じものだが、Meromの2次キャッシュメモリがYonahの2倍となる4Mバイトのみなのに対し、Conroeは2次キャッシュメモリ容量の違いによって複数バージョンが提供される点が異なる。

Intelのプロセッサロードマップ 2007年初めまでのIntelのプロセッサロードマップ

 Intelは正式には各プロセッサの2次キャッシュメモリの容量を明らかにはしていないが、プレゼンテーションで使われたスライドの比率が正しいのであれば、4Mバイトと8Mバイトの2バージョンが提供されるように見える(Intelの場合、こうしたプレゼンテーションスライドに使う図や写真は非常に正確に作られるので、確度は高いだろう)。別の情報では2Mバージョンもあるとされており、最初に登場するのは2Mバイトおよび4Mバイトバージョンのようだ。両者は同一のダイで、選別することにより2つのバージョンを作ると見られる。

 一方、謎なのが8Mバイト版。なぜ8Mバイト版をわざわざ異なるマスクで製造するのか。Intelの資料からはそう読み取ることができる。おそらく、それはXeonの将来バージョンが8Mバイトキャッシュの仕様になっているからではないだろうか。資料にはConroeの2次キャッシュメモリに関して「Multiple」の仕様があると書かれている。今までIntelは2バージョンだけの時にMultipleという言葉を使っていない。3バージョン以上と考えるのが妥当とすれば、8Mバイトバージョンも存在することになる。

 サーバ/ワークステーションバージョンとなるWoodcrestは、おそらくConroeに近い仕様で8Mバイトの2次キャッシュメモリを内蔵し、デュアルプロセッサ構成での動作をサポートしたものとなる。

次世代マイクロアーキテクチャは幅広い展開となる 次世代マイクロアーキテクチャはノートPCからサーバまで幅広い用途に展開される

 さらにWhitefieldはより幅広いレンジのキャッシュメモリ構成が用意され、Woodcrestを2個並べたような構成となるようだ。IntelはWhitefieldを紹介する資料で、わざわざWoodcrestを2個並べような図としており、2次キャッシュメモリも2分割して2個づつのコアが共有する形式に見える。もちろん、図が必ずしも正しいとは限らないが、キャッシュアクセスの設計がMeromなどと同じならば、2つの2次キャッシュメモリ領域を2つづつのコアが共有すると考えるのが正しそうだ。

 さて、Woodcrestを2個並べるWhitefieldは8Mバイト×2の2次キャッシュメモリとなるが、さらに将来的には2次キャッシュメモリを2倍に増やした16Mバイト×2の合計32Mバイトキャッシュ版も用意されるようだ。Woodcrestは4個以上のマルチプロセッサ構成にも対応するため、たとえばWhitefieldで4プロセッサ構成のシステムを組むと16コアが同時に動作するシステムを比較的容易に構築可能になるだろう。

 こうしたハイパフォーマンスを求める改良が行われる一方で、MeromにはYonahと同じくシングルコア専用のマスクも用意される可能性が高そうだ。Intelは“PCベンダーの要求次第”と話しているが、MeromはYonahよりも回路規模が大きいため熱設計電力は高くなりがちだ。IDF初日の基調講演でポール・オッテリーニ氏が話した5ワットという熱設計電力に収めるには、シングルコアの超低電圧バージョンも必要になる。

 熱設計電力がYonahよりもやや高くなる一方、しかし平均消費電力に関しては維持、もしくはやや下がる見込みだ。元々電力効率が悪いNetBurstアーキテクチャを採用する現行のPentium DやPentium Extreme Editionと比べればなおさらである。すでにお伝えしている通り、MeromはBanias(初代Pentium M)の3倍、ConroeはNorthwood(第2世代Pentium 4)の5倍の電力あたりパフォーマンスを実現するとIntelは主張している。

 ただし、前述したようにモバイルプロセッサに関しては、超低電圧版を除き熱設計電力はむしろ大きくなる。たとえばモバイル向けプロセッサだけを取り出してみると、YonahとMeromは同じ製造プロセスを用いつつ回路規模はMeromの方が大きい。Intelは65ナノメートル世代でリーク電流に対する対策を行っているようだが、両者とも同じプロセスならばリーク電流は回路規模が大きくなった分増えていると考えられる。このあたりをどのように解決していくのかといった課題もあるだろう。

明らかになった次世代アーキテクチャ情報

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう