第2回 「アキバブランド」という考え方とその価値PCパーツショップが考える秋葉原ブーム(1/3 ページ)

» 2005年12月27日 09時00分 公開
[岩城俊介&古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]

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PCパーツショップが撤退・縮小傾向

 OVERTOPにPC-Success 2号店、ぷらっとホームなど、2005年は老舗ショップの撤退・縮小もやや目立った年だった。

 PCパーツショップは、現在のアキバのイメージを代表する“街の顔”として機能しながら、企業の生き残りをかけてさまざまな事業展開を計画している。実店舗の閉店も1つの有効な手段になっているのが現状となっている。こちらはそもそも劇的にPCパーツが売れるというわけではなくなっているという現状もあり、昨今の秋葉原ブームに起因するものではないと思われるものであるが。

photo PC-Successは1号店の移転にあわせて、この2号店を1号店に統合した

 最近アキバでは、実店舗としてのPCパーツショップをじつは悲観的に考える人も少なくはない。某ショップはこのように語る。

 「Windows 95から2000の頃がいろいろな意味でピークでしたね。すでにアキバは日本一、いや世界一の電気街というイメージがあり、“アキバでしか買えないからアキバで買う”という絶対的な目的意識を持った自作ユーザーが全国から押し寄せました。しかし現在はインターネットの普及により、地方にいても自宅で最新パーツがほぼアキバ価格で当たり前に入手できます。購入だけを望むユーザーは無理してアキバに来こなくてもこと足りるという考え方もできます」

 また、別のショップはさらにその傾向の理由を具体的に述べる。

 「Windows 98がリリースされた頃から、各ショップで安売りの過当競争が始まりました。薄利多売にならざるを得なくなり、それだけ小規模なショップは不利な状況に追いやられてしまう。安さ一辺倒になると当然利益も減りますよね。ショップの閉店(あるいは縮小・統合)は今後も続くでしょう……」

photo たとえば過当競争のなかでCPUを1つ販売しても、ショップには数百円のわずかな利益しかもたらさないということにもなってしまうという。しかしCPUはPCパーツにおける華の1つ。当然売っていなければショップとしての魅力が半減するというジレンマがある

アキバがとくに熱かった時代

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